地獄編「Epiphone FT79N Texan ’65」を購入の巻
2019年9月末。
いよいよ10月からは消費税もUP…(涙)。
こんな不景気な世の中で、楽しみといったら楽器探しばかりのおいら。
消費税アップは本当に悲しい出来事なのだ。
昨年のバイク事故で得た、
わずかな補償金であるが、
それもどんどん目減りしていく一方。
何か、形にして残さなければ…(笑)
そんな気持ちを察するかの様に、おもしろい楽器が見つかった。
Epiphone Texan 1965年生まれである。
1964年の終わりに、ポール御大が購入し、
続く1965年「Help!」の録音時に、
あの名曲「Yesterday」の演奏で用いたアコースティックギター。
現在でも御大はワールドツアーにこのギターを持ち出している。
※わざわざ「Yesterday」1曲の為にwww
そして、2018年の日本公演の初日演奏でハウリングして以来、
ステージには出てきていない…。
きっとお気に入りのギターの一つなのだろう。
さて、今回の発見物は、1965年(前期)製のテキサンである。
テキサンは、ギブソン社に吸収合併される前からエピフォンによって製造されていた歴史あるアコギだが、合併後のデザイン変更により、ほぼほぼギブソンのJ50(このページ参照)と同じ仕様に変更されてしまった。
ただし、スケールだけはギブソンスケール(628.6mm)ではなく、レギュラースケール(647.7mm)を採用しているという違いがある。
およそ2センチの違いではあるが、同じ弦を張ったとすればそれだけ弦の張力(テンション)が高くなるため、特に低音弦において音の差異が大きく表れ、同ボディーのJ50よりもクリアーで響くのが特徴である。
ポールのテキサンは1964年のモデルで、ブリッジは63~64年に多く採用されていたプラスチックブリッジのモデルであった。
※ただし、サドルがアジャスト用のねじに支えられてフローティングする構造のため、音への影響はさほど大きくはないと考えられる。
1964年のドンズバが欲しいところだが、
海外でも最近は値段が上昇傾向にあり、下手をすると日本国内よりも高く言われることもある。
今回のは65年製であること、仕様が若干ポールのものと相違する点などがあるため、お手頃価格で売られていたのが、決意した理由である(笑)
前の持ち主がL.R Baggsのi-Beam ピックアップを取り付けているため、このままステージでも使えそうである。
それも購入の動機の一つである。そのうち、アコースティックライブでもしてみよう。
さらに、この個体の特徴として、
①ボディーの色が薄いこと
②ネック付け根に「Heel Stinger」塗装があること
③バックのマホガニーが2Pでなく1Pであること
があげられよう。
この3点は実は同じような理由から付けられているものと思う。
まず、モデル名の最後につく「N」は、「Natural塗装」のNである。
色を濃く塗るモデルは、杢目的にはさほどきれいでなくてもカバーできるのだが、
Nモデルは木目が全て透けて見えるため、selectされた木が使われる。
※なので、カタログ上でも値段が高く設定される。当時の価値で数万円程度の差か。
この個体は、たぶん1ピースで使える大きなマホガニーが手に入ったため、
それを生かすためにわざわざ塗装を薄い色にしてあるものと考えられる。
そして、アクセントに、ネック付け根に50年代によく使われた黒塗装(ネックスティンガー)を付けて、
高級感を醸し出そうとしたのであろう。
ポール仕様が一番のポイントとなってしまった今となっては無用の配慮だがwww
そういう目で見れば、これはまたこれで貴重な一本だ。
325を手に入れた時点で、もう買うことはないと思っていたビートルズ・ギア…。
しかし、ギター地獄に落ちているoyoyoは、もはや、輪廻転生する以外に。
ビートルズギア地獄からは抜け出せないのである(笑)!
1965 Epiphine FT79N Texan Serial Number #324620
特徴的なヘッドストック。
いわゆるエピフォンの「スリムヘッド」である。
カジノと同じ形状であるが、ヘッド中央に変な形(笑)のインレイが入る。
これはCloudHeadと呼ばれるインレイである。
まあ、雲に見えるといえば見えるけどねwww
エピフォンのロゴはすごく上寄りwww
なんでこんなに上に入れた?
ま。個性があっていいわ。
ナットの幅は実測41.5mm。
65年の後期なると、40mmのいわゆる「ナローグリップ」時代に突入するので、
その切り替えの時期に相当すると思われる。
※ジョンのカジノが#328393がまだワイドなので、その直後に切り替えられたのだろう。
エピフォン名物、ブルーラベル。
UNION MADE 印字アリ。
モデル名が、
「FT79N」なのが見えるだろう。
サンバースト仕様のものは
「FT79」だけの印字になる。
時々、ナチュラル仕様に変更された
テキサンが売られているが、
その場合はオリジナルの塗装ではない可能性があるので、
要注意である。
ネック付け根の
両脇に塗られた黒ライン。
いわゆる「Neck Stinger」である。
50年代にはよくナチュラル仕様の
いわゆる高級機には付けられていた。
もっと大胆に、ヒール全体を黒くすることも。
「傷を隠すため」なんて
言われることもあるが、
それでもレアである。
「隠れた男のおしゃれ」程度に
受け止めて置けばよいだろうwww
➡
ボディー裏の様子。
普通は、左右でブックマッチ(左右対称)された、
2枚の板で構成されるボディー。
ところが、このギターは、真ん中につなぎ目がない。
どうも、65年頃は同じモデルでもこのような仕様違いが多数存在するらしい。職人の遊び心か??
その木目をひけらかすように、通常ネックと同色に塗られるはずのボディー側面とボディー裏が、薄い色に塗られている。
だいぶ雰囲気が変わってしまうが、濃い色に塗装された63年のJ50があるので、
あえてこのような違いを楽しもうと思うwww
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