おまけ2 「フェンダーアンプを調べよう」 編
以前に持っていたフェンダー・ベースマン(ツイードのリイシュー)を売り払い、
代わりに買ったアンプがこのツイン・リバーブである。
あんまり考えずに、
「まあいいや、安いから」
的に買ったので、詳しい素性は知らないままだった。
せっかくなので、こいつにも少し愛情を向けてやろうと思い立ち、いろいろ調べてみることにした。
ビートルズといえばVOXアンプ、というのが定番となっているのだが、
リボルバーあたりのアルバムからはスタジオ内ではフェンダーのアンプを使用することになったようである。
特に、ジョージがつないでいる写真が多い。
はじめはセパレートタイプのアンプを使っていたようだが、
「Revolution」や「Hey Jude」のプロモ・フィルムでは、黒パネのデラックス。
そして有名な「屋上コンサート」では銀パネのツイン・リバーブが確認できる。
彼らの銀パネはアルミの枠が付けられた’69年製と思われる。
屋上コンサート直前に、ポールはベースマン・アンプを、そしてジョンとジョージはこのツイン・リバーブを手に入れたようで、
ポールが屋上で自分のへフナーに貼り付けていた「BASSMAN」というステッカー?は、実はそのアンプについてきたもののようである。
さて、この私のT/R君は、マスター・ボリュームが付いていないので、1972年よりは前に作られたようである。
しかし、それ以外のことは良くわからない。68年製なら、フロントの網の周囲にアルミの枠が付いているはずである。
それが無いのだから、70年か71年製であろう。
・・・といってても埒が明かないので、インターネットで調べてみた。
すると、68年製までは、アンプの内側に貼ってある真空管の配置図にスタンプで記号が押してあるらしいのだが、
それ以降は無いのだそうだ。
無論私のアンプはそれ以降なので、スタンプは無い。
次の手がかりは、トランスなどの電気部品についているシリアルb見る方法なのだそうだ。
Twinのトランス類は、Schumacher(まさか?シューマッハー?それはF1ドライバー。アメリカ流に読むとシューマッカーか)というメーカーが納入していたらしい。
製造元のコードは606番。
であるから、トランス類にはまず606という番号が入っている。その番号のあとに、何年の何週目に作られたかを示すコードが打たれているのである。
おいらのアンプのそれを見てみると・・・606−1−19とか606−1−23というbェ見られる。
これは、1971年の19週目から23週目にかけて作られた部品ということを示している。
これでこのアンプが1971年製であることはほぼ間違いないであろう。
23週目というと、6月頃か・・・。
ところが、である。
同じくスピーカー供給メーカーであったJensenも、同様のコードを持っている。
メーカーコードは202番。
このスピーカーC12PSには、この番号から始まる生産コードが入っているはずだ。
それも見てみると・・・220624とある。これを同じ方法で読むと、
1966年の24週ということになる。ということは、スピーカーだけが66年製???
いまいちはっきりしないが、
1965年にフェンダー社をCBSが買収したことは有名であるが、(その後製品の品質が落ちたという話で、CBS以前のアンプは非常に高いのである)スピーカーは66年当時のCBS・Fenderのロゴ入りのものが搭載されているとも考えられる。
前の持ち主が取り替えたのか?
それとも、他のメーカーのスピーカーに混じって、ストックパーツとしてあったスピーカーを取り付けて売ったのか?
かえって謎は深まってしまった。
いずれにしても本体は1971年製。そろそろ真空管でも取り替えてやろうかなあ・・・。