2014年5月「プライマリー側ガスケット交換」の巻

「油漏れが多くなったので、何かしてみよう。」

 キャブレターからガソリンが漏れ始めた。
 パッキンがいわゆる「ファイバーワッシャー」とやらで、
 やや硬めの素材であることが災いするのかも。
 アメリカでAMAL626用セットを手に入れ、
取りあえずバンジョーボルトとドレンボルトのパッキンだけ交換。
 これで少しは改善するだろう。
 同じ店でこんな
「ショートファンネル」があったので合わせて送ってもらった。黒い右の方はAMALに標準で着いてくるプラスチック君。味気もないし、金網の部分がヤレて来てなんだかしょぼい。
 左の金属の方が今回入手したもの。大きさを事前に調べないで買ったのだがwww、ぎりぎりフェアリングとの隙間も確保。
 見た目的にはかなりいい感じになった。
 他のパッキン類もいつか交換しなきゃな。
 さもなければ、新しいキャブを購入か。
 AMALの再生産は意外と安く売られているのだ。

 さて、オイル漏れの方だ。
 先日、下仁田→南牧→上野村コースに出かけたのだが、
最初の休憩地、下仁田道の駅の時点で、
 すでにプライマリー側からかなりの量のオイルがたれている。
 前日に増し締めもしたのだが…これは完全にパッキンが逝ってしまった可能性ありだ。
 今まであまり走っていなかったタイガー君が、急にこんな毎週走らされるのだから、振動であちこちに影響もでるのだろう。
ここは意を決して、ガスケットの交換に打って出ようと決意。
 アメリカで、現状の
紙っぽいガスケットよりもやや頑丈そうなガスケットを購入。
 ※ついでに2枚買っといた(笑)

 プライマリーチェーンカバーを外すためには、
邪魔になる左エキパイ、左フットレストを外す必要がある。
 これがまた、面倒臭い。
 ボルトの種類だけで4種類あるので(笑)、やたら工具を使う。
 しかも、インチのものとミリのものをだ!
 ま、今まで眠っていた工具もやっと日の目を見るということで。

 なんとか部品を外し、3・16インチのヘックスで10本のスタッドボルトを外すと、案外あっさりとカバーがはがれてきた。
 見れば、やはりガスケットは簡単にちぎれてしまった。
 素材的にオイルに強くないのかもしれないが、ちょうどオイルがたれていた部分で切れている。
 カバー内にはこんな黒いスラッジが。
 中にキラキラ光る粉が。アルミの粉だ。
 内部のどこかにチェーンが接触して削れたのだろう。
 怖い…。ま、仕方ない。この時代のトラ500ccエンジンには、プライマリーチェーンの
テンショナー機能が無いのだ。

 液体ガスケットを使用した形跡はなく、しかも、接合面に黒い汚れが付着している。これはきれいにしなければ。
 オイルストーンを使って、古いガスケットと黒いかすをきれいに除去。ついでにカバー本体もしっかりと磨いておいた。
 裏側に、アルミで肉盛りしてある部分を発見。表から見ると、へこんだ傷がある。
 たぶん過去の歴史の中で、ここを打って亀裂を入れてしまったのだろう。
そんなことがわかるのも、古いエンジンの面白さである。さすが53年間の歴史あり。

 さて、きれいになったら組み付けてみよう。
 今回は、ちょっと液体ガスケットも併用してみる。
 ある程度厚さを保って硬化するものを選択。しかも銅粉入りで熱にも強いってやつである。うまくいくといいが。

 まずはエンジン側の接合面に液体ガスケットを塗布し、そこに新しい黒ガスケットを貼り付ける。
 ボルト穴の位置もばっちりで、厚さもやや厚めなので、シール効果が期待できる。
 そこに、さらにカバー側にも液体ガスケットを塗布し、張り合わせる。 なんとかねじ位置も決まり、あとは10本のスタッドで固定、はみ出してきた液体ガスケットをある程度きれいにふき取り、しばらく放置して硬化するのを待つ。

 この写真がカバー内部である。
 右の大きい方がクラッチ本体。4つのばね調整用ボルトがあるが、なぜなのか
2本ずつ色違い(笑)。なにか事情で交換かな。

 左の黒尾い方が発電しているステーター。LUCASの文字入り。
 さらに面白かったのは、
 プライマリーチェーンの後ろ側に、オイルをキャッチする目的なのか、小さな溝のあるスタッドがはめてあるのだ。
 この溝にオイルが載ると、このケースからエンジン外側に導かれる。
 そこにはドライブチェーンが回ってるのだ。
 ようするに、この溝から少量のオイルをチェーンにたらしているということか?
自動チェーンオイル補充システムか??
 さすがイギリス人。チェーンメンテを忘れる人用に、こんな機能を追加したのかもしれない。

 その後、硬化が進んだ頃を待って、このケース内にオイルを入れる。
 マニュアルの指定では10W/30のエンジンオイルを285ccとある。
 私がいまタイガー君に入れているのはAMALIEの20W/50の硬めの鉱物オイル。なんだかクラッチのキレに影響しそうだ。ちょうど物置にあったHondaのバイク用オイルが良さそうだったので、こいつを補充。
 あとは試運転をしてみるのみである。
 これで少しはオイル消費を少なくできたらいいが、まああまり気にしないんで(笑)。
 
オイル漏れは「動く英車」の勲章である。

 おまけに、ちょっとおまぬけな写真。
 エキパイとステップを外したタイガー君。
 シングル・フレームに、小型のエンジン。
 それにこう部品を取られてしまうと、スカスカ感がハンパない。が…。
バイクは
シンプル・イズ・ベストである(笑)。

 
いよいよ6月になると梅雨入り。
しばらくはバイクと遊べなくなってしまいそうだ。その前に、もう少し、
タイガーバスタブ君と走ってみたいoyoyoであった。(続く)