2005年総集編
3月「スレーブシリンダー組みなおし」の巻
昨年の1月に直したスレーブシリンダー。しかし、再び油漏れに襲われているのだ。
ちょっと前までオークションで出ていたんだけどなあ…。お小遣いが無かったから入札しなかった。今思うとしとけばよかったかなあ…。といっても後の祭り、アフターカーニバルである。
仕方ないので、クラッチオイルを換えるついでに組みなおしてみた。
ピストンを抜いてみると、カップは十分使えるようである。が、スレーブの内壁にどうも傷が増えている気がする。以前に見たときにはこんなに傷は無かった気がするのだが。
とりあえず、耐水ペーパーで磨く。以前にも書いたが、注意事項は「磨きすぎ禁止」と「縦磨き禁止」である。といってもお素人なので加減が分からない。そのうち、本格的にホーニングでもしてリペアしないとだめだろうなあ。今年の夏の課題かな…。
とにかくこれでしばらく様子を見るべし。緊急でもなさそうだが、部品の確保に配慮していきたいものじゃ。
屋外で作業しながら強風に乗って飛んで来る憎き「スギ花粉」と戦っていると、郵便やさんが来た。見ると、イギリスからの小包が届いたようである。開けてみると、この前入手したバックミラーが届いたのであった。早速あけて、古いものと比べてみたら・・・。おい!ぜんぜん大きさが違うじゃん!
右の写真の上がイギリス君。下はもともとのミラーである。
横幅が約1.3倍くらいある。取り付けのステーなどは、旧型は金属製だが今回のはステーが金属で取り付け台座は樹脂製のようだ。
もしかしたら安全対策とやらで仕様変更された後のものかもしれないなあ。でもミラーがでかいのは後ろがよく見えていいかも。いかんせんクーペのミラーはすんごく小さいのだ。しかもダッシュ上にちょこんと生えているので、普通の上から下がるミラーを見慣れた人は「何?コレ?」という目で見ることになる。
これを付けてみたかったのだが、土台のねじをはずすのに使えるドライバーが無いのだ。ガラスと接近しているので、普通のドライバーは入らない。しかし、ダッシュ全体を取り外すのはもっと面倒だ。
ということは、これを取り替えるには
@ワイヤー式のフレキシブルなドライバーを購入
(これは後々便利かも。しかし値段が高い気がする…)
A軸あるいは取っ手が異常に短いドライバーを探す
(これもあると便利かも。)
Bステーはそのまま残し、ミラー部分だけ交換する。
(これが一番楽。しかし、なんとなく気分がすっきりしない。)
のうちどれかを選ばなくてはならないのだ。
そしてこれが解決の図。
真ん中の曲がったドライバーが非常に安く売っていました。
これなら狭い隙間も大丈夫。ちょいと無理な体勢ではありますが、がんばってねじを回していくと…ついに古いミラーが取れました。
2つを並べてみると、やはり新型の大きさがやたら目に付きますなあ。
まあ気に入らなかったらもう一回昔のミラーに戻せばいいんだから。
しばらくはこの新型ミラーで過ごそうと思います。
取り付けてみると、それほど違和感はありません。古いミラーよりも左右の幅が広く見えるようになったので、安全面では向上ですな。
これで車線変更が楽になるかも??
(おいらのクーペは左のドアミラーが無いのです・・・)
3月その2「スレーブシリンダーいよいよ交換!」の巻
奇跡とも言うべきことがおき、スレーブシリンダーが入手できました。
※どうやって入手したか?については一切お答えできません。
『天の恵み』とお考え下さい!
手前が新しいもの。
古いやつにはこのブリーダーバルブのゴムのふたさえついていなかったので、とってもうれしい!
見た目はまったく同じものですが、上の部分の三角形マーク(製造時期か何かをあらわしているのだろうが…)の中の数字が、旧は1番だったが新は5番へと変わっている。
さて、早速作業に取り掛かろう。
前回同様、クラッチホースは取り付けたまま…というわけにも行かないので、スレーブシリンダーを車載した状態でクラッチホースを外す…と思ったら、「17ミリ」のスパナが無いことに気付いた。17ミリの「めがねレンチ」ならあるのだが、今回はホースがあるんだからめがねでは外せないではないか!
仕方ないので、近所の「アストロプロダクツ」までお買い物に出かけた。いつも必要な工具はここで買っている。が、いつも必要に迫られて単品購入なので、なんかすごくセコイ買い物っぽく見られているに違いない…。
さて、気をとりなおして作業を続けよう。
クラッチホースは簡単に外れた。ワッシャーが一枚はさまっていたが、サイズはガバガバ。これって用を成しているのか?とふと疑問。まあいいや。先に進もう。
新しいスレーブシリンダーは、非常に精度もよく、カップなしでもピストンが抜けないほどである。古いやつは、カップが無ければ簡単に「ストン!」と抜け落ちてくる状態だった。
新しいピストンにカップを取り付け、シリコングリスを塗布、シリンダーに組み込んだ。かなりきつめである。しかしこれくらいしっかり組まれていれば、少なくとも油漏れの心配は無いであろう。
次に、車体に取り付けたままのクラッチホースを新しいシリンダーに取り付ける…といいたいところだが、片方が固定されているので、シリンダーを車体につけてしまうとボルトが回せないのである。仕方ないので、シリンダーは手で持って、行ける所までクラッチホースのボルトを締めこんでいった。旧型を外したとき、茶色のオイルシール剤がねじ部に使われていたので、私もシールテープを念のために巻いておいた。もう回らない、と思ったところでシリンダーを車体に固定し、最後の一締めを行った。ホースが若干ねじれた気がするが、まあいいか、様子を見よう。
エアー抜きも最近慣れてきた。「ワンマンブリーダー」を使ってすぐに完了。試運転に出かける。
やや遊びが少なくなったかな?これはロッドを調整することで解決できる。
びっくりしたのは、クラッチの動きが「しっとり」としたことだろう。これほどフィーリングが変化するとは思わなかった。ちょっと高級感?が増したような錯覚に捕らわれる。
ということで、昨年からの懸案であった「スレーブシリンダー油漏れ」は何とか回避できた。今回のシリンダーはこの車がオダブツになるまでは十分持ちこたえてくれるであろう。頼もしい限りである。
4月「いつものブレーキ調整」の巻
ブレーキの踏みしろが大きくなってきたので、ブレーキ調整を行った。
まずは、後輪を外す。
私のクーペはMkT(マーク・ワン)である。
大きな特徴は、前輪にダンロップ型ディスクブレーキを装備していることだろう。後のMタイプではガーリングのフローティングディスクブレーキになるが、これが効きが悪いと評判?らしい。個体差や調整の差があるのだろうが…。
後輪は普通のドラムブレーキである。ブレーキ・シューの下側に、シュー・アジャスターなるものが存在する。こいつは簡単に言うと、前後のブレーキ・シューの下側を押しこくって、ブレーキドラムとの間隔を調整するという、ねじ式の部品なのである。
※現代の車においては、たぶん自動的にこの間隔を調整できるような仕組みになっているに違いない…。
さて、後輪が外れたら、スペーサーも簡単に取れる。後輪の幅をちょっぴり広げるために、1センチ厚のアルミのスペーサーがかましてあるのだ。
すると、ブレーキドラム面に、小さな穴(小窓)があるのが見える。この小窓からドライバーなどを突っ込み、中にあるアジャスターのねじを回して調整するのだ。
まず、シューがドラムに接触してロックする程度までまわす。その状態から調整ねじを2〜3ノッチ分戻すらしい。それを前後のシューと左右後輪であわせて4回繰り返すのだ。
こうして調整すると、ブレーキの踏みしろもほどほどになり、ハンドブレーキの効きも復活する。
そして、最後の仕上げにブレーキオイルの補充だ。
他のメーカーのものを混ぜるとよろしくないらしいので、ガレージ・クーペのお勧め「WAKO’S」を入れている。
こぼすと塗装がはげてしまうので、慎重に…やっているつもりなのだが、いつも少し飛び出したりして水洗いすることもある・・・。だから不器用っていやだわ・・・。ふん!
5月「ダンロップ・ブレーキ・崩壊??」の巻
どうも2〜3日前から右前輪ブレーキの調子がおかしかった。 「シューシュー」異音を発していたのである。
実は昨年夏ごろもブレーキの引きずり?のような異音を感じたことはあったが、こんなにひどいのは久しぶりである。
でも、チェックするお時間も無いので、だましだまし乗っていたのだ。
今日、ちょっと焦げ臭いにおいまで感じたので、タイヤを外してみると・・・
ああああああ!!!!
おかしい!ブレーキパットを押さえているはずの、リテイニグプレート(45225−504−810)が曲がっちゃっているではないか!しかも、片方のパッドが妙にピストン部からはみ出しているし!これはぶっ壊れたに違いない!!
しょうがないので、ブレーキパッドを外そうと思い、リテイニング・ピンを見ると、リテイニング・クリップとストッパーのピンが無いことに初めて気付いた。まあ、そんなもんだろうな…。でも、無くて平気なのか??
リテイニング・ピンはすぐに抜けたが、パットがディスクに当たっていてなかなか抜けて来やしねえ。これじゃー焦げ臭くなったのも分かるってもんです。
これまたしょうがないので、ブレーキ本体ごといったん外すことに。17ミリのボルトを2本抜くと、ブレーキ本体は意外にも簡単に外れました。それで、パッドを引っこ抜いてみたら・・・。
キャーー!!!
(今回は、妙に叫び声が多い・・・)
パッドは見事に片減りしてます。外側のパッドは斜めに磨耗し、一番前の側はすでに下地の金属が出る寸前です。
逆に、内側のパッドはそれほど消耗していません。これはいったい・・・。
素人考えではなはだ恐縮ですが、たぶん
@ブレーキピストンがロックしている・あるいは斜めに曲がって固着している。
Aピストンシールか何かが、トラぶっている。(※オイル漏れはしておりませんが・・・)
Bパッドの片ベリがだんだん進行し、こんな状態にまでゆっくり発展した。
そんなような原因が考えられるのですが…
いずれにしても、もうこのパッドは使えないので、すぐに新品を注文しました。
というわけで、プッシュバックしてみました。
ダメでした。外側のピストンは戻りますが、内側のピストンは固着し、どうにも動きません。
要するに、外側のピストンだけで「片効き」していたということでしょう。だから、外側のパッドだけが消耗し、偏磨耗していたのでしょう。いつからこんな状態だったのだろう…。考えてみると恐ろしい!!
しかし、これで素人の範囲を超えました。ブレーキキャリパーごと外して、誰か治せる方にお願いするしかないようです。もし直らなかったら…考えただけでも寒気がします・・・。第一、もし再生できなかった場合、ダンロップ・ディスクのキャリパーなんて今時入手できるのでしょうか??出来たとしても、すごい値段だということは間違いありません。トホホ・・・。
どうなる?S君の運命やいかに・・・。(つづく)
5月その2「ダンロップ・ブレーキ取り外し」の巻
仕方ないので、ブレーキの取り外しをした。
もうこうなったら誰かプロの手に委ねるしかあるまい。
生まれて初めて(?)ブレーキラインのオイルボルトを外すこととなった。ほう、こんな構造になってるのか…などと感慨しきり。
しかし、次々と明るみに出る問題点に、頭は痛むばかりである。
まずは問題の右ブレーキ。キャリパーを外し、もう一度ピストン・プッシュバック・ツールで押し戻したら、少し戻ったようだ。
すかさず、ブーツを外そうと思ったが、パッド・サポートがじゃまして取れないことが分かった。
8mmのボルトを4本(上下2本ずつ)外すと、パッド・サポートがポロリと落ちる。これで、ブーツは外せる。が、ゴムが劣化しており、今にも切れる寸前である。場所によっては既に切れており、これでは泥・水の浸入など到底防げそうに無い。
さて、どうせ調整するなら左右一緒にしたほうがいいと思って、左のキャリパーも外しにかかった。
そこで、新たな問題点を発見することとなる。
なんと、左のパッド・リテイニング・プレートが半分千切れ飛んでいたのである!
だあああああ!!なんてこった!右がひん曲がっただけでもショックを受けていたのに、なんじゃあこりゃアアアア!!
こんな部品、売っているのは見たことが無い。万が一、入手できない場合は、職人さん(?)に造ってもらうしかないのか?単品で注文したらものすんごく時間とお金がかかりそうである…トホホホホ。
まあ、いつまでも落ち込んでも仕方が無いので、次の作業に移る。
左キャリパーは固着していないと思っていたのだが、見るとやはり内側のピストンが出たままになっているようだ。プッシュバックしてみたが、動かない。
仕方ないのでキャリパーを取り外し、さっきと同じくパッドサポートを外してブーツを取り除いた後、もう一度プッシュバックを試みた。ら、動いた。
よくみれば、ピストンの外周にはさびやパッドのかすが付着している。
結構前からこの状態だったのかも知れぬ。
知らないで毎日このブレーキに命を預けていたのだ・・・。
恐い。恐すぎる。
もうこうなったら、徹底してオーバーホールするしかあるまい!
金なんかかまうもんか!ブレーキ専門に出来る業者にこのまま送りつけよう!もしかしたら、適合するブーツを持っているところがあるかもしれないし。内部のシールは川崎のスプレッド・ツールさんに注文してみた。入荷する予定があるらしい。少し安心した。
さて、ちぎれてしまったあのパッド・リテイニング・プレート君はどうしよう?
とりあえず、Sのパーツを保持していそうなショップに問い合わせをかけてみよう。それでも見つからなければ、もうあきらめて自作(?)するしかあるまい。どこかこういうバネをプレスしてくれそうな工場でも探すか。幸い、片方は原型をとどめているから、見本にすれば同じようなバネを造ることは出来るかもしれない。
パッド・サポーターのねじは、確か大阪のTMレーシングで売っていたと思う。見てみると・・・4個セットで9500円??
高いな。また今度でいいや。第一、リテイニング・プレートでいくら散財するか知れたもんではないし。
パッド・リテイニング・ピンはだいぶくたびれているが磨いてやれば何とか再利用できそうな雰囲気。取れないようにピンを購入しておく必要はあるだろうが。
よし。これで決意が固まった。
このブレーキ、なんとしても再生させて、S君を再び公道に復帰させてやる!
・・・といいながらも、本当に本当に大丈夫なのか?と自問自答している私。
他にやり方ないのかなあ…ブレーキ本体ごと取り替えちゃうような、画期的な方法が・・・。
どなたか、良いアイデアがあったらぜひ伝授していただきたい!!
6月「フェニックス(不死鳥)」の巻
ブレーキ・キャリパーを取り外したのはいいが、ピストンを取り外す術が無いことに気付いた。(遅い!!)
※車体に付いた状態なら、ブレーキペダルを踏んでピストンを押し出す、という方法があるのだが。対向ピストンの場合は、片方のピストンを抜いてしまったら、もう片方のピストンを油圧で抜くことはもちろんできん。みなさんどないしてらっしゃるのだろ?誰かにご教授願いたい…。
ファクトリー・ギアという工具の店に行き、ピストンをはさんで抜くプライヤーのような工具を見つけたが、値段がなんと2万円以上もする!!こんな工具買えまへん・・・トホホ。
こんな金額出すくらいなら、ちゃんとした店でオーバーホールしてもらったほうが安上がりであろう。しかし、それにしてもシールとパッド以外の重要部品が欠品ばかりじゃあなあ・・・
と、悩んでいるうちに、親切な方からメールが届く。「2年前まで現役だったキャリパーを送る」という申し出であった!!こんなことがこの世知辛い現代の日本で起きること自体が奇跡である!
届いたキャリパーには、私がこわしたあのリテイニング・プレートやリテイニング・ピン、ほとんど未使用のパッドまで付いていた。キャリパー自体の見た目はほとんど同じだが、ピストンの素材が変更された後のようだ。
(私のピストンは真鍮のような素材に見えるが、この方のものはステンレス素材に見えるのだ)
これで、OHし、新しくキャリパーを組み上げることが出来るぞ!!いつも本当にありがとうございます!お名前を明かすことの出来ない、私にとっての「足長おじさん」ともいえるお方・・・。
さて、キャリパーのOHをしてもらう店として、あの有名な「工房M」に連絡してみた。
昔読んだ本の中で、レース仕様のSについて書かれていたり、ダンロップ・ブレーキに関しても知識が豊富そうな方だと思ったのである。電話で、事の成り行きを話してみると…。
店主「オーバーホールできますよ。シールなども在庫があります。送ってください。・・・それに、これは売るつもりじゃなかったんだけど、未使用のダンロップキャリパーがありますよ。」
私「え?もう一度おっしゃってください?」
店主「未使用のキャリパーですよ。自分用にとっといたんだけど。お譲りしてもいいですよ。」
私「ほ、本当ですか!!ぜひ、ぜひお願いします!!それと、こっちのキャリパーのOHもお願いします!!」
店主「はい、分かりました。(ガチャリ)」※かなりあっさりした職人気質の方とご拝察しました。
という顛末で、急転直下、ダンロップキャリパー3号が届くことになったのである。
1号と、譲っていただいた2号は黒色塗装されているが、3号はなぜか金色(?)に見える。これはどういうことなのだろう?しかし、こいつを装着することによって、フロントブレーキの初期性能がどのようなものだったのかを体験できるのはまさに夢のような話である!今までへたりにへたったブレーキに慣れていた自分にとって、その違いを知ることはまるでタイムマシンに乗ってSが新車で売られていた1966年当時にタイムスリップすることと同じなのである!
届いたその日、たまたまお仕事が休みだったので、取り付け作業に入った。パッドとリテイニングプレートは、「足長おじさん」様に譲っていただいたキャリパーから流用した。それ以外は手を加えず、ボルト・オンである。結局購入したパッドとシールがあまってしまうが、これは折り返し「工房M」に送り、キャリパー2号をO・Hしてもらうときに一緒に送って使うことにする。
取り付けはいたって簡単。17ミリのボルト2本でキャリパーを固定し、14ミリのオイルボルトでホースを取り付け、終わりである。その後のエア・抜き作業の方が、慣れてないせいもあって1時間かかった…。ワンマン・ブリーダーで行う作業は、果てしなく孤独であり、裏の奥様が買い物に出かけるときにつなぎ姿で目撃されるのも気まずいものだ・・・。
エア抜き終了後、恐る恐る試運転に出かけた。
パッドの偏磨耗の影響でブレーキディスクが段付きになっているため、パッドが擦れる「シャーシャー」いう音が聞こえてくるが、これもしばらく走れば落ち着くだろう。
ブレーキをかけてみる。とくに「鳴き」のような音もない。
驚いた!まるで今までとは違うのだ!上手くいえないが、ブレーキペダルを軽く踏むと、ブレーキパッドがディスクの表面に「吸い付く」ような、そんな感触なのだ。
いままでは結構な力で踏まないと止まらない印象があったが、このブレーキ3号ではそんな力は要らない。足をペダルに乗せてフッと力を入れればきちんと制動してくれる。
命を預ける部品としては、これ以上の安心はない、という状態になったS君。
思えば、ブレーキが固着したときには「もうダメかも・・・」などと弱気にもなったが、多くの方の協力と善意により、意外にも早期に問題が解決されることとなった。
今後は、いただいたブレーキ2号のオーバー・ホールをしていこうと思う。これも、もしかしたら別の誰かを助けることになるかもしれないので、ちゃんと直して保管しようと思うのだ・・・。
6月その2「丸洗いしてみたら…」の巻
最近、オークションでも「エアクリーナーの張替え(?)」作業を依頼できるようになった。うれしい限りである。
おいらは以前にS800のエアクリを落札したのだが、びっくりするような値段になってしまった。福沢諭吉と樋口一葉が二人で逃避行・・・ってな値段だ。張替えならその半額で済むのだからありがたいことだ。今後大いに利用しようと思う。
ということで、温存してあった新品のエアクリーナーを取り付けたのだ。ケチっても仕方ない。これから夏に向けて、車検もあるし、調子の良い状態を維持するために投入したのだ。年2〜3回はエアブローして使っていたが、いかんせん黒ずんできやがった。もう寿命か・・・。
待てよ・・・汚れが埃ならばエアーできれいに出来るはず。この黒ずみはいったい何なのだ?
そう考えてみると、こいつはたぶんエンジンルーム内の気化したオイルや排気ガスの汚れが付着したのではないか?という気がしてくる。これは油汚れなのだろう。ここで、こんな会話が交わされる。
天使の心「さあ、もう泣くのはやめて、思いきって張替えにお出しなさい。」
悪魔の心「油汚れを落とすには、油汚れ専用の洗剤を使えばよいのでは?」
天使「馬鹿なことをお言いで無いよ。相手は紙なんだから、洗えないでしょう?」
悪魔「いや、湿式のペーパーフィルターってのも存在するぜ!水ぐらいじゃ破れまい。」
天使「おやめなさい!後悔先に立たず、ですよ!」
悪魔「いやいや、ダメだったらその時は張替えに出せばいいさ、やっちまえ!!オヨヨさんよお!!」
…というわけで、エアクリをビニール袋(3枚重ね)にたたっ込み、中性洗剤を注いでやった。すると・・・あっという間にその洗剤は真っ黒な色に変色していくではないかあああ!!これはたぶんろ紙や金属部分に付着した油汚れが界面活性されて溶け出した様子にちがいない!これで紙を触らぬようにすればいけるのでは…
しばらくそのままで放置。しかし、3枚に重ねたビニールも、小さなピンホールが空いていたらしく、いつの間にやらあたりには水が漏れ出し、洗剤くさいにおいが漂っていた。しまった・・・。
気を取り直し、慎重にびしょぬれのエアクリを袋から取り出し、外の流しで水洗いした。
紙の部分を引っかいたりしてしまうと元も子もない。
この作業は特に慎重に行うべし…と思いつつも、水を見るとつい興奮してジャバジャバやりたくなってしまうのが人情、本当に人間とは切ない生き物である。でも、できるだけ慎重に扱った。
洗い終わったので、水中からエアクリを引き上げ、新聞紙の上に置いて陰干しにて一昼夜。
その結果、かなりの汚れが落ち、(一部しつこい油汚れのあとは残ったが)空気の通りも十分確保できた。
※デジカメの画像だと差があまり表現できないのが残念。
肉眼でみればその差は一目瞭然でーす。
洗った直後はろ紙がびろびろにふやけており、「こりゃーダメかなあ」と心配もしたが、乾燥後はまた元通りのまっすぐな状態を取り戻していた。紙、恐るべし!である。
今後、破けたところなどが無いかつぶさにチェックしてみようと思うが、張替え前にもう一回ぐらい使えそうな雰囲気である。とりあえずこいつは箱にしまって、来る緊急時用に保存しようと思う。
7月その1「クラッチホース…だめじゃん…」の巻
ひび割れ始めたクラッチホースを交換しようと、ネットで部品を見つけ購入してみた。が・・・
全然かたちが違うじゃん!!
取り付け部分の仕組みからして全く別である。
これはきっと年式か何かによって決まっているにちがいない。うーん、これでは取り付けられないぞよ。
私の車のほうは、ホース側にねじがきってあり、ブラケットの穴に21ミリのナットとスプリングワッシャーで固定されるという方式である。
しかし購入したほう(上)は、そういうねじ山は無く、代わりになにかストッパーをかませるような溝が切ってあるのである。きっとここにはまる部品か何かが純正ではあるのだろうなあ…でもそんなの見たことないしなあ。ただ穴に差し込んだだけでぐらぐらしてたらかえって油漏れの原因になりそうだしなあ…
ということで、別ルートからホースを入手した。
今度のものは川崎の「スプレッドツール」様からの品物だ。前回のものに比べると、作りがしっかりしているのが見て取れるであろう。ホース部分にはなにか規格を示す文字が入っている。前回の物には無かった。なんとなく安心感がある。もちろん、取り付け部分はナットで締め付ける方式である。始めからこっちを買っとけば良かったのだよ・・・。反省。
さて、取り付けようと試みたのだが・・・
「フレアーナットが固くて外せない!」のだ。
私の腕力が足りないのであろうか?しかし、これ以上無理をすると、フレアーナットの頭をなめてしまいそうなのである。また、力をかけているため、取り付けステーが曲がってき始めてしまった。(この部分は薄い鉄板なので・・・)やむなく、様子を見ることにした。
それにしても、フレアーナットの締め付けトルクがこれほど強大だとは・・・素人では分からぬことであった。
もちろんオイルが漏れてしまっては元も子もないのであるから、仕方ないと思うが・・・。専門の業者の方はあれをどのような工具で外すというのであろう?(私はごく普通のフレアナットレンチを使ったのだが)
もしなめてしまったら、クラッチのラインをまた作ってもらうしかないであろうし、それは大手術になるのが目に見えている。ここはいったん引き下がって、プロの意見を取り入れたほうが良いであろう。
8月の車検前にはどこかに点検をお願いしようと思っているので、そのときにでも見てもらうとしよう。
7月その2「ワイパー換えて気分爽快?…」の巻
8月28日に晴れて?第1回目の車検が切れる。
ここまで丸三年。ほぼノンストップで走り続けた我が愛車に敬意を表したいと思う。
8月に向けて車検の準備を整えようと、いつもお世話になっている伊豆のガレージ・クーペ萩原さんに連絡してみたが、あいにく「現在車庫がいっぱい」とのこと。きっと多くの方が自分の車のメンテナンスをお願いしている時期なのだろう。残念ながら、今年は別の手で整備するしかないようだ。
県内にも何軒か旧車の整備を手がけている店があるらしいのだが、残念ながら面識もないし情報も薄い。
先日、I温泉方面にあるという整備工場を探りに行ったのだが、定休日なのか、開店休業中なのか、シャッター等が閉まっていて様子をうかがい知ることが出来なかった。
車検を通すだけならば、近所の民間車検場を使えば十分、ということであろう。
しかし、やはり1年に1回ぐらいはちゃんとSについての知識を蓄えている方に見ていただきたいと思うのだ。自分が素人であるから余計にそう思うのだろうが…。
とりあえず、昨年度非常にお世話になったガレージ・イワサに出してみようと思う。8月2日に入庫の予定だ。
さて、車検対策というほどでもないが、ワイパーブレードが硬化してきたので、安い社外品を購入して交換してみた。
「MagnetiMarelli」のロゴ入り。これってイタリア製?ちょっとフェラーリっぽいですな。色も、純正のものはつや消しの処理が施されていますが、こいつは逆にめっきっぽくキラキラ輝いております。うーん、ラテン系…。
写真でお分かりのように、ブレードの支持方法が若干違うのだ。
純正のものは、真ん中を軸に全体が反り返るようになっており、バネの力で弧を描いてガラスに密着させるようになっている。
Magneti君は、両端に可動するホルダーを配置し、純正よりも若干柔らかなタッチでガラスに当たっている。
ウォッシャーを出して使ってみたが、結構いい感じでふき取っている。ガラス面での「鳴き」も今までより数段小さい。(今までのブレードが硬化していただけかもしれないが…)
ちょっと雨が降るのが楽しみである。
さて、来週はいよいよ車検前点検に突入します。
なにか大変な不具合が露呈しないことを祈りつつ。
※昨年の夏は・・・そう。覚えておいでの方もいるかもしれないが・・・「ミッション載せ換え」「スターティングクラッチ」の2件が8月のS君を襲ったのである!!!
今年は無事に8月を過ごせるよう、ただ祈るばかりである。
8月その1「記念すべき第1回車検…」の巻
いよいよ車検の日を迎えた。
今回はガレージ・岩佐様にお願いすることになった。
伊豆まで行こうと思えば6時間はかかるのだから、埼玉までは約六分の一の時間で済むことになる。
高速道路をひたすら80`制限・4000回転維持で飛ばし(飛ばしてない?)到着。水温も安定しているし、音もうるさくないのでこの辺で十分なのだ!!無理は禁物。エンジンをやっちまったらパーだからねえ…。
さて、1時間20分で到着。社長に今回の点検のポイントを告げる。
以前にも書いたが、
1 クラッチホースの交換
2 右リアブレーキの点検(以前ドラムが外せなかった。)
3 左リアダンパーのブッシュ変形
※コニのショックは製造中止。在庫は今後のために販売は出来ないとのこと。OHできるが、買うのと同じくらい費用がかかるらしい!今後要注意だ!ダンパーがへたったらどうすんの?そういえば、ビルシュタインが旧車用にカスタムメイドしてくれるらしいが…高そう…。
4 各ベアリング類のグリスアップ
などなど。よろしくお願いいたします。
さて、せっかく所沢まで来たので、ちょっと寄り道して帰ろう。
以前から気になる存在だった「所沢航空発祥記念館」に寄って見ることにした。なんでも昔このあたりに飛行場があったりしたらしく、日本の航空の黎明時代を支えた場所なのだそうだ。
500円程度を払い、館内に入る。
冷房の無い車に慣らされた体には、この冷房がかえってあだになる場合があるのだが、温室のような構造のこの館内では、ほどほどにやわらげられていて心地よい。天井から吊り下げられたヘリやセスナ。アメリカのスミソニアン…ほどではないが、間近に見られる飛行機はついつい童心に返ってしまう。ほら、皆さんも昔、「飛行機のある公園」とかに連れて行ってもらった記憶があるでしょう?
館内にはこのほかにもライト兄弟が世界で初めて飛行機を飛ばしたときの資料や、それよりも前に日本人が考案していた「飛行器」の設計図、江戸時代にグライダーを作って橋の上から飛び、所払いされ、ついには打ち首!になったという日本人の話など、興味の尽きない展示があった。
また、簡単なフライトシミュレーターもあり、子供には耐えられない施設だろう。夏休みといっても平日なので、ほとんど人影は見なかった。息子が大きくなったらぜひつれてこよう。
2Fには、航空関係の資料の展示が続く。
中でも、YS11の開発をした土井・鈴木両氏の写真が大きく取り上げられ目を引く。
また、明治時代に所沢飛行場から飛び立ち、訓練を終えて帰る途中に墜落事故を起こした2人の航空学生の遺品も。この2人が、日本で初めての航空殉職者、ということになるらしい。
特に、一人の人の遺族から寄贈されたという下着が生々しい。たぶん血のあとだろう、大きなしみが残る肌着である。
墜落当時、最初に駆けつけて燃え盛る機体から操縦士を助け出した方に、遺族が贈ったらしい。その後、その方が航空隊の基地に貸し出して飾ってあったらしいが、それが今、ここに収蔵されているのだ。思わず手をあわせたくなる。
あっという間に1時間以上滞在してしまった。
帰りはお金を節約し、下道で帰る。
まさに「蝉時雨」という言葉がぴったりな午後だ。渋滞でとまると、街路樹の上からまさに時雨のように蝉の声が降ってくる。今年は特に多いように感じる。気のせいだろうが…。そういえば、夏に京都に行くと蝉の声が関東と違うことに気付く。私にはあの蝉の声は「シネシネシネシネ・・・・」と聞こえるのだ。個人的に「死ね死ねゼミ」と命名している。「死ね死ね団」というぶっそうな名前の悪者がいたっけ。あれを彷彿とさせる鳴き声なのだ。
行きは1時間なのに、帰りは3時間ちょっとかかった。
日曜日には完成した車を取りに行く予定。どのような首尾に終わるかはまたここに報告しようと思います。
車検前よりも走りが向上することを期待しつつ…。
あ、それと、工房名岐にお願いしていたダンロップキャリパーのOHが出来たそうで。これでまた代金の支払いが…。今年の夏は暑いが、財布の中身は寒いなあ・・・。
8月その2「第1回車検終了」の巻
車検が終わり、車を引き取ってきた。
全体的な金額は…想像よりやや高くなった。
フロントのディスク(1枚21,000円也)やラックブーツ(1ヶ6,000円也)を交換しなければならなかったからである。
ディスクは、前回の「パッド片ベリ焦げくさ事件」の時にすでに表面が「段付き」になり、その上、磨耗して厚さもかなり薄くなっているのは承知していた。このままでは車検を通せないと判断されたのであろう。
ラックブーツは2年前に純正君が切れたのを自分で社外品に交換したのだが、これもひび割れ・切れがひどく、交換の憂き目をみることとなった。これらは想定外の部品代と工賃を生む結果となった。
また、後輪ブレーキの点検をお願いしたところ、左右両後輪のホイルシリンダーのオーバーホールが必要となり、カップ類などの出費も必要となった。
幸い、クラッチホースは自分が買っていったものを使ってもらったので部品代はかからなかったが、これらすべてではかなりの金額になったことは想像していただきたい。
まあ、第1回の車検ということで奮発しておこう。
クラッチ・ホースは、表面にひびが入るほど劣化している場合、内側の劣化もかなり進んでいることが予想されるらしい。たしかに、私の車も、クラッチ側のマスターシリンダーのリザーブには、かなりの汚れが沈殿していた。いつも、ブレーキオイルを補充するときにスポイトで吸って捨てていたのだが、また次の時には沈殿している。あれは、ホースの内部から上がってきていたということだろう。これでしばらくあのゴミとおさらばできるかも知れない。
帰りがけに、やはり左のミラーが無いことに言及された。「付けといたほうがいいですよ」とのこと。直径の大きなドアミラーでなく、小さいフェンダーミラーを、ドアの部分につけている人もいるらしい。次回はぜひ付けてみたいと思う。
また社長さんからは、汗だくで現れた私(代車でもエアコンは使わない主義)を不憫に思ったか、なんとIWASAオリジナルのTシャツをいただいてしまった。おかげで帰り道はさわやかな格好で帰ることができました!ありがとうございました!!また今度点検お願いシマース!!
さて帰り道でのインプレッションだが、前後のブレーキ類が「かっちり」したので、運転していて安心感が出た。まだフロントのローターとパッドの当たりが出ていない気がするが、これも数日乗れば落ち着いてくるにちがいない。楽しみである。
ついでにもう一つ。
6月に工房名岐にオーバーホールに出しておいたダンロップキャリパーが完成し、昨日送り返されてきた。
送る前は全体が黒いすすのような汚れにまみれ、なんの輝きも見られない姿だったが、帰ってきたものは渋く銀色の光を放っている。また、内側と外側のピストンをつなぐブレーキパイプのブリッジも交換されていた。
こいつはしばらくストックパーツ置き場行きとなるが、多くの人に助けられた思い出の一品となった。大切に保管し、次の出番を待つことにしよう。
10月その1「秋の長雨対策」の巻
長らく更新すらしていなかったので、ホームページビルダーの使い方を忘れそうである…。
とにかく、小ネタだが更新しないよりまし、ということで進めさせていただこう。
秋の長雨、まったく最悪のシーズンである。
多くのSオーナーはセカンドカーを持っているだろう。であるからして、こんな天気の日にSを乗り回すことなどほぼないといってよいだろう。しかし、わたしはこいつが日常の足、生活の足なのである。どんな雨だろうが、毎日連れ出さねば仕事にもいけない。全く、貧乏人に買われたSほどかわいそうな車もあるまい。
しかし、そんな愚痴を言っている場合ではない。
雨、しかも夜の走行は、わたしにとってまさに「命がけ」なのである。その理由は…
@窓の内部が曇り、前が見えない。(デフロスタの効きがイマイチだ…)
Aワイパーの動きがぎこちなく、今にも止まりそうである。(モーター交換?高くつくぞ!!)
B油膜のぎらぎらが対向車のライトで光り、目がくらむ。(これなら対策が出来そうだ)
ということで、唯一対策できそうなBを実行することにした。もともとこの車、油膜が異常につきやすい。もしかしたらエンジンから油膜の元(気化したオイルなど)を噴出しながら走っているのかも…臭いし…可能性アリ。
カーショップに行き、「ガラス・コンパウンド」を購入。こいつでガラスを磨くと、表面の油膜や汚れ、あるいは以前に気まぐれで塗ってしまった「水はじき剤」などを完璧に除去できるのだ。
とりあえず、全面のガラスを磨いてみた。縦横に丁寧にこすった後、バケツで水をかけてみると…今までは油膜ではじかれてサーッと流れていた水が、今度はべたっとガラスに残っている。これは、油膜が除去された証拠である。けっこう効きますね、これ。気に入りましたよ。
せっかく磨いたので、サイドガラスとリアのハッチのガラスに「水滴消し」(TOTO製!)を塗る。こいつは、今までの「水弾き」とは逆に、親水性の膜を作り、水滴にならずにべたっと水が平面になるようにするものだ。こうすれば、リアワイパーの無いわたしのS君のような車でも、後ろの視界がある程度確保されるのである。
さあ、こうなると雨の降るのが待ち遠しい…雨雨降れ降れ…と八代あきの歌などを歌っていたら、本当に雨が降った。さっそく効果を見てみよう。
フロント=水を弾かなくなった。(当たり前か)その結果、油膜のぎらぎらが無くなり、対向車が来てもまったく心配ないレベルにまで視野が回復した。また、副次的効果として、ワイパーの鳴きがおさまった。今までは動かすたびに「ぐごごごっ、ぐごごごごっ」と断末魔の声を上げながら動いていたのだが、今日は「スイッスイッ」とスムーズに動く。やはり油膜の仕業だったか。これで今後は気分よく運転できそうだ。
リアの「水滴消し」も順調に効果を挙げた。確かに水滴は粒にならず、ガラスに平面に広がっている。サイドガラスは角度が立っているのであまり効果が見られなかったが、リアはダントツに見やすい。これで雨の日の夜、我が家の駐車場に入れるとき、濡れるのを覚悟で窓を開けなくても駐車できそうだ。今までは、バックで停めるのにいちいち窓を開けて後ろを振り向きながら下がっていたからね。これで楽になります。
そんなこんなで、ケミカルを利用してちょっと改善をしてみました。これさえあれば、今年の秋雨もなんとか切り抜けられるであろう。皆さんもゼヒお試しを!って、やっぱり雨の日に乗る人…少ないだろうねえ…。
11月その1「電気が足りません…」の巻
11月だ。
3ヶ月に1回の定期オイル交換を終えて、エンジンの回転はいよいよスムーズだ。オーバーヒートの心配もないし、窓を閉めて乗っても暑くないので、排気ガスの臭いともしばらくはさようなら…そんな好季節になった。
それに反して、電気の方は、というと、非常に厳しい状況である。常に赤字経営のような、そんな危機感を感じながら走っている。
ここのところ、日の落ちるのが早くなり、夜間走行の機会が増えたため、よりいっそうバッテリーの消費が大きくなった。休日の昼間、乗らない時間にちょこっと充電して電気の補充である。
なんでこんなに充電の効率が悪いのだろうか?原因を考えてみた。
原因@ダイナモが悪い
考察→OH済みだし、動いている様も問題あるようには見えないのだが。
原因Aレギュレーターの問題
考察→電圧を測定したら13〜14Vを示してた。正常値ではないか?
原因Bバッテリーの劣化
考察→あと数ヶ月で丸2年使ったことになるが…そんなもんですか?寿命って。イグニッションスイッチをOnにして電圧を測定したら、レギュレーター端子の部分で11V程度。これなら平気の様な気もするのだが、朝、気温が下がるともうセルが回らないときもある…。
色々考えてみたが、何せ素人なのでトンと見当が付かない。とにかく、明日の朝動かないなんてことが無いように、気づいたときに充電だけはしておくべし。
写真の充電器君は、S購入時に買ったもの。自分としては「必需品」と考えたくは無かったのだが、実際は数ヶ月に一回は必ず出番が来る。手軽に使えるという点では、持ってても邪魔にならないものではある。しかし、こいつが玄関の下駄箱内に納められると、本来の収納品ではないため、家族からの迫害を受けやすい。
12月その1「む・・・無念じゃ・・・」の巻
シフト・ノブ。
オークションなどでも結構目にする機会が多い部品である。
しかし・・・いかんせん高い!
これだけで一万円以上の値段が付いていたら買えないっちゅーの。
(そういえば、だっちゅーの、で一世を風靡したパイレーツは今どうなったのだろう?一人メンバーチェンジしたまでは覚えているのだが…)
ところが、先日のオークションで、シフトノブを¥7000台で売りに出しておられる立派な方がいらっしゃったのである!!わたしはすぐに入札した。「落ちますように、落ちますように…」と祈るような気持ちで待つこと数時間。奇跡的にもわたしが落札することが出来たのである!!うれピー!!まんもすうれピー!!
…などと浮かれていたのもつかの間。
届いたノブをよーく観察してみると、どうも様子が…。
念のために、今付いている数字も消えかかったかわいそうなノブを取りはずし、両者を並べて比較してみた。すると…
ねじ穴の直径が違ったのである!
皆さんはもう知っていたのだろうが、わたしは素人。パーツリストをしっかり読んでみると、S6のシフトのねじ直径は10mmなのに対し、S8の直径は8mm。要するに、わたしが落札したシフトノブは、S6専用のノブだったわけである。
これでははまるわけがない。なんとか加工して・・・などと思ったが、それではせっかく安く入手した意味が無いではないか!!
泣く泣く、S6のオーナーでこれを探している方もいると思い、オークションに再出品してみると、すぐに買い手が付いた。富山の方だ。
もちろん、これで転売して金儲けするわけにも行かない。せっかく安く譲ってくださった方に申し訳ないからである。結局、元値と同額で他人の手に渡っていったのだった…。
ああ、無念じゃあ…。どなたか、こんなわたしに安く8mmのシフトノブを譲って下され!!…などと泣いていたら、天の助けが現れた。なんと、いつもお世話になっているパーツ・ショップの方から、非常に簡単な交換条件の結果、8mm穴のシフトノブを譲っていただくことができたのである。今度こそ、まんもすうれピー!!・・・そのショップはSの珍しいパーツをWEB上で通販できる非常に頼りになるショップである。私も今年は「ブレーキ崩壊事件」でブレーキのシールやパッド購入でお世話になったのだ。お礼にリンクをTOPページとLINKのページに追加したので皆さんにもゼヒ見て欲しい。
写真左がオリジナル。右が再生産である。
若干の重さの違いや頭の球状部分の違いがあるが、使用には全く問題なし。それに文字が消えかかったオリジナル君を今後温存するためには、今交換したほうがよさそうである。使っているうちにほどほどにヤレて、私のASにも似合うようになるのではないだろうか。いかんせん、他の部分がキチャナイので、シフトだけ新品というのも落ち着かないだろうから。
とにかく、年末の金欠時期を前にこのようなラッキーが降ってくるとは、今年はもしかして当たり年?なんだか、年末ジャンボに夢を託してみたくなる今日この頃である…。
12月その2「S・・・動かず・・・」の巻
マンモスうれピー・・・
などと浮かれていたのが、神の気に障ったのか、とうとう今年最大のピンチが訪れてしまったのだ…。
この日の夕方、仕事を終えて帰ろうとしたところ、エンジンに火が入らなくなってしまったのだ。
あいにく職場の忘年会日で、みな帰宅時間が早く、取り残された私は助けも呼べず、また雪の舞った日だったためか、JAFも「2時間待ち」(オペレーター談。君は東京ディズ○ーランドか!?)の状態で、しかたなく職場にクルマを放置し、歩いて家に帰る羽目となった。当然、忘年会も欠席であった。しくしく。
翌日、明るくなってから点検してみたが、プラグはガソリンで美女美女。火花も弱々しいので、これでは点火しないだろういう感じ。もしかして、先日交換したVXプラグ君がS君と相性が悪かったのか…謎は深まるばかりである。午前中、ここに駐車するまでは全てが正常に機能していたのに。停めていた間に一体何が起きたというんだい?S君??
そう、そんな何でもありなものが、旧車の世界なのですね。思い出しました。数年前の様々なトラブルを。最近トンと忘れていましたが、君は40年前の車なんだよね…
ということで、点検の結果、デスビ内までは電気も来ているが、プラグでは火花が弱い、ということは・・・考えられるのはデスビのキャップ゚のトラブルか、もしくはプラグコードのトラブル?ということになる。コードは数年前、ウルトラシリコンコードに交換済み。ずっと調子良かったのだから、突然おかしくなるとは考えづらい。念のためにチェックしてみると、1番コードの抵抗値のみ異常に高かった。他のものはおよそ0.8kΩなのに、1番だけ50kとか指している。内部の抵抗か何かが壊れたか?
デスビキャップも念のために調べたが、センターカーボンのあたりはかなり怪しい。
昨年購入しておいた予備のキャップがあるので、こっちにコードを組み替えた。これを明日持っていって再度チャレンジしてみようと思ふ。
もしこれで動かなければ…最悪、S君は職場の駐車場のオブジェとして2006年を迎えることとなろう。哀れ、S君。そして、哀れ、おいら。
これで明日からまたしばらく「バイク小僧」に逆戻りである。この冬空の下、正月をバイク乗りとして迎えられるのは、楽しくもあり、苦しくもあり、だ。
結局、デスビのキャップを交換してもスパークプラグの火花が強くならないことが判明。
ここで自力での再生を諦め(どこぞの会社みたいだ…)いつものショップにお願いし、職場の駐車場からS君を引き取っていただきました。無念じゃ…
結果、左の写真にあるような部品を交換することになりました。
@まずは劣化したポイント。
こいつの動きが、焼きついたような状態で渋くなってしまったのが、火花が飛ばなくなった主因のようです。私はセミトランジスタを装着していたため、ポイントの清掃ぐらいはしていましたが、盲点だったといえます。トホホ。
Aベアリング交換。
デスビのベアリングも交換しました。特に小さいほうのベアリングは回転が渋くなってました。
Bオイルシール交換
このまえデスビのローターを引き抜いたとき、油のにじみを発見していました。多少はあるそうですが…。
ということで、正月を前にして何とか復活が間に合ったというわけです。社長いわく、「ちょくちょく乗る人は、最低でも半年に一回は点検整備は必要ですよ」…そうでしょうとも、そうでしょうとも!夏には車検から一年経ちますから、また点検に持ち込みますよ!!よろしくお願いいたします!