2004年総集編
1月
サーモスタット君交換・スレーブシリンダー分解の巻

 冬になってしまってなんだが、サーモスタットのことが気になり始めた。温度はいつも安定しているものの、何時交換されたかはわからないもの、新品に換えたらどうなるのかが知りたいと思ったのだ。(それに、私のような素人でも何とかできそうな作業だし・・・)クーラントの買い置きもちょうどあったので、早速取り替えてみることにした。
 まずはラジエタードレン・ボルトを外して・・・と思ったのだが、後付の電動ファンがコアの前に取り付けてあるため、ドレン・ボルトの位置まで手が入らないことに気づいた。
 これでは始めからどうにもならないではないか!とここであきらめては男がすたる。
「ええい、ままよ!」とばかりにアッパーホースを引き抜いてしまった。(うまく上向にすればそんなに漏れないとおもったのである。単純・・・)
 まあここまでは何とかなった。しかし、サーモスタットを拝むためにはもう一つ、「ウォーターパイプ・ジョイント」なる部品を外すしかないのだ。アッパーホース内に残った冷却水をバケツにぶちまけ、一気にねじを外しにかかった。すると・・・・。出るわ、出るわ、
緑色の冷却水がびっちゃびっちゃ出てきたのである。(当たり前の結果である。)我が家の駐車場は一気にエイリアンの血液のような液体で満たされてしまった。
 と、細かい失敗はさておき、サーモ君との対面となったわけである。
 もとついていたサーモ君はなぜか
黄色い。想像では「真鍮色(しんちゅういろ)」だったのだが。
 新しく入手した社外品と比べると、その形状が大きく異なっていることがわかる。もちろん、作動していたのは明らかだが、何度でどれくらい開いていたかは定かではない。この素性の知れぬ黄色君には引退していただき、メタリックに輝く
新サーモ君に活躍願うとしよう。
 この旧型サーモ君には、ところどころに茶色い物体がついていた。これは、以前「冷却水漏れ事件」のときに注入した「ホルツ漏れ止め剤」数本分の残骸であろう。もしかすると、このサーモの付近にも、若干の漏れがあり、それをこの物体が食い止めていたのかもしれない。まさに、「入れててよかった」である。ただでさえ、駐車した場所を後で見ると、緑色のしみを残していることが多いのである。
 パッキンも取り替えるのが、サーモ交換では常識のようだ。
今回は純正品が手に入った。旧型を見ると、断面が完全に四角くなっている。新品はもう少しふっくらとした印象だ。やはり高温に長時間さらされているとこのように変形するのはやむをえないのであろう。任務を終え、いま退役せんとする旧サーモ君とパッキン君よ、今までありがとう。
 ところで、写真に写ったウォーターパイプジョイントを見て欲しい。中が茶色いのである。私はてっきり
「これはアルミ製だ、錆びるわけはない。」と思い込んでいた。しかし、これはどう見てもさびである。材質が違うのか、それとも部位的にこうなるのか、知りたいところだ。(そういえば、この部品だけ削りだしで作って売っていたっけ。やはりだめになりやすい部品なのかも・・・)

 そして、新しいサーモ君がサーモスタット・ボディーに鎮座ましました。
 やはり、黄色のときよりもぐっとしまって見える。「アルミエンジンには銀色のサーモがよく似合ふ」とか言いたくなってしまう。空気抜き穴を最上部に位置させる必要があるそうなのだが、特に位置決めの出っ張りは社外品にはないので、目見当ではめ込んだ。
 
あとは、パイプジョイントの合わせ面にある溝に、パッキンをしっかりセットし、そのままサーモボディーに取り付けて作業終わりである。エア抜き?作業というのが有るらしいのだが、特にしないでそのままエンジンを回していたが、特に問題は無いようだ。
 交換後、
水温計の上がりがにわかに遅くなった。また、今までよりも低い位置で安定するようになった。
今後、暑くなったらより効果が出そうである。

 冬になって、スレーブ・シリンダーからのオイル漏れが多くなった。
 始めは「まあ様子でも見るか」的なのんきな態度で見ていたのだが、見るからに量が増えてきたのである。
 このままではいつか路上でクラッチが切れなくなり、立ち往生(これほどこの言葉が似合う車があるだろうか・・・)してしまうであろう。
 ということで、スレーブシリンダーの分解清掃に打って出た。
 とりあえず、スレーブシリンダーを取り外し、(クラッチホースはつけたまま)クラッチペダルを数回踏むと、ピストンが顔を出した。(本来付いているべきサークリップが無い!!)ちょいと引っ張ってやると、すぐに
「チュポンッ!」という音とともに外れた。
 見ての通り、メッキは大分痛んできている。これに命を預けているとは、全く心もとないものだ・・・。などと感慨にふけるまもなく、清掃に取り掛かった。
 スレーブ内部は、虫食いなども無く、やや段付が見られる程度。1200番の耐水ペーパーを丸くして、ブレーキオイルをつけて内部を研磨する。
「やりすぎ・縦磨き」は禁物だそうだ。しかし、初めての経験なので加減がわからない。何度も内部を指でなぞり、確認しながら磨いていった。
 シリンダーカップは500円で手に入った。

 あとは、各部品をばらしたついでにきれいにして、カップグリースを塗り、元通りにピストンをスレーブ内に押し込む。ここであせってカップを痛めては元も子もないので、慎重に行った・・・つもりが、いざクラッチのリターンスプリングをはめた瞬間、「ガクッ」という感触でピストンが奥まで一気に入ってしまった。もしかして痛めたかも・・・。
 この後、さらに初体験の「クラッチのエア抜き」が待っていた。
 大体のやり方は前回の点検のときにショップの方のやり方を見ていたのでわかってはいるが、やはり不安なものだ。メカオンチの人間が、どんどん深みにはまっていく気がする。
 
ワンマン・ブリーダーなるもの(要するに、一方にしかオイルが通らない弁のついた管とボトル)を用意し、スレーブシリンダーのブリーダーにセットした。まず踏んでみると、「シュッ」という音がする。2回ぐらい踏んだだけでリザーブタンク内のオイルは空である。こりゃー何リットル必要なのじゃ?と思いながらも補充し、再度試みる。これを4〜5回繰り返しただろうか、やっと泡が出なくなった。ボトル内を見ると、思ったよりもオイルの量は少なかった。
 というわけで、何とか無事に作業終了。その後数日経ったが、オイル漏れはピタリととまった。やれやれ。
 
「この調子で、次から次へと出てくるトラブル君たちをバッタバッタとなぎ倒して行きたい!!」などとけなげな覚悟を決める新年であった・・・。
 つづく・・・


2月ホーン君交換の巻/ヘッドカバー引っぺがしの巻
 オークションでホーンを入手した。
 実は、
N600用のホーンである。
 (部品番号38100−568−620)
 N600といえば、N360の海外輸出仕様だった。時代的にはSよりも数年新しいかも知れないが、S君にも付くに違いない、第一、大きさや取り付け台座などの寸法が全く一致しているのである。
 今まで付いていた
DENSO製のホーンは、長年の使用と、塗りたくられたシャシーブラック塗装が痛々しい。こいつは後で分解清掃してあげよう。
 入手した
MITSUBA製は新品で、輝いている!
 二者の相違点は、電極の左右が逆である、ということだ。(これは想像だが、Nでは天地逆に取り付けられているのではないだろうか?真ん中のプレートは上下逆に取り付けなおした。えっ?上のふちにある記号が上下逆だって?ふっ、まあ良いではないか。誰もそこまで覗き込むことはあるまい。)
 MkT君のワイヤー・ハーネスには、輸出仕様のためか?あるいはオプションのダブル・ホーンのためか?ホーン用の配線がなぜか
左右に2個用意されているのである。
 ということは、前の配線を外し、今まであまっていた方の配線を使えば、なんと、元と同じように鳴るのである。なんと便利な・・・。ということで、ボルトオンで付きました。
 音はというと・・・。全く変化ありません!前のが「ピッ」という感じだったとすれば、新型は「モッ」って感じです。「見た目重視」の交換、って感じです。
 (ちなみに、後ろのバッテリー君が銀色なのは保温用シートに包まれているから。以前安いバッテリーで上がってばかりのときに付けた。最近高いバッテリーに交換したのだが、作業員の人が親切にも?再利用してくれた。今回のFB君は、自己診断機能付き!上がりそうになると
LEDで教えてくれる優れものだ!)

 最近になって、異常にオイル漏れが多くなった。
 ちょっと走って駐車しておくと、すぐに下にオイルのしみが残るのである。また、そんな状態なので、せっかく入れたWAKO'Sのオイルも、
町に振りまいて走っているような減りようである
 原因ははっきりしないが、漏れているのはどうも左前方部のヘッドガスケットらしい。吹き抜けるほど吹かしてはいなかったのだが・・・。
 修理に持ち込むと日数がかかりそうであるが、今はそんな時間はない。しかもヘッドガスケットをつけるとなると自分ではできそうにもない。
 応急処置として、ヘッドカバーを外し、ヘッドボルトを増し締めしてみることにした。これならエンジンを下ろすこともないし、半日で作業できそうである。
 無理やりヘッドカバーを引っぺがし、ヘッドボルトを見てみると、それほど緩んでいるといった感じには見えない。やはり早まったか!!しかし、ここまで開けてしまった以上何かせねば無駄になってしまう。トルク・レンチで規定のトルクをかけて締めてみる。若干しまった感じがするのが何本かあった。振動などで緩むこともあるのだろうか?
 しかたがないので、液体ガスケットをカバーに塗りたくり、元の状態に戻した。
 (このとき、カバーをとめる
ボルトが一本バカになっているのを発見!これはマズイ!後でねじ山を再生せねばならないかも・・・おおお、また次の課題がああっ!!)
 オイル漏れもあまり変化ないようなので、いよいよ来月はショップに持ち込みか・・・。
 3月に向けての目標がまたできました。それまではオイルを足しながらだましだまし乗る他なかろう・・・。とほほ。


2月小物取り付けの巻

  先日入手した水温計が作動するかどうか確かめるために、メーターの付け替えをしてみた。
 もともと付いていたメーターを外してみる。どう見ても新しいものよりキチャない。入手したやつも多少のさびはあるが、全体としては銀色に輝いている。もしかしたら、元のやつより正確に動くかもしれない、などと期待しつつ、ステーを外し、電極を外し、照明の電球を外す。
 メーター背面中央からニョキッと出ているのが電球のソケットである。裏からただ差し込んであるだけ。単純構造だ。本当にこの時代の車はこの手の電装品がシンプルで楽しくなる。
 新しいメーター君を取り付けてみる。
 イグニッション・スイッチを入れてみると、ややぎこちない動きをしながら、
針が左へ左へと動いていく。これは回路がまだ生きている証拠である。あとは、エンジンを暖機してみて、いつもと同じ位置辺りで安定してくれれば、オーストラリア帰りのこのメーターは「完動品」だったといえるのである。
 先日、私に色々なS情報を教えてくださる
Enomoto氏からメールをいただいた。以前にデスビキャップを入手したそうだが、1万円以上したそうだ。水温計も、摂氏の表示のものは2万円くらいはするらしいとのこと。
ということは、両方合わせて3万円のものを8000円では、異常に安かったということか?
これで完動品なら文句なし。 
 


3月まさかのバッテリー上がり?!の巻

 思えば、前兆はあったのである。
 前日の午後、出張に出かけた私はある異変に気づいていた。
 アンメーター(電流計)の針が、
全く+(プラス)方向に振れないのである。通常なら、バッテリーが消耗気味のときはやや+(プラス)に、十分充電できているときは0の位置を指していたのである。しかしこの日は確実に−(マイナス)を指していた。もちろん走行中もである。前述したとおり、バッテリーは1月に高級品に換えたばかり。バッテリーのせいとは思えない。
 私はそのとき、「メーターの故障だろう」と考えていた。以前から動作が怪しいメーターだっただけに、そんなこともあろうと、軽く見ていた。「あとで分解してみよう・・・」などと心の中で考えていた。
 その夜、バンドの練習があった。いつものようにS君で出かけたが、やはりアンメーターは−(マイナス)である。しかも
ブレーキを踏むと針がさらにマイナス方向に振れる。今まではこれほど酷くはなかった。おかしい・・・。しかし、帰りまでエンジンも普通にかかっていたし、ついつい真剣に考えずじまいだった。
 次の日、嫁さんに買い物を頼まれた私はS君に乗って出かけた。買い物を済ませ、さあまた出発、という段になって、セルモーターが全く回らないことに気づいた。ありえない。バッテリー上がりだ。
 仕方なく、嫁さんに電話し、救援にきてもらうことにした。
これでは買い物を頼んだ意味がない。彼女は完全にご機嫌斜めであろう。そんな恐怖の場面を想像しながら、車内で原因を考えてみた。
 もしかしたら、メーターの故障ではなく、
本当に電気が通ってなかったとしたら・・・いくら走ってもバッテリーは充電されず、すぐに消耗するだろう。しかし、発電機が壊れることはまずない。では・・・。すぐさまボンネットをあけ、ダイナモから生えているハーネスをたどった。
 
 やはりここだった。ダイナモ用のヒューズボックスにつながる部分の
ハーネスの端子が腐食し、取れかかっていたのである。これではいくら発電しても全く充電されないばかりか、バッテリーの電気をただ食いつぶして走行するしかなかったのである。アンメーターがプラスに振れなかったのも、電気が通ってなかったのだから当然である。もっと早くこのことに気づいていれば、こんなことにはならなかったのに。後悔先に立たず。嫁さんに頭を下げながらバッテリーをつなぎ、エンジン始動して家まで帰った。

 家でハーネスの端子をちょん切り、新しい端子をつけて再結線した。(もとの端子は銅製だった)エンジンをかけてみると、アンメーターは勢い良くプラスを指している。これでまた充電できるのは間違いない。

 仕事の忙しい日でなかったから良かった。しかし、休日の半日がこの事件でつぶれてしまった。トホホ。
 しかし、1年前なら想像すらできなかったこんなトラブルも、何とか自力で
乗り切っている自分がコワイ。人間、慣れというものはおそろしいものである・・・。


3月その2マスターシリンダーキャップ入手の巻

 オーストラリア・シリーズ第2弾。
 今回は、ブレーキとクラッチのマスターシリンダーのキャップを2個入手した。
 この右の写真が、新旧のキャップの比較である。左が使っていたボロ君。そして、右が今回入手した
N.O.S君。
(私はどうしてもこれを
ノスと読んでしまいたくなる。本当はなに?New Old Stock?要するに、売れ残った新品未使用の古い部品ってこと??)
 色が、古いほうは
茶色(もちろん経年変化)、新しい方はと、かなり違うのであるが、でぢかめ君で撮影したら差がはっきりしなくなってしまった。残念。
 ゴムのパッキンの部分に付くはずの金属のプレートが無いのがわかるであろう。そう。私は2年間このプレートなしの状態で走行していたのである。
 このプレートの存在する意味は良く知らないので後で諸兄に教えていただくとして、素人目で考えた影響を説明するとすれば、
「穴が開いててブレーキオイルにごみや水分がバンバン入る」といったところか。
 今回のは値段はやや高かったと思う。しかし、国内のオークションでは今まで数年の間に見ていない部品だ。仕方なく2個で1万円使ってしまった。うーん、痛い。しかし、気分はいい。しばらくは白と茶色のツートンカラーを楽しもうと思う。もちろん残りの一個はストックパーツ箱行き。

 実車に取り付けてみるとこーんな感じです。
 新しい方は、フラッシュで飛んでしまい、見事に2トーンカラーになってます。(オセロ?)
 ブレーキ・マスターの方は、まだ中のプレートが付いてて生きているようなので、新品はクラッチ側だけ使いました。ふたを閉めるときにきっちりしまる感じがあり、「おおおっ」と感動してしまいました。
 ちなみに、キャップのところについているバンドは
ガレージ・クーペの萩原さんのアイデアです。これで補強しておくとオイルの漏れがかなり減り、塗装をいためることも無いようです。オイルを点検するときにもすぐ外せるし、なかなかいいのではないでしょうか?他の方では、なにかリストバンドのようなのを巻いている方もいますよねえ?私のは今のところここからの漏れはありません。
 


4月インテリア君リフレッシュの巻

 ステアリング・エンブレムを入手した。
 以前に、細かい部品を譲ってもらったことのある埼玉県の方からだ。
 (細かい部品というのは色々なのだが、一番重要だったのは、フロアのドレンホールにはめる
ゴム製のグロメットである。はじめこのグロメットが欠品していたため、走っていても穴から地面が見えたのである!!仕方なしに私は台所の目張りに使うアルミテープでふさいでいたのだった・・・)
 1年前に、ステアリングをオリジナルのプラスチック製からウッドに変えたのだが、そのときウッドステアリングについてきたエンブレムが写真の左である。色がシルバーなのがお分かりだろう。
 右が今回入手した新品。色はゴールドになっている。再生産品として市場に出た部品は、このゴールド色になったのだそうだ。比べてみると、シルバーの方の
「HONDA」の文字が若干太く、文字もくっきり見える。状態は悪くないのだが、だんだん亀裂が入っていくのが悲しいので、温存することにしたのだ。再生産品はショップ等でも¥7000とかで売られているので、心置きなく使うことができるであろう。今回は親切な方が売ってくれたので、市場価格よりも安く手に入った。ありがとうございました!!

 そして、同じ方から今回譲っていただいたシフトブーツである。
  当時付いていたブーツが切れ切れだったので購入した。しかし、このときの私は、S君の仕組みなど全くわかっちゃいない素人だったので、とてつもなく恐ろしい過ちを犯してしまったのである・・・。
 ブーツを取り付けようとしたとき、シフトノブの取り外し方がわからなかったのである。(え?と思う方もいるだろうが、
メカオンチとは元来そういう人種のことである。)ノブの下には、銀色に輝くナットがある。私は、そのナットがシフトノブと「一体化」して外せるのだと勝手に想像していた。だから、ナットを一生懸命反時計回りに回し始めたのである。
 ここまで読んで、Sのオーナーの方なら間違いにお気づきのことだろう。ナットはノブとは別体であり、そんな方に回したらよりいっそうノブがきつくしまって取れなくなるのである。そう、
ナットは「ロックナット」の役目を果たしているのだ
 一向に緩まないシフトノブに閉口した私は、「ええい、これはきっとさびついているのに違いない。こうなったら、
ノブを外さないでブーツをはめる方法を考えよう(そんな方法あるわけ無いのに)」と考え、ついに恐ろしい方法に打って出たのである。
 それは・・・。
「海がめの産卵」よろしく、ブーツ中央の小さな穴から、シフトノブを無理やり通す、という前代未聞の方法だったのである。(今思い出しても恥ずかしさで顔が赤くなる・・・)
 ブーツが切れない様にそおっとそおっと・・・。一体何分かかっただろう。最後には、ブーツはシフトノブの出産を無事終えることができたのである。しかし、そのときの無理がたたったのか、産後の肥立ちが悪いのか、ブーツは1年ほどで亀裂が入り始め、いまでは見るも無残な状態になってしまった。写真でわかるとおり、
裏から接着ゴムで補強しなければならないほど「ばらばら」になってしまったのだ。
 今回交換したブーツ。中古らしいが、全然きれてないし、
作りに余裕があり、前回のブーツよりゴムがやわらかい。再生産品のゴムは、つるつるしているがもっと硬い感触だ。しかも、今回は正しい取り付け方をしたので、無理がたたって亀裂、ということも無いだろう。アア良かった。

 今回も、親切な方の粋な計らいで、困っていた部品を安く入手することができた。(オークションを早期に終了して私に譲ってくれたのである!!もっと値段が上がる可能性があったのに・・・感動して涙が出そうであった。)埼玉のIさん、もしこのHPをご覧になる機会があったら、
ぜひ掲示板に一言書き込んでください!
 オイル漏れ発覚から3ヶ月。修理のゆとりもなく、次のオイル交換が迫ってます。こんなことでいいのだろうか?
 なんとか時間とお金を作って、ヘッドガスケット交換を済ませたいものだ。しかし今は我慢のしどころ。とにかく、オイルを切らさないように注意しながら、毎日車の下を覗く日々が続く・・・。


5月「伊香保おもちゃと自動車博物館」訪問記

 ゴールデンウィークだ。
 子供がまだ小さいので、遠くへ出かけることも無いまま、日にちだけが過ぎていく。まあこれもまったりしてて良い。が、今日は嫁さんの友人が3人、子供をつれて我が家に集まったりするのだそうだ。亭主が
ぬれ落ち葉のようにごろごろしているのを見せるわけにもいかないので、近場に一人で出かけることにした。
 実は、わが故郷にもやっと(?)自動車博物館がオープンしたのである。日本のチベット然としたふるさとも、これで「文化国家」の仲間入りである。それを祝して、今回はS君で
表敬訪問といこうではないか!!

 「まさか混んではいないだろう」となめてかかったが、どうしてどうして、駐車場は満車である。ナンバープレートは県内が7割、近県が3割といったところか。やはり近場で済ませようとする人が多いのであろう。
 この博物館、実は以前は「人形・テディーベア」をメインにした博物館だったのだ。結婚前に一度入ったが、最後に
「キューピー人形着色コーナー」(この博物館、入場券がキューピー人形なのである!!)があって大いに笑った。色はペンで塗るのだが、金と銀しか空いてなかったので、ウルトラマンみたいな色になった・・・。
 
 今回も、相変わらず「キューピー券」だった。入場料は1050円也。高い?
 中に入ると、昭和30〜40年代を髣髴とさせるセットが作られていて、懐かしいおもちゃが数々展示されている。来館者の多くは家族連れであるので、親父たちは子供たちに「これはお父さんが子供のころに・・・」などと説明するほほえましい風景が繰り広げられるのだ。
 まあ私はそんなコーナーに用は無いので通り過ぎ、新しくできた自動車コーナーに急いだ。最初のフロアーには、いきなり「なつかしの軽自動車コーナー」?的な展示があった。車だけでなくその背景もなんとなく工夫されている(例・八百屋とミゼット)。これはこれでいいものだ。
 私の好きなホンダ車はZとNが展示してあった。両方ともピカピカ。しかも色が渋いのである。しばらく見とれていた。
 
 2階に上がると、「昭和のファミリーカー」コーナーがある。ここにはコンテッサやファミリア、サニー、カローラ、ブルーバードといった、ファミリーカーが並べられている。渋いモスグリーンのマークUや、昔我が家のファミリーカーであったパブリカなどが見られる。
 嬉しかったのは、それらの純ファミリーカーに混じって、ホンダ1300クーペが飾られていたことである。しかも色が・・・これなんて呼んだらいいのですか?カエル色?なんとなく顔つきもかえるっぽいので、フロッグ・グリーンとでも名づけましょうか?
こいつはグレードがわからなかったのだが、もしかすると4連キャブの仕様かも知れない。だったらいいのに。次回はエンジンフードを開けておいてね、館長さん!!

 さらに3階に上がると、そこは「スポーツカーコーナー」。真っ先に目に飛び込んでくるのがトヨタ2000GTだ。
(こういう博物館に無くてはならない、まさにマストアイテムである。)フォグランプの枠が大きいので、後期型だろう。小学生のころ、やっと買ってもらった2000GTのプラモを作っていて、大切な部品を不注意にもおっかいてしまい、
泣きながら布団にもぐった甘酸っぱい思い出が(?)よみがえる車である。
 車は近づけないのでまあ置いておくとして、面白いのがこのバッグである。(右下参照)
 なんだか懐かしい感じのする白いバッグに、でっかく「2000GT」と書かれているのだ。もしかして、当時車を買った人へのプレゼントか何かだったのだろうか?車の値段にしては安いノベルティーである。

このコーナーは主に3列に車が分けられている。そのわけ方がなんだか面白い。中央の列は2000GTに始まり、うしろにZ432があり、スカイラインGTRへと続く。まさに日本のスポーツカーのメインストリームなのである。その間になぜか?ホンダのFJが置かれている。これはN360のエンジンを使ったフォーミュラーだそうだ。リアルタイムで体験していないので懐かしいとは言えないが、日本でモータースポーツを普及させようとしていた当時の雰囲気を感じる車である。もし現代で言えば、GT選手権ならともかく、360CCの軽自動車のレースなど、誰が見に来るであろうか??

 そして、左の列には、初期型フェアレディー、240ZやチェリーX1Rなどのレーシングバージョンが並べられている。日産が多いのはなぜ?たまたま多く集まったから??
 
 右の列には、わが愛するS800のオープンをはじめ、ヨタ8君、フェアレディーSR(2000cc)などが並ぶ。
 
 とてもコンディションのいいSだ。でも人々はメインストリームの方に気をとられ、このすばらしい和製ライトウェイト君に立ち止まる人はほとんどいないのである。なんと悲しいことか・・・。
 仕様を見ると、このSはリジッドアクスルであるようだ。サイドリフレクターなどが無いので、Mタイプになる前、つまり1966年後半から1967年頃のモデルであろう。まさに私のMkT君と同級生である。製造bネどが見えないのでなんともいえないが、お仲間に会えたようですね、S君。
 しかし・・・。私のS君は現役で毎日足として走り回っているのに対し、この博物館S君は、もうここを出て走ることもまれなのであろう。イベントなどで年に1回走ればいい方なのではないか?そう考えるとこいつは
「剥製(はくせい)」に近い扱いを受けていることになる。さしずめ私のS君は「野生」まではいかないにしても、きったないながらも「放し飼い」ぐらいにはなっているであろう。車としてどちらが幸せなのか、これは誰にも判断できない大きなテーマである。

 いずれにしても、面白い博物館なので、皆さんも一度ごらんになってください。ただし、車を見た後でさらに人形や
チョコレートの博物館を見ないと外に出られないので要注意。館内は迷路のようになっています・・・。まさにテディベアー・ラビリンス・・・・。


5月その2「いつものオイル交換」の巻

 オイル交換は3カ月おきにしている。
 前回が2月頭だったので、ルーティンのオイル交換時期が来た。例のガスケットからのオイル漏れは結局直せずじまいだった・・・。仕方ないので
次回の交換(8月!!)までこれでもたせるしかあるまい。ううむ、心配だアア!!
 
 いつも使っているオイルは、ワコースの4CTである。
高い。マジで。始めのころは値引きしてたのに、最近どこでも定価で売られるようになってしまった。しかし、エンジンが超高回転型なので、オイル膜切れたらコワい。ガレージクーペの萩原さん推薦のオイルなので、保険と思って使用中。ちなみに、5W−40と、10W−50の2グレードあるので、冬と夏に使い分けている。今回は夏に向けて10Wの方を・・・。
 
 エンジンルームを開けたついでに、プラグも掃除した。最近はかぶることも無いのでいいが、S君に乗り始めたころは2日に1回はかぶらせていた。その度にプラグを外してすすを掃除していたので、現在までで4セットは買ったと思う。安いからいいが。D7EAというのとD8EAというのがあるが、8の方が焼け具合がいいのでこっちを使っている。今回は4番シリンダーの焼けが見られた。とりあえずきれいにして戻し、後で様子を見よう。
 
 さらについでに、エアクリーナーを掃除した。
 4月にひどい風が吹いて、かなりの砂埃を吸ったはずなのである。
 新しいエアクリーナーはオークションで落札してあるのだが、まだいけそうなので、再利用することにする。よっぽどぼろぼろになったら、ろ紙を巻きなおして再利用しようと考えている。
 エアフィルターカバーを外すと、ジャリジャリ音がする。やはりかなりの砂ぼこりを吸い込んだようだ。
 ホームセンターで買ったエアコンプレッサーを持ち出し、ブロアーを使って内側からフィルターにつまったホコリなどを吹き飛ばしていく。シューシューいう音がでかくて、さらにポンプも容量が少ないので、エアーを満タンにしたところで使えばすぐにポコポコ動き出してしまう。ちょうど子供のお昼寝時間なので、ひやひやしながらの作業であった。

 作業していたら、怪しげな教材販売会社の若いセールスマンが話しかけてきやがった。
「なんだか面白い車ですねーお父さん」!?え?今なんて言いました?「お父さん??」
 他人にお父さんなどと呼ばれるのはこれが初めてである。確かに息子目当てのセールスからすれば「お父さん」には違いない。しかし・・・なんだか非常に違和感を覚える呼び方だ。しかも「素敵な車ですねー」ならまだしも「おもしろい車」ではセールストークにもなってねーじゃねえか!!絶対買わねえよ!!「
赤ちゃんの発達段階を見るテストの説明をぜひお母さんに・・・」お母さんも買わねえよ!!!!!第一、1才児にどんなテストをしようってんだい?「ボールを投げたり、車をつかまえさせたり・・・」毎日投げてるよ!車なんか、丸いものはすべてハンドルに見立てて「ウーンウーン」とやや甲高いF1のV8エンジンくらいの音を立てて部屋中を走り回ってるよ、うちの子は!!!!
 セールスマンは去っていった。来る家を間違えてる。君は。
 さあ!明日はバンドのアコースティックライブの日。オイルを変えたさわやかS君で、ちょっと遠い町までドライブだ!


6月シフトブーツ2号入手の巻

 前回、シフトブーツを譲ってくださった方から、引き続きで「ブーツ下のブーツ」を譲っていただいた。
 残念ながら私のS君には始めからこのブーツはついていなかったし、パーツリストなどでは見ていたのだが、どんな部品なのか知らなかった。今回初めてのお目見えなのである
 形は、普通のブーツの下の部分を延ばしたような形だ。たぶんさかさまに取り付けて、シフトレバー・エクステンションのところにあるレバーの付け根の部分を覆い隠し、その延長部分がシフトレバーの通るトンネルをふさぎ、最後に普通のブーツが室内からそれを覆い隠す、ということなのであろう。

 さて、取り付けてみたのが右の写真である。
 いままでは、この状態(普通のブーツを外した状態)にすると、穴から地面が見えたのであるが、このブーツ2号君をつけたことにより、
雨風の進入、排気ガスの進入などが防げるのではないかと期待してしまう。
 さらに、シフトレバーの取り付け部分にあるボール?のところがこのブーツでふさがれるため、砂やホコリが大量に進入してその部分を傷める、という心配も少なくなるのではないだろうか。
 
 新しい部品をつけられ、なんだかちょっといい車になった気分である。ブーツが2枚になったおかげで、シフトレバーの動きがややきつめになった。しかし反対に、へんな振動が押さえられていい感じである。(以前は70キロあたりからだんだんシフトレバーの振動が大きくなったのである)
 
 同じ方から、タコメーターなどのガラスの外し方を伝授してもらった。が、私にはまだ自信がない。
 ちょっと難しいやり方なのである。ぜひ予備のタコメーターを入手し、練習してから臨みたいと思う。その方の作業風景の写真がYAHOOで公開されているので、興味のある方はぜひ見るべし
 
だんだん暑い日が増えてくる。Sと自分。どちらが先に音をあげるか。根性比べである。


6月その2まさか?うそでしょ???の巻

 悪夢です
 いつも出張になどはそう行かないのだが、この日は朝から県内の公共施設に出かけていた。
 同じ日、
県警の「逮捕術大会」(そんなものがあることすら初めて知ったが・・・要するにスポーツチャンバラやボクシングの総合技のような大会である)が行われていた。
 さて、仕事が終わり帰り支度をしていると、係の人が私に「警察の方が話があると呼んでいる。」などとささやくではないか。「もしかして違法改造車と誤解されたか?」とおもいながら駐車場に行ってみると・・・
このざまだよ!
 相手は始め「こすった」といっていたが、これはこすったという程度ではない。
ぶっついてるんだよ!とにかく、おいらの車は駐車してあっただけなので、当然修理費は向こうが100パーセント出してくれるという。当たり前だけど。だってちゃんと駐車場の枠の中に(しかもかなり余裕を残して・・・)停めてあったんだから。
どこで直そうか?早く直さないと、鉄が丸見えになっているところからさびが発生してしまいそうだ。
 
 さらに困ったのが、日常の足である。
 何度も書いているように、私の車はこのSだけ。後はバイクが1台。とにかく雨に当てないようにこれからしばらくはバイク通勤にすることになる。修理工場が決まったら代車を貸してくれるかもしれないが。



6月その3S君、ガレージイワサさんに入院の巻

 交渉も成立し、埼玉のガレージイワサに修理を依頼することとなった。(左の写真の後方に見える褐色の建物が、Sの殿堂、ガレージイワサである。)

 先方はきちんと手順を踏んでくれた。まず、ホンダディーラーの方を伴って壊れた車を実際に見てくれた。このとき、ディーラーの方は「うちで直すのは難しい」と、きちんと説明してくれたらしい。
 その後、ガレージイワサまで電話を入れてくれ、修理依頼の交渉までしてくれたのだ。
 一方的な事故で、当然のことといえば当然だが、そこまでしてもらったので私の怒りはおさまった。もういいや。ちゃんと直してくれるのなら。そう思った。
 この日、午後1時過ぎにガレージイワサに着いた。
 このHPを通して知り合った埼玉の○山さんも駆けつけてくれていた。一人で
「初めてのおつかい」をするのが本当は苦手な私は、千人の仲間を得たのと同じくらい心強かった。○山さんは19年前にこの店でSを買ったのだそうだ。そのきっかけとなった本(「世界の名車2 HONDA」という本である)は、私が学校の図書室で発見し、S800に「クーペ・モデル」が存在することを初めて知った本と同じであった。○山さんのクーペは、「ビンテージカー・ジャパン」という本に掲載されている位、とても良く仕上がった車で、私もその本をながめながらあこがれていたのだが、この日とうとう実車を見せていただくことができた!感激である。
 
 私のクーペと比べると、顔つきがぐっとしまって見えるのにお気づきの人もいるだろう。本当に違うのである。
私のほうの車体は基本的にオーストラリアで仕上げられたそのまま。○山さんのは職人気質の社長がしっかりとレストアした一級品。プレスラインの再現や、鼻っ面の形が実にシャープである。おいらのSはこれに比べると鼻っ面をべしっとつぶされたような印象を受ける。
 今までこんなにじっくりとSどうしを見比べる機会は無かったので、今回すごく勉強になった。他にも、ボディーの下のラインの作り方(私のは、鉄板を無造作に造形したため、
ラインが直線的で、のっぺりしているのに対し、オリジナルのラインはドア下が膨らみ、前後タイヤハウスの部分はやや持ち上がるように造形されているので、ふっくらとした温かみと、それでいて軽やかな印象を与える。)
 これを見ていると、「いつかはしっかりボディーレストアしたい!」という欲望がまたさらに強まった。貯金だ。貯金しよう!財形貯蓄だ!!増額しよう!!・・・(短絡的・・・)

 
他にも、デフギアーの種類の話や、Sへのこだわりの話を聞けて、あっという間に2時間ぐらい経過してしまった。
 ガレージ・イワサさん。そして紹介してくださった萩原さん。○山さん。警察のTさん。ありがとうございました。
 修理完成まで、よろしくお願いいたします。

 帰りは代車に乗って家まで帰った。昨日までのもやもやはうそのように晴れた。


7月S君、退院の巻       
 S君との
涙の別れ?から3週間。 いよいよ退院の日がやってきた。
 
 仕事もそこそこに、土曜日の午後、ガレージイワサに引き取りに出かけた。
 前回は金がないので、国道をひたすら走っていったのだが、あまりにふびんの思ったのであろう、警察の方がハイウェーカードを一枚恵んでくださった。ありがたいことだ。これで大手をふるって高速道路で行ける。高速に乗れば1時間で着くのである。前回は3時間ぐらいかかった。

 3週間世話になったダイハツ・アトレー君を洗車し、いざ高速道路に・・・。この日はあいにくの低気圧。アトレー君は強い風圧に押されて、ふらふらする。しかも、
ドアミラーが風に押されて下がってくるのである!!すごい!・・・と思ったら、窓を開けていたので乱気流が発生したのが原因だった。なあんだ・・・。

 1時間後、ガレージイワサについた。工場の前には、見慣れた赤い車が。はやる気持ちを抑えつつ、工場に入っていくと、社長はロータス・エランを直している最中だった。挨拶もそこそこに車を見る。
 
完璧である!!
 処置としては、リア・フェンダーとドアのアウター・パネルの交換。Mタイプ用のドアがあったそうなのだが、ラインが一致せずに、元のドアのインナーを修正し、新しいアウターとくっつけ、補強してくれたそうだ。
 さらに、フロントフェンダーは、まず塗装と厚塗りパテを削り落とし、ラインを一致させてまた塗装を施して頂いた。直す前には塗装に亀裂が入ったりしていたのだが、今回の事故の結果その部分までも塗装の範囲に入ったため、無くなってしまった。これぞ
「怪我の功名」である。
 それよりも功名なのは、ガレージ・イワサさんとの付き合いができたことである。基本的には私の車は伊豆のガレージクーペでお世話になることになるのだが、急なトラブルや自走できない場合など、静岡はやや遠いのである。イワサさんなら高速道路で1時間。異常に近い。いざという時に相談できるのは本当に心強いのだ。


左は今回修理したリアフェンダー。パネルの継ぎ線がきっちり再現されている!


 2枚の写真は、「こだわりねじ」の巻。
 フロントフェンダーモールと、リアフェンダーモールの取り付けねじです。もともとこの2本は付いてませんでしたし、リアに至っては取り付けプレートも板金で飛ばされていました。今回ここもつけてもらい、しっかりした付き方になりました!おまけとはいえ、名人のこだわりを感じる部位であります。ほんとに尊敬に値します!


岩佐社長は「こだわりのないレストアならいくらでも早くできる」と語った。
 私のS君も、ボディーはかなりひどかったらしい。というか、外国から戻ってくるSなどは、(特にイギリスなど)ほとんどそうなのだそうだ。それをもう一度ていねいに直し、また、値段の折り合いのつく範囲でツボをきちっと押さえたレストアをすればいいのだ、と社長は語った。やはり、たくさんのSをこの世によみがえらせてきた方の言葉は深いものがある。

 車検のときにギアボックスの点検を考えていることや、ボディーもいつかは仕上げたいことなどを話し、ガレージイワサに別れを告げた。次回来るときはこんな事故ではなく、自分のお金でちゃんと依頼してくるようにしたいものだ。

 帰り道、雨が降り出した。
 Sの調子は、修理に出す前となんら変化はなかった。3週間も眠りにつかせてしまい、申し訳なかった。  S君よ、今年の夏は厳しい暑さになりそうだ。お互い、寄る年波に負けずに頑張って走ろうなあ・・・・・

 と、言いながら運転していると、足元がやけに暑い。はっと気づいた。修理に出す前はまだあまり暑くなかったので、
ヒーターコックを開けっ放しだったのだ。それが今はこの暑さ・・・時のたつのは速いものだ。すぐにコンビニに立ち寄り(帰りは下道。貧乏性である)、
エンジンフードをあけ、ヒーターコックを閉めました。


7月その2S君、2度目の里帰り(前編)       
 いよいよ3度目の夏が来た。
 昨年の1年点検がついこの前のことのように思える。
がしかし、確実に月日は流れているのである。
 
 再び、
生まれ故郷?ガレージ・クーペさんへ旅立つときが来た。
今回はただの点検というよりも、2月からの懸案事項であった例の「エンジンオイル漏れ」を止めるための旅でもあるのだ。
 オーナーの萩原さんと相談の結果、社外品のガスケットを使って組み直してみよう、ということになった。(純正のガスケットは、タイミングチェーンの部分と、ピストンの部分が別体になっているため、境にあるオイル通路からの漏れが結構出るらしいのだ。社外品はここを
一体化し、より漏れにくくなっている模様)
 朝4時30分。予定より1時間以上寝坊してしまった!
あわてて家を出る。昨年これですっかり渋滞に捕まったではないか!反省のない男である。
 そこで今年は考えた。「時間短縮のために、警察でもらったあのハイカを活用しよう」と。
 高速に乗り、巡航速度80キロを維持しながら東へと向かう。朝焼けが雲に反射して美しい・・・。などと言っている場合ではなく、
エンジン音とギアの音とデファレンシャルの音と排気音が同時におそってきて室内はすごいことになっているのだ!
 結局、途中で高速を降りて下道で行くつもりが、ついつい勢いで終点東京まで行ってしまった。

 その後、環状8号線で工事渋滞に遭い、1時間をロスするも、なんとかクリアー。世田谷から東名高速に入り、海老名SAで朝ご飯を食う。
 その後、小田原厚木道路を経て、伊豆に入った。ここまで4時間ちょうど。昨年の下道よりも最低2時間は速いだろう。
 平日の伊豆はとても空いていた。
 有料道路を快調に飛ばす。
 道沿いにはいくつかの海水浴場があるが、海の家?の呼び込みが道にずらっと並んで手を振っている。
(というか、「おいでおいで」をしている)しかも、ほかの店よりも早く自分の店に入れようとしてつばぜり合いを繰り広げているので、だんだんおっさんやおばちゃんが道にせり出してくる。今にも車に飛び込んできそうな勢いである。
 自意識過剰な私などは、なんだか自分が大歓迎でもされているような錯覚に陥るのだ。大統領気分である。なんだか窓を開けて手を振り返したくなるような衝動?をおぼえる。完璧な馬鹿である。

 10時前にガレージクーペに到着した。
 萩原さんと1年ぶりに再会。なんだかとても懐かしい。
 今回の修理の相談をする。
 
@ヘッドガスケットの交換
 Aクラッチ異音対策(部品交換)
 Bクラッチ盤点検(だいぶ乗ってるので・・・)
 Cブレーキオイル点検
 Dヒーターホースを純正と交換

 等である。期間は1週間は最低見て欲しいとのこと。予想はしていたので大丈夫。明日からはバイク通勤に逆戻りである。
 クラッチ異音は始めからあった。私はベアリングが原因と思っていたが、自分でエンジンを下ろせない以上、点検すらできないでいた。今回せっかくおろすので、ついでに見てもらえることとなった。工房名岐さんの売り出している強化パーツで補強すると異音が止まるらしい。仕上がりが楽しみである。

 今回の点検は期間がかかるので、結果は8月初旬になる。
またあとでの報告をお楽しみに。
 とにかく今は、オイル漏れがぴたりと止まることを祈るのみである。また、以前に注入してしまった「冷却水漏れ止め」の安いやつがラジエター系をいためていないことを祈るのみである。(でも今年の夏は水温の上昇はそれほどひどくない。普段は
真ん中を越えることはまず無い。)

 萩原さんに送られて伊東駅に。
 電車に揺られること数時間。私はふるさとに帰ってきた。
仕事を1日お休みしてのとんぼ返り旅行記。


8月S君、またまた長期入院へ・・・

 実はエンジンのオイル漏れ(チェーンケース・ガスケット破損が原因でした)を直したS君、予定では今週に帰ってくるはずだったが、ガレージクーペの萩原さんが試運転の時、「ミッションからの異音がひどい」ことに気づき、分解したところ、数々のギア(ドライブギア・ドリブンギア・カウンターシャフト・ニードルベアリングなど)が破損していることが判明したのである!なんてこった!!
 特にカウンターシャフトやドライブ・ドリブンギアは「虫食い」などでかなりひどい状態らしく、「再利用は不可能」なのだそうで、これらの入手にはかなりの時間(と金)を要しそうである。
 
萩原氏曰く、「今までミッションケースを突き破ってギアが飛び出さなかったのが不思議なくらいガタガタだった」そうで、まあとにかく前向きに考えて、これをいいきっかけにミッションもしっかりと直しておこうと思う。
 ていうか、初めからギア鳴りは結構大きかったので、あんまり気にしなかったんだよねー。去年の夏、ギアオイルを換えたときに、「ネズミ色のオイル」が出たのは、かけたギアが混ざってたって事ね…トホホ…。


8月その2S君、2度目の里帰り(後編)・・・ついに復活!!
7月に入院したS君。3週間ぶりに復活です。
修理完成の知らせを受け、8月20日、電車に乗ってガレージ・クーペに向かいました。

 東京発9時18分の東海道線の快速に乗り、伊東着は11時35分。結構な長旅だ。
萩原さんは今回も駅まで迎えに来てくださった。ありがたいことである。萩原さんは休暇で訪れていたアメリカから帰ったばかり。時差にもめげず、
22日のレースに出場するそうな。すごいお方だ!

 修理箇所以下の通り。(すごく多いが・・・)
@エンジン分解(ヘッドガスケット・スリーブガスケット・スリーブOリング・フロント&リアカバーパッキン・ウォーターポンプパッキン交換)
AヒーターホースをL字型に交換(前はストレートを無理矢理曲げて付けてました。)
Bマフラーマウント追加(前のマウントを知らないうちに飛ばしてしまっていた!!)
Cキャブレターチャンバーワッシャー交換(ガソリンにじみ対策)
D強化タイプクラッチスプリングストッパーに交換(異音解消)
Eミッション交換(S825925E→S830363E)
F各種オイル等交換(エンジン・ミッション・ブレーキ等)

※金額は・・・秘密保持?のため
あえて載せません!
※大変だったのはミッションです。私のミッションは番号でいくとリジッドタイプの前期の型に当てはまる(816739〜826153)のですが、見つかったミッションは後期型(826154〜)。この違いは、ドライブシャフトをつける部分の「スプライン(ギザギザの溝)」が粗か密かの違いである。もっと簡単に言うと、
互換性がないのである設変が多いS君ならではの問題。萩原さんは親切にも、取ってあった後期型のドライブシャフトと、私の前期型シャフトを取り替えてくださった。

 この前期型にも実は2種類あり、さらに前期(ミッションbェわからないが、車台番号クーペ243〜311番まで)はシャフトとの継ぎ手にゴム継ぎ手(ロトフレックス君)を2個使用しているのだが、前の方はS6やチェーンタイプ用に再生産されている。問題は後(デフ)側の継ぎ手である。大きさが前の部分より大きく、もう部品が無いのだそうだ。だから、リジッドサスでゴム継ぎ手(ごく少数派であろうが)のひとは私のシャフトを使えば普通の十字継ぎ手(クロスジョイント)に変更も可能なのである。ぜひ生かして欲しい。

修理結果は、「完璧」でした。
クラッチを切ったときの異音も皆無。オイル漏れもなし。ギアにいたっては、
「車内で会話が出きる」レベルまで騒音が減りました。今まではガーガーゴロゴロいろんな音がしていたのです。調子のいいミッションってこんな音なんだ、と初めてしりました。故障の原因は、カウンターシャフトのベアリングが傷み、ギアにガタが出たため、ギアそのものの破損につながったようです。やはりキモはベアリングの耐久性に問題があるようです。いまどきニードル・ベアリングだもんなあ・・・。


 さて、支払いを済ませ、帰途についた。来るときは海辺を通ったので、今回は山側から帰ることにした。
 伊豆半島の山上を南北に走る「伊豆スカイライン」を目指し、伊東の北の町である宇佐美から山側に登る。と、前回も電車から眺めたあの大仏が目の前に!
観光客も平日なので皆無。上までは登らずに、駐車場から
「なーむー」
 途中、道路わきに「みかんの咲く丘」の碑があった。あの歌の作詞家かなにかの記念碑であろう。あの「みーかんーのはーながー・・・」という歌である。おいらは勝手に愛媛かどこかの人の歌と思っていた。

 スカイラインは非常に空いており、走っていて快適な道であった。
 途中、道端の展望台に停まると、後ろからきたS2000に乗ったカップルが「写真を撮らせてくだサーイ!」とさわやかに話しかけてきた。女性の方はしきりに、
「塗装がきれいだねー」「かわいいねーと連発していた。きっと車に詳しい女性にちがいない。S2000を買うお金があったら、おいらのS8などすぐに買えてしまう。結局、この違いは民度ならぬ「車お馬鹿度」の違いなのかも知れぬ。

 さて、スカイラインを北上し、箱根に入る。さすがに箱根は平日でもコンザツしていた。私は観光客ではないので、バンバン通過することにした。途中でガソリンスタンドに寄った以外はノンストップ。箱根から仙石原に抜ける。もう野原にはススキの穂がゆれていた。そういえば伊豆高原でも
赤くなり始めたトンボの群れを見たっけ。もう秋の足音はすぐそこまで来ているのだ。

 箱根から乙女峠を下ると御殿場にでる。ここから山中湖・河口湖を通って山梨県側に下りようという計画(なんかしてないが)?である。
 残念ながら、富士山は雲の中。冬の白い富士山は言うまでもなく美しい。が、夏、黒々とした山肌を見せる富士山をまじかに見るのもいいものだ。途中で演習帰りの自衛隊車両にたくさんであった。暑い中ご苦労なことである。しかし、毎日朝から晩までかくも美しい富士山を見せられては、愛国心が高まらぬはずはない。まさに
駐屯地にうってつけの場所である。

 無事、山梨県に入り、妻にみやげのぶどうを購入。石和温泉から国道140号で埼玉県側に抜ける。雁坂トンネルである。とにかく、交通量が少ない。前にもあとにも車に会わないのである。すれ違うのはダム建設?関係のトラックのみ。平日はこんなものだろう。これじゃあ
採算なんか取れっこないよ!
 峠の気温は21度であった。この日は下界も涼しかったのだろうか?それでも8月に21度は涼しい。さすがに山上である。
 秩父につくころにはすっかり陽も落ちていた。ドライブがてらとはいえ、時間がかかりすぎてしまった感は否めない。だんだん疲れてきたような・・・。

 家に帰着が午後9時ごろであった。
 まる8時間以上Sに乗っていたことになる。
その間、エンジンは快調であった。ミッションも完璧な動作をしていた。
 前輪の方から若干何かが当たっている音がする。なんだろう?
ハンドルを切ると止まり、直進すると「カチッ、カチッ」というような音が車輪の回転にあわせて聞こえてくる。ジャッキアップしてチェックしたら、ダンロップ・ブレーキの右
ブレーキ・ホース・ストッパーがぶらぶらしていた。これじゃあ「ストッパー」じゃないじゃん。ちなみに左はがっちり止まってた。要するに、本来はブレーキホースのワッシャーか何かと共締めするはずなんだろう。それが外れてるって訳だ。仕方ないので、バンドで止めて揺れないように応急処置したら、音は止まったようだ。将来的に直す部分がまた一つ見つかった。


9月その1S君、3度目の里帰り!?
8月末にミッション交換で生き返ったはずのS君。
いったいなぜこんな見出しがついているのか?それはあの悪名高き?
「スターティング・クラッチ」が壊れてしまったからである。「いつかはこんな日が来る」とは思ってはいたが、それはあまりに突然に訪れたのだった。

 夏休み最後の日曜日、私はバンドのコンサートのために朝早く車で出かけようとしていた。いつものようにスターターを回した瞬間、いままでに聞いたことも無いような、「ガチガチガチ!」 という異音が発生し、エンジンが回らなくなったのである。「えっ?」と思い、もう一回回してみたら、いつもどおりスタートしたので、とりあえず目的地まで走行した。
 さて用事が済み、駐車場から車を出そうとすると、また例の異音が・・・。しかし3回目ぐらいでエンジンはかかったので、夕食を食いに近くのレストランへ。そこで小一時間過ごし、友人を見送ってから出発しようとしたら、なんと異音ではなく、「スターターの空転」が起きたのである。
 ここまで読めば、Sに詳しい諸兄ならば「ああ、あれだな・・・」とお気づきだろう。そう、これはスターティング・クラッチ内で
ローラーが空転している証拠である。しかしこんな駐車場で修理のしようもない。仕方なく、押しがけでエンジン始動し、家まで帰った。
 その後もこの空転癖はおさまらず、とうとうバッテリーが上がる寸前にまでなってしまったので、車はあきらめ、またもやバイク通勤となったのである。(今年だけで
8週間もバイク通勤をした。新記録である。

 結局自分では手が出せないので、再びガレージ・クーペさんへ。こんなにすぐに伊東に戻るとは思っていなかったが、通いなれたる道中である。あっという間に到着した。帰りはまた萩原さんに送ってもらい、伊東駅から5時間かけて普通列車で帰郷した。途中東京まで向かいの席にウクライナ人留学生(エリーナさん)がすわり、流暢な日本語で話し続けていたので、退屈はしなかった。ビートルズの「バック・イン・ザ・USSR」のあの「ウクライナ娘」である。名前が「エリナー(リグビー)」なら完璧だったのに。貴重な体験であった。

 修理が済んだ車は、2日後に萩原さんが陸送してくださった。
 下の写真が壊れた部品である。もちろん初めて見た。(良く見ていただけば分かると思うが、ローラーのエッジが削れてぼろぼろになっているのと、プッシュ・ピンは1つは変形し、2つは破壊されてただの筒になっている。さらにスプリングにいたっては粉々になっていたそうな。バックプレートも変形が見られたが、裏返しにして修正の後に組み込んでくださったそうである。)

 ローラーやスプリング類をストックの新品に換えてもらうことで、とりあえずエンジン始動ができるようになった。ありがたいことである。遠路はるばる来て下さった萩原さんにはお礼の言葉も見つからない。
今後ともよろしくお願いいたします!

 ※ちなみに現在、スターティングクラッチ新品を譲ってくれそうな方と交渉中。なんとか予備部品を用意しておきたい部位なので当方必死である。できれば新品がいいが、萩原さんいわく「
鉄製のL700用の部品が頑丈でよい」のだそうで。互換性があるらしいので、それも今後注意して発見していきたいと思う。


9月その2スペアーパーツ三題。

 とりあえず、この夏にかけてS君は大手術・移植を受け、復活を遂げた。
 エンジンのオイル漏れは、結局エンジン腰上全バラしなければならなかったし、そのあとのミッション異音にいたっては再使用不可という危機的状況だった。しかし、代わりのミッションがイワサさんですぐに見つかり、事なきを得たのであった。
 更に発生したスターティングクラッチ故障。これもガレージ・クーペの萩原さんの腕によって見事復活した。

 しかし、ミッションにしてもスターティング・クラッチにしても、また何時故障が発生するかわからない。どうしても予備部品が欲しいところである。そこで今回は頑張って重要部品をいくつか入手した。

 まずはミッション内の「カウンター・シャフト」である。
 先日故障したミッションは、このカウンターシャフトの軸に段つきなどが発生し、ギアの歯も破損。ベアリングも破壊。そしてドライブ・。ドリブンギアも破壊という、最悪の結果になっていた。ドライブ・ドリブンギアは部品の在庫があるそうなのだが、カウンターシャフトが無い。しかも壊れたものは再利用できないほどひどい状態。しかたないので手に入れた。これがあれば、いざというときには、取り外した旧型ミッションをOHし、再利用することも可能である。
 これはオークションで入手したが、未使用の新品のようだ。
 表面に小さなさびはついているが、全く問題ないようだ。軸面などもきれいで、このまますぐに組み込めそうな雰囲気である。
※しかし、この商品は落札し、入金してから1ヶ月以上経って届いた。取引相手の方は
「忘れていた」のだそうだ。何の連絡もないし、メールも返事も無いので、もう少しで警察に届ける寸前だった。今後はこういうことの無いように気をつけようと思う。

 お次は「スターティング・クラッチ・アッセンブリー」である。
 以前中古を何度かオークションで見たことはあったが、今回はオーストラリアの方に連絡して譲っていただいた。たまたま未使用の部品をストックなさっていたとかで、親切にも送ってくださったのだ。かたじけない・・・。
 現在ついている私の部品は、この取り付け部分のスプライン(ぎざぎざ)が削れてきており、「ゆるみ止め」を使わなければならない状態なのだ。(新品でもゆるみ止めは必要という話だが・・・)また、クラッチ・インナーのバック・プレートも変形しており、萩原さんはそれを平らに修正し、比較的きれいな裏返しに使って組んでくれたのだそうだ。

 今回、初めてスターティングクラッチの内部を見られた。
 思ったよりローラーが小さいことに改めて驚いた。また、ローラーを押しているばねの力も、想像以上にやわらかいことが分かった。
 (私はかなり強い力で押し付けていると誤解していた。)
 この新品のローラー等の動きは非常にスムーズで(新品だもんね)
すぐにでも使えそうである。
万が一、今後また壊れて再生不能になったときには、この新品を使って組みなおしてもらおうと思う。

 これら以外に、不注意で曲げてしまったフロント・バンパーを交換した。新しいやつはフォグランプ用の穴が始めから空いていて、ちょっと残念だが新品なのでピカピカ光って気持ちいい。バンパーステーも曲げてしまってあるので、なんとなく左右のバランスが上手くつかないのが残念。次のターゲットはフロントバンパーステーだな・・・。
 前のバンパー、メッキはまだ生きてるし、さびも無いのだが、私には修正できない。もしだれかそういう技術を持っているお方があれば、もとの形状に戻していただきたいものだ。これも何かの時には役立つと思うから。


10月その1「勘弁してよ、おばはん…」の巻


 この写真だけ見ると、「なにが?」って感じでしょうね。
 もっと良く観察すると、「あれ?ライトトリムが外れてるよ」ということに気づく御仁もおられるであろう。
 そう。左ライトのライトリムが無いのである。なぜ無くなったのかをこれから説明せねばなるまい。全く、聞くも涙、語るも涙の物語である。
 この日、(雨の日曜日であった…)おいらは出先での仕事を終え、一路職場へと向かっていた。「はやく仕事にケリをつけて、
たまにはゆっくり息子の遊び相手でもしてやりたい」という、涙ぐましい気持ちであった。そんな私を地獄のどん底に落とそうとする悪魔が潜んでいることなど、このときは知るよしもなかった。

 順調に職場に近づき、あと数キロという地点。前方信号は青。私は片側1車線の県道を北へと進んでいた。その時である。突然、白いミニバンが、すぐ前方に迫った左の路地から顔を出したのである。「まさか・・・?え?
出てくるのお!?」と思い、慌ててブレーキを踏んだ。運転手のおばはんは左を見ていて、全くこちらを振り向く気配は無かった・・・。
 あいにくの雨で、制動距離が伸びたのも災いした。おいらはハンドルを右に切り、何とか当たりませんようにと願ったが、相手がこっちを全然見てなかったので、そのまま路上に右折しながら出てきてしまったのだ。道をふさがれた形のS君は、
「バコッ」という派手な音を立てて、「トヨタいぷさむ」の右ッ面に突っ込んだのであった・・・。
 なにかの部品がS君のボンネット上に飛び乗った。おばはんはかなりびっくりしたらしく、(そらそうだろう、全然見てやしなかったんだから…)ボーゼンとしている。おいらは仕方なく車をバックさせ、脇のセブンイレブンに車を駐車した。路上を振り返ると、そう。ライトリムが落ちていたのである。
 思わず「勘弁してくれよ・・・」とおばはんに叫んだ私は、おばはんに警察を呼ぶように指示、雨の中30分くらい突っ立って無残なS君をながめていた。せっかく直って帰ってきたばかりだというのに・・・。また入院ですか?
(頭の中ががんがんしてきた・・・マジで。)
 まあいつまでも泣いてもいられないので、現状をお見せしましょう。
@左ライトケース部分に衝突したようで、ライトケースがボディー側にめり込んでます。その力でボディー側が変形し、塗装にタテに割れ目が入りました。
Aライトリムを止める下側のステーが取れ、(溶接が外れたようです。)リム側にくっついてました。
B貴重な??三日月レンズが割れました。
Cバンパーが、やや奥に入っちまった気がします。

 これ、またイワサさんに頼むのかなあ・・・。なんだか恥ずかしいなあ、この前直したバッカなのに・・・。運転へたくそだと言われそうです。でもおいらはまっすぐ走ってただけなのに!
 おばはんは警察の方に「どうして事故が起きたんだと思います?」と言われ、
「どうしてなんでしょう?」などとボケた答をかましていた。ふざけんな!あなたが左右の確認を怠ったんでしょうがっ!


10月その2「今年4度目の退院」の巻

 約1ヶ月かかってS君が退院した。
 
 とにかく、
「大手術」になってしまったのだ。
 それもこれも、元々は事故が悪いのだが、それに伴って、この車の元の持ち主(オーストラリアン)の
素人レストアが露呈する事態に至り、それを修正せねば、事故の修理もできないというジレンマに陥ったのである。
 
 とにかく、いい機会なので、「名人」岩佐社長に出来る限りもとの形に近づけてもらうことに。もちろん保険で出ない分は
自腹覚悟である。トホホ・・・。

 まず、フロントマスクの交換を余儀なくされた。もとのものは、
原型をとどめぬほどのでたらめパテ&切り継ぎ攻撃にあっていたので、修復不可能だったのだ。その作業に入ってすぐ、岩佐社長から連絡があった。「車のボディー全体が、右に1センチぐらいゆがんでいる。」と。それを出来る限り修正しながら、元来あるべき形にボディーを近づけていただいた。かなりの部分の切り継ぎ・板金が必要だった。きっと大変な作業だったに違いない。本当に頭が下がる思いである。

 その後、ボンネットを乗っけようとすると・・・。そうである。ボンネットフード も以前の事故の変形をごまかすため、フロントの
変形にあわせて?変形して板金され、パテで塗り固められていたのだ・・・。ボンネット単体で持ってみると、「ずしり」という感じで異常に重量が重い。このままでは、せっかく直したフロントマスクにラインをあわせることは不可能である。

 そこで、岩佐オリジナルの
「FRPボンネット」を使うこととなった。
 以前のフードが異常に重かったのに比べると、今度は
非常に軽い
「もしかしたら、燃費がよくなるかも?」と言いたくなるほどの違いである。
 さすがに、岩佐社長のこだわりの作りで、遠目には普通のフードと見分けることも出来ぬほどの作りのよさである。(というか、近くで見ても分からないのだ。ボンネットを開けてみて始めて「あれ?軽い?」って感じだ!)
 1ミリ単位での微妙な位置あわせの結果、ボンネットフードは、ばっちりと所定の位置に収まった。ありがたいことだ。
 ついでに、「さび」の心配も減るかと思うと、ひと安心である。
 小一時間、社長さんと話してから帰路に就いた。
 


11月「ウィンドウォッシャー復活?」の巻

 先日の雨の日、ウィンドウォッシャーを使おうとしたら、ウォッシャー液の出が悪い。
 しまいには何も出なくなったので、「これはおかしい」と思い、ダッシュボード下からのぞきこんでみると・・・ウォッシャー液の
ホースが外れてぶらんぶらんしているではないか! 
 たぶん、10月の板金修理の際に外れたのだろう。ワイパーのベース部分を外す機会があったはずだから、その時に外れてそのままだったのだと思う。今まで気がつかなかっただけ・・・。
 それにしても、全く手の入らないところにホースの取り付けがあるので立ち往生した。これではどうやって直せばいいのか・・・。

 仕方ないので、ワイパーのベース部分を取り外してみた。写真の下の方にある出っ張りが、ウォシャー液の噴出口であり、その下にホースが付くのだ。ただし、もともと付いていたホースは直径が大きく、このボディー穴からは通らないのである。見ての通り、
ホース取り付け口の直径とボディー側の穴がぴっちぴちである。これは困った。
 
 といってもいられないので、近くのホームセンターに行き、なるべく細いホース
(1メートル26円也)を買ってきた。これならこの隙間を通り抜けるかもしれない。
 はめてみると、これでもきつい。しかし、頑張れば(?)何とかなりそうな気配。格闘すること数分、やっとトンネルを通ったのである!
 そして、ダッシュボード下から出てきたホースの端っこを、今までのホースの付いていたジョイント部分に接続、事なきを得た。
 見よ!この
元気のいい噴出ぶりを!勢いあまって屋根まで届いてしまうのがこの車のウォッシャーのすごいところなのだが・・・。調整しようにもねじが固着しておりどうにもならない。

 直しながら、右のワイパー取り付け部分から雨漏りしていることに気づいた。どうりで今まで雨の日に右足が冷たいと思った・・・。あとでちゃんと直さないと、計器類に悪影響が出るかもしれない・・・。
また課題が一つ見つかった・・・。


12月「今年の漢字は『災』」の巻

 京都の寺(清水寺?)では先日、今年を表す漢字一文字を発表していた。今年の漢字は「災」なのだそうだ。
 確かに、今年は台風に地震、年末にはインド洋でも津波被害がでて、まったくよくもこれほど自然災害が起きたよ・・・というほどであった。

 しかるに、私のS君にとっても今年は「災」の1年であった。

 6月の駐車場での事故から始まり、
 8月のミッション載せ換え、
 9月のスターティングクラッチ故障、
10月にはいぷさむ君との正面衝突など…
枚挙に暇が無いほどの「災難」を被ったのであった。


 しかし、何とか今年1年も乗り切り、こうしてプラグ掃除をしている、というわけである。

 D8EAで丸1年ほど乗ってみたが、けっこうすすがたまるもんで…。最近めっきり寒くなっているので、掃除ついでにしまってあったD7EAに交換してみました。そんなに変化は無いと思うが…。

 とにかく、ここのところ朝のエンジンのかかりは最悪である。バッテリーが放電気味なのに加え、急激な冷え込みで…。この前も
朝から「セルスター」君のお世話になった。セルスター君とは、バッテリーがセルが回らんくらいに放電してしまった時、コンセントにつないで一発逆転を狙う装置である。S君入手の年にすぐに購入することとなった。これがあれば、冬でもまあ仕事に遅刻しない程度にS君に乗れるのである。
 でも、休みに入ったことだし、そろそろ真剣に充電しよう。(バッテリーを車から降ろすのが面倒で・・・。うーん。)