2006年総集編
1月
「バッテリーから白い粉・・・」の巻

 
あけましておめでとうございます。
 「
本年もよろしくお願いいたします。今年で4回目の冬を迎えたS君でございます。毎朝、氷点下の気温の中、元気に?走り回っております…」

 …と言いたいところだが、そうも言えない事情があるのだ。
バッテリーがピンチなのだ。先週も充電したのだが、この寒さに負けたのか、それとも度重なる放電と充電の繰り返しに疲れ果ててしまったのか、充電しても力が持続しなくなってしまったのだ。最近の朝の始動などは、バッテリーが切れるのが先か、エンジンがかかるのが先か、という綱渡りを強いられているのだ。
 
 そして、バッテリーをよーく観察してみると、電極や表面に白い粉が…。この「白い粉」、ある俳優がパンツの中に隠し持っていた、非合法的な粉とは違って、勝手に発生したものであるが、かといってけっして
「無害」ではないのだ
あるサイトより抜粋…
「(前略)また、バッテリー本体あるいは付近に白い粉がついていることがあります。これはバッテリー電解液(希硫酸)が外に出て金属と反応して出来たものです。この粉が他の金属部分に付着してお車を傷める可能性があります。この粉が多く出来ていると寿命期に入っている可能性があります。」って、やばいじゃないっすか!!
 思えば、前回の交換は2004年1月。(あの時も、朝エンジン始動できなくなったんだっけ…遠い目)あれからすでに2年が経過したということか。
 粉を吹くといえば「粉ふき芋」を思い出す。中学校の調理実習で作ったなあ…大学に入り、初めて化粧をしている女子を見たとき、思わず
「粉ふき芋…」とつぶやいて口をきいてもらえなくなったっけ…とか言っている場合ではない!こんな気化した希硫酸が原因で、車体がさびてしまっては元も子もないのである。

 しかたなく、最後の充電をして、近所の大型カー用品店へ。バッテリーの取り付けなら私のようなメカオンチでも経験があるが、使用済みのバッテリーを引き取ってもらわないと困るので、購入した店で作業代500円を払うことにしているのだ。
 ところが、2年前には売っていた「古河バッテリー」とかのバッテリーは皆無で、みな量販店向けの「オリジナル」商品ばかりなのだ!時代はかくも変わったか…。値段も\5000程度。たしかインジケーターつきの前回のバッテリー「F−GUARD」君は\20000近くしたと思うが…
 
 他の店まで行く気力も無いので、とりあえず目に付いた「BOSCH」製品を購入。見た目がごつくて嫌だし、私の好きな「補水」方式でないのだが、この際安さに負けて買ってみることにした。これで一年持ってくれれば、前回の2万円とトントンなのだから、よしとしようではないか。

 外されたバッテリーはさすがにくたびれて見えた。電極の根元にも
ロクショウの塊が。今まで働いてくれてありがとう。君の冥福を祈ります。などと祈る余裕もなく、メカニックのおにいちゃんたちに取り囲まれた。たぶん、珍しい車が来るとこうして集まって見学すると決めているのであろう。
 エンジンルームを覗き込み、しきりに
「きれいだなあ」を連発していた。決してエンジンルームをきれいにはしていないのだが、エンジンの形?としてきれいなのは私も認める。私も、このクルマはスタイルよりもむしろこの「エンジン見たさ」に購入したようなものだからね。

 さて、明日の朝、(たぶんまた氷点下。)どんな始動を見せてくれるのか。多少は始動性や加速性が良くなるのか。
BOSCHの底力(MEGA POWER)が見ものである。


3月「春らんまん」の巻

 更新しないままもう3月になってしまった。
 
「便りがないのはいい便り」という言葉ではないが、このところS君は順調に走っているのだ。特に気候が暖かくなってからは非常にエンジンの調子もよい。ついつい遠くまで走ってしまうので、ガソリン代だけでもかなりの金額になってしまう。自重しないとなあ・・・。
 トラブルの報告ではないのだが、寂しいので話題を一つ書いておこう。
 イギリスのS関係のホームページの掲示板に、「ドアミラーを探しています」と書いておいた。国内では見つけにくいものだし、逆に海外ではドアミラーが標準装備だった国もあると思ったので、もしかしたら海外の方が簡単に見つかるのではないかと思ったのだ。
  しばらくして、オランダ人の
Ronnyという方が返事をくれた。
「ヨーロッパではドアミラーは簡単に見つかるよ。お前のためにミラーをオーダーしてやるよ。」
という内容であった。
「部品番号を教えてくれ」
というので調べてみたが、フェンダーミラーの番号はあってもドアミラーの部品番号が分からない。
仕方がないのでそう返事をすると、
「番号は分かった。もう注文したよ。」
的な返事が。もう見つかったの?驚いているうちにメールが届いた。添付された画像を見ると、それはまさしく「フェンダー・ミラー」であった。
 私が
「これはフェンダー・ミラーだよ。ドア・ミラーとはベース部分が違うんだよ。」
と返事をすると、彼もその違いに気付いてくれたようだが、彼自身はフェンダー・ミラーをドアに取り付けていたのである。
 要するに…
海外でもドアミラーは見つけにくいのだ。
 次の車検までにもう一方のミラーを何とか入手したいと考えているのだが、その道のりは長く遠いものになりそうである。
 ちなみに彼は2001年に来日し、ツインリンクや鈴鹿サーキット、NSX工場やガレージ・イワサなどを訪問したという。たしか、そんな話題をHPで見かけたことがあるような…年齢は三十代後半。私とほぼ同じだ。しかし彼はカーリースの仕事などを手広くやっており、(10万台の車を所有??しているらしい)愛車はS6にS8、シビック・カントリーに
NSX−Tときたもんだ。ようするにお金もちなんですね。
私が
「毎日通勤にSを使っているのだ。」
といったら、彼は
「普通、Sのオーナーはガレージの中に大切にしまって、自分の娘や息子と同じようにSを可愛がるのじゃないか?」
と本気でいぶかしがっていた。
 私は
「こういうSの愛し方もあるのだよ。」
と返事しておいた。


5月「爽やかな5月の風邪」の巻

 更新するにもネタが無い…くらいノン・トラブルなのだ。
 しかし持ち主はというと…連休から風邪で寝込んでいる。車よりも老化が進行している感じだ。

 さて、Sは現在メーター読みで15500マイルを超えたところ。
 昨年の6月20日ブログを読み返すと、この日に「12345マイル」のぞろ目だったことが解る。
1年で、15500引く12345イコール3155マイル…
kmに直すと1.6倍なので… 
「約5000km!!」
…国内で、年間5000キロ走っているS800が一体何台存在するであろうか?
 クラシックカー保険というものが存在し、私も購入当時車両保険に入ろうと思って調べたのであるが、
年間走行距離の制限があり(これは当然。クラシックカーはお金持ちが「セカンド・カー」として所有しており、年に数回しか走らせないという前提の保険であるのだから)私は入れなかったのだ。
 
 良いか悪いかは置いておくとしよう。しかし、今S800レストア済みの販売価格は250万にもなるという。もしコレを買ったとして、月に4回、週末だけ乗ったと仮定しよう。
 年間に乗れる回数は4×12=60回。当然「雨が降ったら乗らない」というお人の方が多いから、へたすると50回くらいかな?コレだと、
1回乗るにつき250万円÷50回=5万円!!高すぎるって!!
 いや、毎年50回乗り、10年所有したとしよう。そうすれば、10分の一の
一回5000円…これも高くないっすか???
 こう考えると、やっぱ旧車趣味ってお金のある人の余暇なのかも…と思ってしまう。
 私の場合は、修理代含めて車が200万として、365日毎日乗り、現在4年と8ヶ月。日数にすると約1500日は過ぎているだろう。
200万円÷1500回=1333円。これでも「高い!」と驚くが、セカンドカーではなく、これ一台で過ごしていることを考えれば、妥当な値段か?
 ま、本当のお金持ちの人は
こんな計算なんかいらないほどなんでしょうね。人事院勧告により、またぞろ給料カットのお知らせが。本当に頭にきています。そんなに給料カットするなら、本当に給与分だけ働いて、5時になったらきっかり帰ってやろうか、とも思います。職場の他の方に迷惑かかるから、なかなか実行できませんがね…

 さて、怒りモードはコレくらいにして、今回の更新の内容は…無いよう。とも言っていられないので、オイル交換の写真でも貼っておきます。
 あまりエンジン下の写真は撮るチャンスも無かったので、ちょっと新鮮。青いのは、オイルエレメント。私のは既に純正ではなく、レガシー用のカートリッジが使えるアダプター付きなのだ。かっこは悪いが、超便利だ。
 エンジン右にちらりと見える筒はオイルポンプ駆動用のシャフトケース。そしてその上にスターターモーターが見える。これも純正ではなく、新型に交換済み。 あの有名な「等長タコ足」君も少し見えるでしょ?え?何ですって?ええ、
錆びてますよ。ま、気にしないことです。もっと錆びたら、耐熱塗装ぐらいはしてもいいかな、と思ってます。

 このドロ跳ねのとんだコンディションが、オーナーの心意気をあらわしていると…思って欲しいなあ。
 ハッチのストリップをボンドで貼り付けた。
 何でオープンではなくクーペを選んだのかというと、もちろん不器用そうなスタイルが気に入ったからなのであるが、「荷物が積める」という理由も大きいのである。
 私はギターを積んで走ることが多く、オープンではトランクにギターが入らないのである。
 クーペなら、ハッチを開けて縦に積めば、助手席のシート後ろぐらいまでにちゃんと積めるのだ。これは大きな差である。他にもこの荷台には、
朝は燃えるゴミの袋が載り、夕方は職場に届く生協の冷凍食品の保冷箱が2箱載るのである。なんて実用的な車なんだろう。君は本当にすばらしいよ、S君…。

5月その2「梅雨直前!雨漏り対策その1」の巻

 いよいよ九州のほうでは入梅するそうだ。
 こちら関東地方も、もうじき梅雨に突入だ。
 昨年も書いたと思うが、この時期はSにとってもっとも苦手な時期なのだ。
@ワイパーが…
 現代の車のように「間欠ワイパー」があるでもなく、またふき取り面積が広いわけでもないので、視界は非常に見えにくくなるのである。それに加えてエアコン等による曇り止めも無いため、ちょっと雨が降るととたんに運転が危険になるのである。
Aサビが…
 だれも好き好んでSを雨に当てようとする人はいるまい。この車しかないから仕方ないのである。
Bブレーキが…
雨が降ると、後輪ブレーキドラム内に水が浸入するためか、ブレーキの効きが悪くなるので要注意である。フロントのディスクもしかり。ま、おかげで車間距離を保って安全運転ができるのであるが…。ちなみに私、
ゴールド免許保持者である。
Cエンジンが…
 明らかに吹けが悪くなる。湿度の関係なのか?アイドリングも下がり気味。一年間セッティングはほとんど変えないが、この時期はちょっと回転数を上げてやらないとバッテリーの消耗も…

 というように、あんまり楽しい時期ではないのだ。
 さらに追い討ちをかけるかのように、いつもの「雨漏り」。
 運転席の足元、やや右寄りに水がたれるという状況から考えるに、右のワイパーベース付近から水が浸入してきているようである。ここは先日シールゴムを交換しているのだが、ボディとの密着が悪く、隙間が開いているのである。また、ボルトとベースの間に挟まるワッシャーも、純正のものは既に切れて後かなも無く、仕方なくプラスティックを丸く切ってはさんでいたのであるが、これも劣化してバラバラ。
 今日は午前中からザーザーぶりの雨だったのであるが、昼にぴたっとやんだので、これを機会と考えて雨漏り対策を講じてみる事にした。
 まずは、右ワイパーとベース部分を外す。運転席内側からワイパーモーターなどの固定ステーを緩めておくと作業しやすいので、(10mmボルト2本で取れる)あらかじめ緩めてから、一気に外す。ウィンドウォッシャーのホースが外れるが、気にしない。
 さて、問題の水漏れをとめるために、黒い
ゴム補修用ボンドをシールゴムに塗る。(微量)これがボディーと密着してくれればかなりの量の水漏れを食い止めることができるはずだ。ボディ側は黒く汚れてしまうだろうが、かまうことは無い、どうせ次に全塗装でもするなら関係ないのだ!

 粉々になったワッシャーの変わりに、アルミのワッシャーをかませて元に戻す。プラスティックと違い、力いっぱい締められるので、ワイパーベースは今までよりもボディーに密着し、隙間から黒いボンドがちょこっと押されて顔をだした。これで隙間はかなり減ったはずだ。
 次の雨の日に走れば、この補修の効果がどれだけあったかが証明できるであろう。楽しみなようなソウでもないような…

 前にやった「ガラス磨きコンパウンド」の効果は絶大で、いまだにワイパーゴムの鳴きは収まっている。これで雨漏りも減れば、このうっとうしい梅雨時期を若干カイテキに乗り越えられるはずだ。そうそう、ガラス内側の水
滴を拭く手ぬぐいを用意市しとかなければ。これ、梅雨の必需品です。


7月「S8001年点検!」の巻
 梅雨がなかなか開けない。今年の太平洋高気圧は若干力不足か?もしくは日本海側の高気圧が強すぎ?いずれにしても、こう雨が多くては人間までも腐ってしまいそうである。
 腐るといえば、S800だ。こう雨に打たれてばかりいると、車体が腐ってしまいそうな恐怖を感じる。しかし、だからといって雨に当てないように保存するほど過保護にも出来ないのが実情だ。
 
 さて、
毎年恒例の「夏の点検」の時期になった。
 仕事が忙しくなかなか伊豆までは出かけられないので、今年もIWASA様にお願いすることにした。
 ある7月の午後、仕事を半日で切り上げて高速道路に乗った。もうだいぶ高速走行にも慣れたが、一応メーター読みで60マイル、5000回転に抑えながらの走行である。天気は曇り。窓から吹き込む風でチョウド良いほどの
S8日和であった。
 空いた高速道もあっという間に走り、インター出口にたどり着いた私。料金所で券を渡し、代金を払おうとかばんを…あれ?
あれれ?財布が無いじゃん!!!
 仕方なく車を端に寄せ、車内をもう一度点検するも発見できず。たぶん出発前に職場に置き忘れたまま来てしまったのだろう。生まれて初めて
「無銭走行」をした。高速道路事務所まで連行され、未納金納入告知書なるものを書かされるはめとなった。トホホ。ドジもここまで来ると笑うしかない。

 午後3時ごろGARAGE‐IWASA到着。社長はS8クーペの板金をしている最中であった。
 今回の点検項目の打ち合わせ。
@デフ・ミッション・エンジンなどのオイル交換
Aブレーキ・足回り関係の点検調整
B右ドアの立て付けの点検(このまえドアが閉まらなくなったのだ)
ついでに、財布を忘れたことを告白し、なんと岩佐社長から1万円という大金を借金することとなった。まったく大恥をかいてしまった…(涙)
次回、車を引き取りに来るときにはお土産のひとつも持ってこなければなるまい。社長さん、本当にありがとうございました。このご恩は一生忘れません…。

 というわけで、社長から借りたお金で無事バスと電車に乗り、自宅までたどり着いたというわけだ。
 車の仕上がりは一週間後の予定。それまではまた「自転車&バイク」の暮らしに戻る。毎年この時期になるとバイク生活なので、もはや私の近辺では風物詩のひとつとなりつつある今日この頃だ。


8月「S800無事に帰還!」の巻
 ガレージイワサから連絡があり、点検整備が終わったとのこと。早速日曜日に引き取りに出かけた。
 まずは家を
路線バスで出発。最寄の駅に。
 その後、
ローカル線を使ってイワサの最寄り駅、中浦和駅到着。そこからさらに志木市に向かう路線バスに乗り、昼過ぎ頃到着した。
 この前社長にお借りしたお金を返し、気分はすっきり。まだ修理の見積もりが出来ていないとのことで、後ほど郵送してくださるとのこと。それではと、すぐにお暇することにした。

 さて、帰りはまず所沢インターで
未払いの通行料を支払う。(笑)二度としたくない失敗である。いつもならば後は街中を通って帰るのだが、この暑さを考えて、少しでも車の流れがよさそうな山側を通って帰ることにした。
 西に向いしばらく走ると、高麗川沿いの国道にでる。これをさかのぼっていくと、飯能市から秩父市に抜けるいわゆる「正丸峠」である。坂もそれほどきつくなく、川沿いを涼しい風が吹いていくので、チョウド良いドライブコースである。途中、初心者ドライバーの後ろについて若干のイライラ感はあったものの、予定通りに道の駅にたどり着いた。
 ここで小休止。日本全国の「道の駅」の定番といえば・・・そう、
ソフトクリームである。250円を支払い購入。日陰で涼みながら食す。
 川原を見ると、魚のつかみ取り大会をしているようであった。さぞ涼しかろうと思いながら、先を急ぐ。
 
 秩父市を経由して大回りしたものの、ほぼ予定通りの3時間で自宅に到着した。
 今回の点検の代金がまだ着ないのだが、少なくともブレーキ点検によってかなりしっかりした制動感にもどったのはうれしい。サイドブレーキもわずか2ノッチで完全に停車する。こうでなくっちゃね。(え?自分で調整しろって?だって、時間がないんだもん)
 これで、今年の夏の最大のドライブである
「軽井沢まで碓氷峠越え」達成できるような気がしてきた。
19日に行くつもりである。
 


8月その2「S800de軽井沢」の巻
 いよいよ決行の時が来た。そう、 この夏最大のイベント、
「S800de軽井沢」である。 散々悩んだ挙句、ノロノロ走行などで一番人様に迷惑をかけずに上れそうだということで、二度上峠という、超マイナーな峠から北軽井沢を目指すルートに決定。前日にはクーラーボックスと保冷剤まで購入し、夏のドライブに備える念の入れようである。
 あきれる家族を尻目に、19日午前10時、自宅を出発。目指すは峠の入り口である倉渕村、もとい、倉渕町
(祝・市町村合併)である。
 約一時間後、いよいよ道は登りにさしかかった。水温はほぼ82℃で推移。快調だ。後ろから数台車が来たので、こんな風に駐車帯に停まってやりすごす。
 少し進むと、前に車が見えてきた。さっき私をぬかしていった車だろうか?なんとその車をあおるように、力強く3速で上り続けるS800。なあんだ、
全然大丈夫ジャン!!などと余裕をくれていたら、頂上が近づくにつれてだいぶ苦しくなってきた。2速も使い、最後はかなり強引に踏み込んで上る。焦げ臭い。オイルが燃えた証拠である。案の定、排気管から白い煙が出始めた。チョウドそのころ峠のてっぺんにたどり着き、小休止する。
 
 さて、気を取り直して下る。下りはアクセルを踏まないので水温がぐんぐん下降し、80℃を切る。あっという間に北軽井沢の別荘地内に到達。ここで12時を迎えたので、道端の木陰にに車を止めてコンビニで買ったおにぎりの昼飯とする。

 今回の軽井沢行きの真の目的は、ビートルズ・セッションなどでお世話になっている東京の有名バンド、「SheSaid」さんのコンサートの応援である。演奏会は2時から。まだだいぶ時間がある。そこで私は北軽井沢から嬬恋村に向かった。鎌原(かんばら)の観音堂を見ようと思ったのだ。
 江戸時代の
「天明の大飢饉」は有名だが、その原因となった浅間山の大噴火と、そのときの土砂なだれによって埋められてしまった人々のことは全国的にはあまり有名ではないだろう。村のほとんどの人が犠牲になる中、高台にある観音堂に駆け上った人たち90名程度だけが助かったという話である。残された90名は、夫を失った女と妻を失った男、子供を失った親と親を失った子供がお互いに協力し合って新しい30の家族を作り、村を再建したというのだ。 
 土砂に埋められた石段の発掘では、年老いた女性を背負いながら石段を登ろうとし、そのままの形で生き埋めになった若い女性のホネが見つかったのである。ここにおまいりして旅の安全を祈願した。ついでに、嬬恋郷土資料館(300円也)も見学。

 おっと、そうそうのんびりもしていられない、浅間火山ルートを南にひた走り、今回のコンサート会場であるホテルに到着。ちょうど午後2時であった。ここでは東京からのお客様も多く、会場はほぼ満員。非常に盛り上がった演奏会になった。お目当てのバンドさんも大活躍。日頃「ビートルズ欠乏症」の禁断症状に悩まされるoyoyoであるが、この日はおおいにストレスを発散させていただいたのであった。演奏が終わったのが午後9時。7時間の長さを感じさせない楽しいコンサートであった。

 一夜明けて、朝食。ジョン・レノンが生前滞在していた万平ホテルで取ることになり、皆さんと一緒に出発。S君若干アイドリングが重いが水温が上がるに連れて好調に。
 万平ホテルのレストランの開店が9:30。少しの待ち時間の間に、資料室でジョンも弾いたというアップライトピアノを見たり、ジョンの泊まっていた部屋の前で記念撮影を試みたりと大はしゃぎの私たち。ある人が、
「いやあ、すっかりレノっちゃったなア。」 いただきです、そのフレーズ。
 朝食には、このミックスサンドウィッチとロイヤルミルクティーを注文。定番。\1700也。ボリューム満点。昼飯が食べられないほど満腹になりました。あいにくジョンの座っていたお気に入りの席には先客がおり、座れませんでした。(泣)次回は狙います。

 ここでバンド関係の皆さんと別れて、私とS800は帰途に着きました。今度は旧国道18号で下ろうという魂胆です。
 若い頃は車でよく来た道ですが、昨年の秋以来の、しかも前回はバイクで上りだったので、本当に久しぶりの感覚です。
 

 S800は小回りも効き、特に下りは馬力も要りませんのでぐんぐん下っていきます。180ものカーブが連続する峠ですが、あっというまにすり抜けていきます。また、ほとんどの車は高速道路か無料化したバイパスを通りますので、ほとんど対向車も無く快適ドライブです。
 と、途中で右後方から異音が聴こえ始めました。なんでしょう、ホイールキャップが外れかかってカラカラ言うような変な音です。停まって下を覗き込みましたが、はっきりした原因はわかりません。ただ、路面の凹凸を越えるときに鳴るようなので、何かの部品の取り付けが緩んでいるのかもしれません。処置しようも無いのでそのまま下りましたが、平坦なところに出ると音もしなくなりました。
 ただし、軽井沢では
25℃だった気温が一気に35℃まで上昇し、運転している私はその急激な変化にひたすら耐えるしかありませんでした。
 ああ、しかし楽しい2日間でした。涼しくなってまたドライブに出かけることが楽しみになるような、軽井沢の澄んだ空気は少しばかり秋の気配も感じさせてくれました。


9月「ウッドハンドル塗りなおし」の巻
 4度目の夏を乗り切ったS君。老いてますます元気なのだが、いよいよ手をつけなければならない部分が出てきた。ハンドルである。
 以前、純正の樹脂ハンドルが割れ割れなので、オークションで600用のウッドハンドルを落札し、取り付けたのであるが、安かったためか状態は決してよいものではなかった。木部は分離こそしていないものの、若干の剥がれや、割れの補修跡なども見受けられる程度のハンドルであった。

 そのハンドルの塗膜が劣化し、手のひらにベトベトまとわりつく様になってしまったのである。
 しばらくは、
ギター用のクリーナーなどで磨いてごまかしていたのであるが、いよいよ木の地肌まで見えるようになってしまった。もはやこれまで。リペアしなくては…と決意し、ハンドルを取り外し、サンドペーパーで塗膜を剥いでしまった。

 もともと、このハンドルは前の持ち主が自分で塗装しなおしたらしく、刷毛塗りっぽい茶色いラッカー状のもので塗られていたのだ。今回は、耐久性考え、ウレタン塗料を使って塗ることを決意した。

 まず、下地の木を細かなサンドペーパーで磨き、元のラッカー色を落とす。最終的に240番で仕上げてみた。その後、生地着色用のステインで茶色く塗った。
色は、もともとのハンドルの色に一番近かったので、
「チーク」というものを選択。ほとんど色が落ちたハンドルは、この油性塗料を程よく吸い込んで、いい色に染まってくれた。
 さて、そのハンドルを数日放置し、乾燥。
 乾燥し終わったハンドルは、布でもう一度磨きをかけ、それだけでも光るくらいにしておいた。

 土曜日の午後、休みが取れるのを待っていよいよウレタンクリアーの登場である。
 たったこれっぽっちのハンドルを塗るためだけに、2000円もするスプレーを買う羽目になったのが悔しくてならないが、もう後にはひけまい。えいっと一思いに缶の下にある棒を本体に押し込んだ。
これで1液と2液が混合され、化学反応を起こし、この時点からすでに硬化が始まるというのである。

 塗装ブースもなにも、私のSは青空駐車なので、仕方なく庭に鉄パイプを立て、そこにハンドルを引っ掛けての素人塗装作業である。
 まずは軽く吹いて、10分放置。硬化が始まり、塗膜が透き通った頃に第2陣を吹く。今度はやや厚めに吹いた。余った塗料がすこし垂れたが、こんなの気にしない。後で砥いで取ってしまおうと思う。
 さらに10分程度放置してから、最後の3回目。
 これでだいぶ塗膜が厚く仕上がったと思う。とにかく今までのベトベト・ラッカーに比べれば、多少の素人塗りでもいいのではないかと開き直っての作業である。

 塗り終わったハンドルは縁側に放置し、私はお彼岸の墓参りに出かけたのである。

さて、用事を済ませて家に帰り、置いておいたハンドルを見てみると、2時間にしてすでに塗装は乾いている。さすが、科学の力はすごい塗料を開発したものだ。ギターなど楽器の塗装がウレタン系になって久しいが、
乾燥行程の簡略化で人件費を削減し、安い楽器を作ろうとすれば当然の結果かもしれない、と、ひとり納得した次第である。
 ウレタン特有の濡れたようなつやがお分かりであろうか?
 これを今晩はこのまま放置して乾かし、明日実車に取り付けしようと思う。磨くのは、塗膜が完全に硬化してからの方がいいような気がするので、また来週ぐらいまでは使いながら塗装の状態をチェックしたいと思う。

 掛かった金額は、
@ウッドステイン剤(塗料)   \ 400
Aウレタンクリアー(スプレー) \2000
Bサンド・ペーパー・セット   \ 160
こんなところであった。


11月「お決まりのオイル交換」の巻
 7月の末にオイル交換してから早くも3ヶ月を経過。
 ルーティンのオイル交換の時期だ。
 バイクに乗ることが多くなった分、距離的にはそれほど伸びていないはずだが、やはり保険と思ってオイルはまめに交換をすべきだろう。ましてや、
夏の暑い中を乗り切ったオイルである。劣化は免れまい。
 
 いつものようにオートバックスで、WAKO’S 4CTを購入。4リッター9000円する超高級オイル。そんなの入れてどうすんねん?という周囲と家族のそしりが聴こえてきそうであるが、気にしない。自分が安心してエンジンを回せるための
おまじないである。少なくともこれを入れている間は一切オイル関係のトラブルはなかったのだから。一度だけガソリンスタンドの安くもないオイルを入れことがあったが、明らかにエンジン音が変わってしまったのだ。これには恐れを抱いた。

 S800のオイルは3.7リッター。4リッター缶を買うと、毎回0.3リッター余る。次の時には0.6リッター。またその次は0.9リッター・・・というように、少しずつ余らせていった結果、
今回は2リッター近い予備が出来ていた。なので、4リッター缶のうち、1.7リッターを使用し、残りがまた予備として保存されたのである。次回は1リッター缶2本で済むなあ。(笑)

 オイルが抜けるのを待つ間、エンジン上部のオイル穴から内部を覗いてみた。といっても肉眼では暗くて見えないので、デジカメ君で撮影してみたのだ。
 ちょうど見えるのはカムチェーンと、それが跳ね上がるのを抑えているチェーンガイドローラー君だ。黒いゴム上のダンパーの上についている。見た感じ、かなり汚れているように見えるが、4年以上毎日乗り回した状態だからこんなものではないだろうか。逆に言えば、エンジン内部の表面に
満遍なく「高級オイル」がいきわたった様子(笑)と考えたい。
 頻繁にオイル交換すれば、エンジン内部の汚れも取れるだろうし、水分の除去にも一役買いそうであるから、エンジンを長持ちさせるにはまさにお手本のようなオーナーである。(笑)

 さてオイルも交換したし、明日からの連休はちょっとSでドライブにでも出てみようか?


11月その2「テールランプパッキン君入手」の巻
 3年前に譲っていただいた、輸出仕様のテールレンズ。交換したときに、ゴムのパッキンが欠品しており、さらに4本の止めねじが新JISしかもねじ穴をなめてしまったのか前オーナーが裏側にナットを入れるもそれがさび付いて供回りする事態だった。とにかく
「ドアの隙間風防止テープ(スポンジ素材)」をパッキン代わりに突っこみ、ごまかしたまま3年の月日が流れ…。

 今回、やっとこ純正のパッキンを入手。しかも2枚!うれしい限り。これでやっと雨漏りレンズから脱出できるぞ!!

 ということで、休日の本日、交換を試みる。
 3年前に見た時点でさびさびだった左テールライトアッセンブリー。きっと状況はさらに悪化しているに違いない。
 リムを外し、レンズを外そうとすると、案の定、憎き新JISねじたちがさび付いている。なんとか無理やり外すことに成功。
隙間テープは完全につぶれてごらんの通り。しかもテープのウラについていた粘着部分が、ライトハウジングにくっついて剥がれないのだから始末に困る。ごしごしこすってなんとかはがす。
 
 さて、入手したパッキンをあわせてみる。部品番号によると左右の区別はないようであるが、水抜きの切れ目が下側に来るようにするのであろう。
 汚れてサビサビだったハウジング内部も、いい機会なので少しは磨いておこう。指の入る部分をブルーマジックを使って磨く。何もしないよりは大分ましな外観にはなった。

 パッキンをはさんでみると、厚さも弾力もかなりあるので、これでテールレンズもしっかり固定でき、雨水もほぼ浸入しなくなるであろう。まだ柔らかく、そのままではレンズをはめる前にタラッと垂れ下がってしまうので、上側の裏にボンドを少量塗って固定し、下のほうは引っ張って外形に合わせた。右の写真のように気持ちのいいくらいのフィット感である。
 ついでにいうと、ブレーキライトの裏側に
「のぞき穴」みたいな透明のプレートがあるのは、玉切れを内側から点検でもしようというのか?それともなにか別の意図があるのか…定かではないが、なにかしらの意味があるのだろう。だれか教えていただきたいものである。

 いつかは新しいライトハウジングを入手して全交換したいところだが、きっと値段は5万円を下るまい。そう考えると、このゆがんだサビサビハウジングを大事に使っていくしかあるまいな。あとはねじ穴をもう少し加工して、普通に固定できるようにしたいところだ。ねじを工夫するか、ねじ穴にダイスを通すかすれば何とかなりそうな気もするので、時間のあるときにチャレンジしてみたいと思う。

2006年 12月

「スレーブシリンダーブーツ君」の巻

 いよいよ2006年も本日を持って終了である。

 昨年は年末にデスビのトラブルに見舞われたのだが、今年は何とかこのまま乗り切れそうでうれしい限りである。これもひとえに、このホームページならびにブログをご覧になっている方々のご協力のおかげと、心から感謝申し上げる次第である。
 さて、晦日から家の掃除等で走り回っているのだが、そんな中でも車に気が行ってしまうのが、家族の批判を受けるゲンインであろう。(笑)
 ということで、簡単な作業だが、今年最後の更新を。
 左が入手したブーツ。明らかにサイズが違う。
 よく見ないで買っちゃうからなあ…。でも品番は22865-504‐030だから合ってるんだけどなあ(笑)。もしかしたら、伸びたり縮んだりするのかも…なわけないか。
 ということで、交換してみよう。
 あれ、見るとスレーブシリンダーから若干オイル漏れ。これは早々に点検の余地アリ。がしかし、まだ微量なのでとりあえず見なかったことにしよう。
 漏れた油やグリス汚れをパーツクリーナーで拭き拭きしてきれいに。その後、ブーツを組み立てる。
 組み立てると言っても、ブーツに鉄製の輪のような形をしたプレートをはめるだけである。先にも言ったように、大きさが若干小さいので、プレートを入れるのも一苦労である。
 がしかし、ゴム素材なので伸びがあるし、はまらないわけではない。何とか使えそうである。半ば強引にはめて、そのブーツをシリンダーにかぶせる。今まではゆるゆるでゴムがクルクル回転していたのに対し、この新品君はぴちっとフィットしており、気分がいい。これで水やゴミの浸入がかなり防げるに違いない。
 さて、取り付けの段であるが、実は私はこのシリンダーの下にはまる例の「インシュレーター」を持っていないのである。金属製のワッシャー2枚をそれぞれはさんでいるのだが、この作業中にそのうち1枚を落としてしまった。いくら車の下を覗き込んでも見つからない。
 仕方が無いので、工具箱の中からほぼ同じ厚さのワッシャーを見つけて重ね、とりあえず急場をしのいだ。
 チャンスがあったらオリジナルのインシュレーターか、同じような素材の断熱性のあるものを使いたいところである。
 
 さて、31日も残り数時間となった。
 全国のS乗りのみなさん、よいお年を…。