2011年12月
「cpm製"Lower Reinforcement"取り付け」の巻

今年も「愛車にクリスマスプレゼント」の時期である(笑)。
 
 結局、たいして稼げないまま去っていく2011年。
念願のサスペンション交換もままならず、愛車ヴァリアント君の走行距離だけがむなしく伸びてゆく。
こんな毎日に、せめて何かできることはないか、と考えた。
大した金額をかけなくても、効果がありそうなチューンナップ方法が…。

 考えた挙句にたどり着いたのは、今爆発的に流行中の
「cpm」の取り付けであった。
 cpmとは会社名「中央/プレシジョン/マシニング」の頭文字である。
 どんな製品かというと、高精度の工作機器により硬質アルミから切りだされた、ボディーの下部補強材のことである。
 純正の補強材を外したところにボルトオンできる手軽さや、効果がすぐに体感できるという評判がたち、かなりの流行が来ているらしい。
今回、その波に乗って私もヴァリ君を「ちょっとだけチューン」してあげようと思ったのである。

 これが届いたときの荷姿。
 高級感あふれる紺色の保護袋の中に、
 厳重に包まれた2枚の鉄板・・・というかアルミ板。
 厚さも1センチ近くあり、強度は十分といった感じ。

 フロント用の真ん中には、コンピューター制御か何かでエッチングされたのであろうか、「cpm」のロゴが掘りこまれていて誇らしげである。
 ・・・取りつけてしまえばもう見えなくなってしまうのだが。
 面取りのしかたもごくごく上品で、
 なんだか見えなくなるのがもったいないような質感である。
 
 これを、車の下にもぐって、純正の補強材と替えれば良いだけの話なのだが、いかんせん、そのままでは潜れるわけがない。
 かといって、ジャッキアップなどでは車体が斜めに捻じれるし、
 それに
何より危険である。

 そこで、今回は「レンタルガレージ」にて二柱リフトを借り、安全かつ能率的にことを進めようと決意した。

 一番近いレンタルガレージに1時間の予約を取る。
 土曜の午後3時、仕事終了後に駆け付ける。
社長に聞いてみると、外国人の方を含めてかなりの人数がメンバーとして来ているそうな。初めて知った。
 S800所有時に知っていたら、きっと数々の作業もはかどったことだろう。

 さて、リフトのセッティングおよび動かし方を聞き、まず車を上げてみた。
 右の写真が純正状態の「補強材」である。
 ※エキゾーストパイプの下に渡してある、クネッとした鉄板ね。
 こんな薄っぺらいもので補強されているのかと思いがちであるが、
 逆に設計としては
「ここに捻じれの力を逃がす」
 というような考え方の部分ではないかと思う。
 ここを、あのねじれなそうな「cpm」に交換するだけで、
 かなりの剛性アップは期待できそうである。

 まず、左右にある樹脂のアンダーカバーをゆるめる。
 これには左右4本ずつの樹脂のねじを緩めるだけでOK。あっという間だ。

 その後、後部の補強から外しにかかる。
 左右2本づつの13mmねじで固定されているが、
ボルト自体は車側から生えており御世辞にも強度がありそうには見えない。
 締めすぎには厳重に注意しよう…。
 大したトルクもかかっていないようで、すぐに4本外せた。
 
 さて、ここにcpm投入である。
 外したナットをちょっときれいにしてから、
 そのまま元の位置に取りつけていく。
・・・あっけないくらい簡単だ。
 締めつけトルクはとても心配だったので、
 製造元のcpm社に直接問い合わせてみたところ、
 
「VWはもとのねじの強度に心配があるので、25N程度を目安にしてくれ」
 という、思った通りの明快な答えが返ってきた。
 
 トルクレンチを24N程度の位置にセッティングし、締めて行く。
 ん?なんだか元の締め具合よりも余計に締めている気がするなあ。
 と思うが、ある程度締めておいた方が初期緩みの防止にもなろうと思い、
 結果24Nで全部のボルトを揃えた。

 左の画像が取り付け後である。う〜ん、素晴らしい・・・。
 ・・・リフトから下りしちゃうと、もう見られない
貴重な景色である(笑)。
 同じ作業を、フロント側の補強材でもする。
 トルクも後ろと揃えておく。変な力の偏りが出ない方がよいだろう。
 予定作業時間通り、30分で全作業を終了。

 外しておいたアンダーカバーを、元に戻す。
 リフトをおろして事務所へ。
 料金を聞いたら、リフト使用料800円なり。安いな。
 今後も何か作業ができたら利用したいところだ。

 ちょうど作業に来ていた方としばし雑談。
 なんでも、アルピーヌ/ルノーをレストア中だとか!すごい!
 車をここに預けて、毎週のように作業に来ているそうな。
 現在はFRPボディーとシャシーを分離した状態で、シャシーの方を先にやろうとしているのだそうな。
 見させていただいたが、一番驚いたのは、ステアリング・ラックがなぜかサスの上側についていたこと!(普通は下にあると思いこんでいた…)
 たぶんまだまだ何年もかかる作業だと思うが、人生をかけて打ち込める趣味だと思うとなんだかうらやましい。
 
 私も子育ての期間は旧車には手を出さないと誓った身。
 あと10年後、子供らが無事に巣立ってくれたら、再びこういう世界に戻りたいものだ。
・・・などと感慨にふけりながら、帰途に就く。

 さっそく帰りの国道でインプレッション。
 まず気付いたのが、
「車体軋(きし)み音の激減」である。・・・というか、皆無である!
 割とカーブを曲がるたびに車内の内装などから「ギシギシ」音が出ていたのだが、帰り道には聴こえてこなかった。
 これはようするに車体自体の捻じれる量が減ったということなのだろうか。
 急な車線変更らしきこともやってみた。
「回頭性がよくなったように感じる」のは、たぶんこれも剛性の関係だろうと思う。
 車体全体がうねるような感じがなくなったので、よりダイレクトに車の動きがドライバーに伝わるようになったのではないか。
・・・という、プラシーボ効果とも何とも言えない印象であった。
 しかし、印象だろうがなんだろうが、
前よりもよくなったことに変わりないのだからよいだろう!!(笑)
 
来週あたりに高速道路を走る機会があるので、
もう一つの効果として上げられている「高速直進性の向上」についてはその時に感じられれば良いと思う。