モノラル盤と同じく、1963年11月に売り出された、
ビートルズの正式なドイツ・デビュー・レコ。
※トニーシェリダンのポリドール盤は除く・・・あれは「ビート・ブラザーズ(笑)」。
後から名前を変えたりして売っちゃちゃだめよ。
ずるい子ね。
1967年にカタログ改正された時にはレコ番が73568に変更されてます。
その後はEC共通番号(1C072-04181)になってしまうのです。
モノラルと同じジャケットに、
金色のステッカー(ミラーボール)を貼り付けた、共通ジャケット。
表面のコーティング材もUKのジャケットとまた違い、
かなり厚いビニールで覆われています。頑丈そう。
これも「質実剛健」を旨とするゲルマン人魂を感じさせるところですね。
レーベルは、”White/Red/Gold Odeon”(白赤金オデオン)
ステレオ用の豪華版です。
褪色もなく、非常にきれいな状態を保ってます。
1966年以降になると、
ALLE RECHTE DES
PLATTENHERSTELLERS UND~
という、レーベル面縁にある著作権関係の注意書き文字が、
URHEBER UND LEISTUNGSSCHUTZRECHTE, BESONDERS~
という文字に変更されます。
たぶん付属のインナーから推測すると64年盤だと思います。
マトリクスはUKとおなじYEX110/111。
※ただし、UKステレオ盤は一番若番でもYEX110-2/111-2だったのに対して、
このドイツ盤はちゃんとYEX110-1/YEX111-1の「マトリクス1」です(笑)。
そしてこのレコがあの「ハイハット版オール・マイ・ラビング」の初出です!
しかし、なんでこんなことになったのでしょう?興味は尽きませぬ。
もしも、UK盤と同じマスターテープをダビングしたのなら、
UKレコにもあのハイハット・イントロが入っていないとおかしいですよね?
カッティングの段階で、片方には入り、片方には入っていないというのはおかしいのです。
ということは、ドイツに送られたテープと、UK国内用のテープは、
ダビングする段階で違いがあったと考えるしかありません。
UK盤用のテープでは、気を使ってハイハットの音をカットしたのに、
ドイツに送る用のテープを作るときには失念したのだとしか言いようがないです。
おそらく、イギリス国内とドイツの発売日はほぼ同時だったと思うので、
マスターテープからレコ製造用のテープをダビングする際、それぞれ別々に作業し、用意したのだと思います。
そのときに消し忘れたものがドイツに渡ったのでしょう。
偶然?とはいえ、不思議な話です。
このレーベル縁の金色がたまりませんな。
UKの「金パーロフォン」を彷彿とさせ、いかにも「貴重です」と自己主張。
前半ドイツ盤から後半UK盤へ。
右チャンネルのボーカルが、ドイツ盤では明らかにバランスが小さいです。
全体の音量もドイツ盤の方は2割がた抑えてカッティングされています。
その分、3連音符を弾くジョンのリッケンバッカーの音はひずみが小さく、クリアーに聞こえます。
反面、UK盤ほどの勢いのよさは感じられません。
なんともいえない違いですが、オーディオ的にはひずみの小さいドイツ盤を、音量を上げて聴くのがベストなのかも知れません。
ハイ・ファイ度からすると、こっちの方がマニアックで良いかもです。左右からきれいに分離した楽器とヴォーカル音が聴けます。
これも大切に保管していきたいと思います。