R5015「"From MeToYou/Thank You Girl」

Release:April 11th,1963

Matrix No.:7XCE 17329-1N/7XCE 17330-1N


Stamper/Mother No.:
LA(83)/4 TD(90)/4
Tax Code:MT
Sleeve:Greensleeve B-type

 ビートルズ3枚目のシングルからは、この黒と銀のレーベルが標準に。
赤レーベルファンにとっては悲しい限りであるが、それゆえ余計に赤ラベルの貴重さが増すともいえるのであるから複雑である。

 この曲は1963年の
ツアー中にバスの中で書かれたというのが有名なエピソードであるが、着想はそうだとしても、その後、しっかりとアレンジ等を検討して仕上げたことは聴けばわかる話である。
 元々は、B面の「サンキュー・ガール」の方がA面曲候補だったのだそうな。そういう気持ちで聴いてみるとまた違った聴こえ方になるかも。ちなみに原題は
「サンキュー・リトル・ガール」だそうな。歌詞に「Little」は1回しか出てこないけどね。このレーベルの「Parlophone」は35mmバージョン。もう少し後になると30mmバージョンになってしまうのだ。やっぱり大きい方が見栄えがよい。特にレッド・パーロフォンのときなどは円の半周ぐらい使って書いてあったのだから、あまり遠慮しないでほしい

 スリーブはこの「タイプB」が付いてきたが、これは1965年あたりの仕様のはず。まあ、シングルのスリーブと中身がしっかり一致しているのなんか、「ラッキー」だと思って無ければ、金がいくらあっても足りやしないのだ。後に、このスリーブのパーロフォン・マークの下の文字が「GRAMOPHONE」に替えられてしまうので、これはそれよりも前の仕様ということになる。(1965年前期ごろまでか?)

A面「FromMeToYou」は、アンソロジーやブート音源で聴くと、あの出だしのコーラスにたどり着くまでいろいろ試行錯誤している様子が分かる。
最終的にはジョンのハーモニカという
「最終兵器」に落ち着いたのだか、たぶん「同じネタで3曲勝負は嫌!」だと思ってのことだろう。
しかし、試しているコーラスは「変な裏声」とかばかりで採用されなかったことの方が自然である(笑)。
歌詞の内容は、意識的に10代の
善良なる女子をクラっとさせるような甘い言葉にあふれているが、これを「レコードを買ってくれるファンへの心からのサービス」としてできたところが「マッカートニー=レノン」のすごいところ(笑)。23歳にして商売上手である。

 狙いを同じくして生まれたB面も、ファンの女子に向けて「君たちの愛で僕らが幸せなれる。
僕たちの愛を疑うようなやつら(親?大人?)は馬鹿だ。」と、まさに殺し文句のオンパレード(笑)。女子が群がるわけである。
 しかし、何度聞いても最後の部分のリンゴのフィルインは・・・
「?」(笑)である。
バンドで演奏する時には、かっちりリズム通りに演奏してはならない。ドタドタドコドコ・・・と、不安定な感じで16分を叩き、
最後の「タンタン!」で無理やり戻す!これに限るのである。