PMC7027「"Sgt. Peppers Lonely Hearts Club Band"(mono)」の巻
 
"Sgt. Peppers Lonely hearts Club Band"
Release:June 1st,1967

Matrix No.:XEX637-1/XEX638-1
Stamper/Mother No.: H(7)/1 GA(13)/1
Weight :145g
Tax Code:KT
Jacket: Garrod & Lofthouse Co.LTD

 1966年のクリスマスを「ベスト版」で無理やり乗り切ったビートルズ。
 その分を取り戻すかのように、今回は8月ではなく2ヶ月前倒しの6月発売になった。
 しかも・・・
「今世紀最大の革命的レコード」として・・・。

 録音時間700時間。一口で言うと簡単だが、日数にして寝ないでやっても約20日間。一日8時間労働の基準を守ったとすると、87日間にも及ぶ長丁場である。ほんの数年前(1963年)に、
一日でアルバムを録音していたバンドとは思えない変わりようである。

 きっと当時のファンは、新しいオリジナルアルバムの完成を今か今かと待ちわびていたであろう。66年のリボルバー以来、10ヶ月待たされたわけで、なんたる偶然か、まさに「出産期間」である(笑)。

 このアルバムの特色は、
「ポールなくしてビートルズ無し」を印象付けたという点であろう。

 前作(あえて前作と呼ぼう)「リボルバー」では、ジョンとポールは5曲ずつ仲良く分かち合ったのに・・・
 このアルバムではポールが8曲。ジョンは「Lucy In The Sky With Diamonds」と「Being For The Benefit Of Mr.Kite!」、そして「Good Morning, Good Morning」の
3曲のみ。※「A Day In The Life」はポールとジョンの曲の合体作品。
 完全にポールに主導権を握られた感じである。逆に言えば、ジョンのこのバンドに対する「情熱」がやや冷めてきたことの表れでもあったのだろう。
 しかしこの変わりようはジョンフリークにとってみればまさに
「青天の霹靂」であっただろう。
 それにしても、この「架空のバンドを装い、曲と曲をつないでいく」というアイデアは、なかなかのものだったと思う。それぞれ独立した楽曲でありながら、まるで目の前でコンサートが進行していくかのような雰囲気をかもし出す統一感・・・。そして、このジャケット写真。一度見たら二度と忘れられないアイデアである。いろいろなアーティストがパロディー化するのもうなづける。

 肝心の曲の方は前述の通りポール一色である。
 まずは「テーマ曲」である「Sgt. Pepper Lonely Hearts Club Band」
 そして「With A Little Help From My Friends」もポール主導であろう。
 「Getting Better」「Fixing A Hole」でアレンジ能力の高さを示し、
 「She's Leaving Home」でお得意の「物語風ロック」を聞かせてくれる。
 かと思えば、「When I'm Sixty Four」でボードヴィル風なお遊びを見せ、「Lovely Rita」ではアメリカで知った「メーター・メイド」ネタ。
三面六臂の活躍とはこのことである。
 聴いていると、うっかり「ポールのソロアルバム?」と思うくらいである。

 しかし、そこにジョンの数こそ少ないがピリッとした曲が挟まることで、コントラストがより強まっているのも事実。
 実際、ジョージの「Within You Without You」は
時々飛ばしたくなるときもあるが(笑)・・・。
 トータルとしては確かに、歴史に残る名盤といえるだろう。

 個人的にはステレオ盤よりも回転の速い(というかこっちがkey=Eなので正常なのか?)「She's Leaving Home」がお勧めである。



レーベルの変遷については諸説ありますが、以下のような感じです。
タイプ1-A・・・「サン=セリフ字体」のもの。(画像のタイプ)
    1-B・・・「サン=セリフ字体」で、B面が「A Day In The Life」を抜かした
ミスプリントタイプ(超レアモノ)。1968年盤か。

1969年になると、「Sold In U.K.」(リマーク)が無くなる。