PMC1255「Songs from the film "HELP!"(mono)」の巻
 

"Songs from the film "Heip!"
Release:August 6th,1965

Matrix No.:XEX549-2/XEX550-2
Stamper/Mother No.:RT(29)/2 M(4)/2
Weight :160g
Tax Code:KT

Matrix No,:XEX549-2/XEX504-2
Stamper/Mother No,:ATH(397)9/ ALA(383)13
Weight: 152g
Tax Code: KT

 同名映画のサントラ盤としては、「ア・ハード・デイズ・ナイト」の兄弟盤である。
 大きな違いとしては、ハード・デイズ・ナイトは曲名が先にあったのに対し、「Help!」は後から題名が決まったということでありましょうか。

 このころから、一気にグループ内でのポールの力が増してきて、ジョンと拮抗し始めます。
 曲数でも、
ジョンが「ヘルプ!」「悲しみをぶっ飛ばせ」「恋のアドバイス」「涙の乗車券」「イッツオンリーラブ」の5曲に対し、
ポールが「ザナイトビフォア」「アナザー・ガール」「テルミーホワットユーシー」「夢の人」「イエスタディ」の5曲と対等の立場に。
ジョージが「アイニードユー」「ユーライクミートゥマッチ」と2曲当選

 ポールはさらにリードギターまで弾き出し、
 ジョンはそれに対抗するかのように「リズムギター」ならぬ「リズム・キーボード」を弾き出す。
 まさに、
「ジョンVSポールの覇権争い」のスタート地点と言えそうです。
 

 レーベルの変遷はありますが、マトリックスナンバーはずっと‐2のままでした。
タイプ1-A・・・この写真にあるように、「サン=セリフ字体」のもの。
    1-B・・・Aタイプとほぼ同じながら、A面5曲目「Another Girl」の「ガール」と、6曲目「You're Going To Lose That Girl」の「ガール」が縦に揃っているもの。
    1-C・・・字体が「NTR(ニュータイムズローマン)字体」で、A面の「Northern Songs NCB」がバンド名の下に来ているもの。
    1-D・・・Cとほぼ同じだが、曲名の縦の間隔が開き、「Northern~」がバンド名の上に直されたもの。
    1-E・・・B面最後の(Williams)~が最後の行に移されたもの。

 このようなヴァリエーションがあります。
 
←ちなみにこれが1968年版のA面ラベル。1-Eタイプです。
 1969年になると、
PARLOPHONEの下の「SOLD IN U.K.~」表示(いわゆるリマーク)がなくなります。
 マトリックスナンバーは2のままなので、
 デッドワックス(=ラッカー原版)は同じものを使用していたと思われますが、
 1965年初版と、1968年版では音がかなり違って聴こえます。
 1965年のほうが
「音が立体的」とでも言おうか・・・。HPでは音の違いが表現できないので、ぜひ皆さんにも両者を(同じような状態の盤で)聴き比べていただきたいものです。
 もしも音の違いがあるとしたら、
 ①原版からどれくらいの「複製」を作ったか、という点に原因があるのでしょう。
 1965年盤の方はマザーが2番。1968年盤の方はマザーだけでも13番目に作ったものです。
 この時点で、少し音溝が劣化していることは否めないでしょう。
 さらに、スタンパーが2桁の1965年に比べ、1968年のほうは397番・・・400近い数字です。
 一般に、1枚のマザー版から数十枚のメタルスタンパーが作られるそうですが、400番まで来るとかなり音溝に劣化が生じていたはずです。さらに・・・
 ②レコード重量の差です。1965年ではまだ160グラムと、かなり重さを保っていますが、1968年盤ではぎりぎり150グラム。だいぶ軽い部類に入ってきます。このあたりのヴァイナル素材の違いが音に出ているかもしれません。

 
このようなことを気にしすぎると、大変なことに陥いるのですが(笑)、お店で「UKオリジナル」とうたって売られているレコードの中身は、この様に大きな差があるものが混在している場合もあるのです。
 ですから、まず買う前にはしっかりとレーベル面を確認し、親切な店でしたら、マザー/スタンパー刻印も知らせてもらうことで、かなり自分の希望通りのレコードを選別することができると思います。

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