青年期U 「ヘフナー・キャバーン・ベース」 の巻

  1994年、前述のグレッチ・カントリー・ジェントルマンを購入する時に、
 「
どちらにしようか」と散々迷った挙句、結局両方買うことになってしまったのが、
 この
キャバーン・ベースである。


 当時はまだ店などの店頭で買えるものではなかった。
 私も始めは海外から送られてきたとおぼしき写真で見せられたのである。

 ビートルズの写真集などで、ポールがヘフナーを持っている写真を見ていてすぐに気付くのが、
 「縦にロゴの入った、
ピックアップの寄ったヘフナー」の不思議な存在感である。
 普通ギターのピックアップは、ネック側とブリッジ側に離れて取り付けられている。
 これは音質に幅を持たせるためには
常識的である。

 しかしこのベースは、一つはネック寄り、もう一つは、
ブリッジから遠くはなれてボディー中央に取り付けられているのである。
 普通こんな所につけたら、2つピックアップがついている意味がなくなってしまうのではないかと不安になる。
 しかも、当時の古い「ビートルズ百科」には、「ポールは
自分でピックアップを一つ増設した〜」などと嘘がかいてあった。
 
しかもガムテープで貼ったと…。
 今思うととんでもない誤解である。
 彼は壊れたエスカッションを補強し、ピックアップが落ちないようにテープで貼ったのであろう。

 このタイプのヘフナーはもう売られておらず、まして本物があったとしたら
異常な高値になっていることは間違いなかった。
 それが、再び生産されると言う。
 しかも、その
bO001はもともとこのベースを世界に知らしめた「ポール・マッカートニー」に贈られたと言うのである!
(この話は本当かどうかは知らないが、ポールの「キャバーン・ライブ」のバックステージに、スペアとしておかれているヘフナーが一瞬映るが、それは
キャバーン・タイプであるのは間違いない。)

 こんな色々なエピソードがある楽器を、私が放っておくわけにはいかない。
 結局注文してドイツから取り寄せてもらうこととなった。

 数ヶ月後、(入手した時、
その足でビアガーデンに行ったので、7月頃だったと思う。)とうとう英国経由で送られてきた。
 私のキャバーン君のシリアルbヘ
0092
 単純に考えればポールがもらった?ものから数えて
100本以内に入っているのだから十分満足できる(?)。

 弾き心地などはどうだったかというと、私の1本目のヘフナーと比べるとネックがしっかりしており、
 音はピックアップのせいか、
異常に太く、大きかった。(多分前のヘフナーとは基本的に構造が違っていたのだと思う。)
 エンドピンがついておらず、
ストラップはポールがやったように金具で引っ掛けて使うしかなかったので、
 例の楽器屋の知り合いに
それらしいものを譲ってもらい、使っていた。

 今では専門店がオリジナルのストラップを売っているので、全く楽な時代になったものだ…。
 このベースはその後、
練馬の超有名楽器店W○thさんにおいてペグを「ラグビーボール型」に改造した。

 
※2005年に売却。元気に活躍していることを祈っている。