覚醒期 「リッケンバッカー4001ベースを入手」 の巻

 1993年の10月。
 いつもバンドの練習に使用している楽器屋の人から電話を受けた。
「ぜひ見せたい楽器がある。」
 とのこと。いそいそと出かけていったら、
 そこにはメイプルグローのリッケンバッカー4001V63があった。

 
 皆さんご存知の通り、この楽器はポール・マッカートニーが後期ビートルズの録音に使用したことで非常に有名な楽器であり、その独特の音と異様にごつい見た目が印象的な楽器である。
 
 4001の実物は何回か見たことはあったが、
 仕様が変更された70年代のものが多く、重そうなので欲しいとは思わないでいた。
 しかし、この楽器はまんまポールの仕様で造られており、
 (本当は少し違うが、この当時は気付かなかった。)
 弾いてみると思ったより弾きやすく、
 値段も何とかなりそうな(それでも正規輸入品で26万だった。)感じだったので、
 誕生日が近かった私は「自分の誕生祝に」と変な言い訳を考えて購入した。

 これもまた当時は身近に使っている人がいなかった。
 なのでやたらに見せびらかしたくなり、ライブの時には初期の曲(アイ・ソー・ハー〜)でもこれで弾くありさまだった。
 むちゃくちゃだ。

 ここに載せたものが、その楽器の保証書である。
 この楽器のシリアルbヘ
D6 8058で、93年4月製であることが分かる。

 この楽器はしばらくメインのヘフナーと共に使用したが、
 後述する別の4001の出現によって売却されるという悲しい末路をたどってしまった。
 
 ただし、まるで新品同様のまま売り出したため、
 次に買った方は非常に喜んでいたと、委託した楽器店の方に聞き、私もとてもうれしかった。
 
 彼ら(買った人と、そしてもちろん4001君)に
幸多からんことを祈る。