少年期 「リッケンバッカー360/12を入手」 の巻

 その昔、フジテレビで昔、深夜に放送された
アメリカン・ギター・ストーリー」を見た人は多いことだろう。
(その後ビデオ化されて販売されたので、今でも見ることができる。)
 その第1回はカリフォルニアは
サンタ・アナにある
 リッケンバッカーの工場
を写した内容だった。
 
 自称「
リッケン馬っ鹿ー」だった私は、
 テレビを見逃していたのでビデオ発売を待ち、 
 わざわざVHSを買ってまでして見たのだ(笑)。
 
 いまだに手作業で造られている楽器の数々・・・。
 職人により丁寧に磨き上げられる場面。
 一本一本弾いてチェックする工場長。
 ・・・全てが感動的な内容だった。

 それにもまして感動的だったのは、
 元
ザ・バーズロジャー・マッギンが、
 愛用の12弦ギターで弾き語りする
 「Mr.タンブリンマン」の場面
だった。
 
 彼は、自分のシグネイチャーモデルを抱きしめ、
 「
ギターの感触が大好き」などとかわいく語っていたが、
 何よりも彼の弾くリッケンの12弦の音は耳に残って離れなかった。
 (あれを見て「
12弦が欲しい。」と思わなかったら、
  それは
感覚が鈍っている証拠である。)

 私は迷わず、楽器屋に走った。
 しかし、当時のリッケンは値引きもなかなかできず、かなり高額な値段で売られていた。
 直前に4001V63を買って大枚をはたいてしまっている私には、
 1円でも安く手に入れる方法が必要だった。

 そんな折、市内に
ビンテージ・ギターを扱う店がオープンしたことを風の便りに聞き、
 何か情報が得られれば、と思い早速訪ねてみた。

 そこには、今までどの楽器店でも見たことの無かった
オールドギターが、所狭しと並べられていた。
 その店の眺めときたら…まるで私にとっては
宝石箱と同じだった。
 そこの壁には後述する名機の数々に混じって、新品のリッケンの360/12(色はジェットグロー=黒)が懸けられていた。

 しかし、ビートルズを愛する私としては、ジョージに敬意を払い
ファイヤーグローが欲しかった。
 そう店主に話すと、
 「数週間待てば、アメリカから直輸入できる、値段は市価よりも安い。」
 とのこと。
 ・・・すぐに契約した。

 さて届いたのは1994年3月頃だったと思う。
 シリアルbヘ
H6 6247。(’93年8月製造)
 昔、アコースティックの12弦を弾いたことがあったが、それに比して
弦高が異常に低く
 まるで普通の6弦ギターを弾いているような感じで弾けるのがすごい。
 ロジャーの言うとおり、弦が共鳴しあっているので
サスティンが長いし、
 弾き語りの
伴奏にはもってこいであろう。
 これを手に入れてから、数ヶ月は「〜タンブリンマン」を練習したのは言うまでもない。
 
(ただし私はバンドではベーシスト。
 この楽器は
人前にお目見えしたことは少ないのです。
 ほとんどバンドメンバーへの貸し出し用、ですな 笑)