2012年10月「信州戸隠ソロツー」の巻


 2012年10月10日。旧
「体育の日」である。
 お仕事は秋休みで、なんとか生み出した丸一日の年次有給休暇日。
 これは、バイクで出かけない手はないのである。
 朝9時、行き先に迷いつつも、とりあえず天気の良さそうな長野方面に向かってスタート。
 国道18号をひたすら西へ向かう。
 碓井バイパスをのんびりのぼり、軽井沢に入ったのが10時ごろ。気温は16℃。結構な涼しさ(寒さ?)である。

 服装は、下はウィンドストッパージーンズ1枚。
 上着は秋冬用に買ったジャケットに、長袖シャツ。ちょっと薄着過ぎたか?
 それでも、軽井沢を抜けて高度がさがると、ちょうど良い陽気になった。

 せっかくなので、
戸隠方面に向かい、うまい新そばでも食おう、と思い立ち、浅間サンルートに入り西へ。
 道沿いのリンゴ畑には赤い実がなり、田んぼではまさに稲刈りが行われていた。
 秋の風景全開の中を、のんびりとボンネビルは進む。

 上田の先で国道に再び合流し、ここからは北上をする。
 長野が近づくにつれて交通量も多くなるので、スピードが若干落ちるが、それでも平日の昼間。
 快適なライディングを楽しむことができた。

 長野市街に入り、まずは善光寺方面に向かう。
 その後、善光寺を右手に見ながら住宅街を抜けて北上すると、
 有名な「七曲がり峠」に出るのである。
 この峠は道幅が狭く大型車両は入れないが、バイクなら余裕で登れるのである。
 そして、ここから上った方が戸隠に早く到着するのである。
 車もまばらな峠は全く問題なく通過でき、
 そのあとは飯山高原を右手に見ながら森を抜ける快適ルートへ。長い直線に信号が皆無。たいへん快適である。
 
 昼前には戸隠に到着できた。
 どこに行こうか迷ったが、土日には規制で入れない「鏡池」まで登ってみることに。
 細い林の中の道をずんずん進んでいくと、鏡池の駐車場に着いた。
 結構人出もあって混んでいたが、車と車の間のスペースにちょうどバイクを駐輪することができた。

 さっそく、カメラ片手に散策。目の前には素晴らしい景色が広がっていた。

 背後にそびえる戸隠山を水面に映す池。
 もしも紅葉の真っ盛りに訪れたなら、どれだけ美しいだろうと、想像してしまう。

 しばし見とれていたが、
 団体で来ていたおばさまたちが、感動している私の背後で、
「息子の下宿にゴキブリが出てさあ…」
「長野にはゴキブリいないからねえ…」

などと、わけのわからない会話を大声でしているのには辟易した。もし本当に長野にゴキブリがいないのなら、ゴキブリ嫌いな私は長野に移住すべきだと感じた(笑)。

 さて、十分景色を堪能したら、小腹がすいてきた。
 池のほとりに、何やら山小屋風の建物が。
 近づいてみると、喫茶店みたいな作りになっており、名前は「どんぐりハウス」。
 旨そうな料理の写真が飾ってあったので、思わず店内へ。
 すると、店内にもまた別のおばはんたちが陣取って、大きな声でお話をしているので、店内のテーブルを辞めてベランダのオープンテラスに座った。
 メニューを見ると、そば粉で作るフランス料理「ガレット」がお勧めらしい。
 そこで、トマトとチーズのガレットをホットコーヒーと共に注文。
 すぐにこんな料理が運ばれてきた。注文を受けてから焼くので時間がかかると書いてあったが、人出が少ない平日は結構余裕があるということか。
 だされたガレットは、大きなお皿を隠すくらいの大きさがあり、
「本当に1人で食べきれるのか??」
と疑問を持つほどだったが、食べてみると、もちもちした食感と、トッピングされたチーズとトマトに、胡椒が効いており、あっという間に完食してしまった(笑)。
 これは本当に美味かったのでお勧めである。私もこれを食うためだけにでもまた来てみたいと思うほどであった。

 さて午後1時になり、おなかもいっぱいになったところで、鏡池を後にし、
 今度は戸隠神社へお参りしようと考えた。
 再びバイクにまたがり、林の中の道をさらに先に進んでいくと、
 あっという間に戸隠神社奥社駐車場にたどり着く。
 300円の駐車料金を払いながら、
「奥社まで何分くらいかかりますか?」
と尋ねてみると、
「片道40分くらいですね」とのこと。
男の早歩きなら30分だろうと勝手に計算し、
それなら暗くならないうちに帰れるだろうと判断、さっそく参道を登り始めた。

 地図でみると、奥社までは約2キロの参道である。うっそうと茂る神秘的な杉の巨木の中を黙々とのぼりはじめた。
 途中、白無垢、紋付きの結婚式とおぼしき人とすれ違う。こんな神社まで登って結婚式を挙げる御人もいるのである。確かになんだかご利益ありそうな…。
 最近ではこの神社、
縁結びのパワースポットとして紹介されているらしいのだ。私もお金と縁結びでもできればいいのだが(笑)。
 さらに登ること数百メートル。ここで日ごろの運動不足の影響が出始める。

 初めのなだらかな参道はいいペースでクリアーしたのだが、山門をくぐった後の後半戦は、だんだん坂もきつくなり、最後の石段部分はもはや息も絶え絶えである。
 「もういい加減、嫌や!」
と思うころに、ちょうど奥社の石垣が見えてくるあたり、この神社の位置が絶妙なところにあることを気付かせてくれる。

 せっかくなので、ちゃんとお参りしましょう。
 
 これが奥社の本殿である。
 後ろ半分が石垣状になっているのが面白い。
 人も少なかったので、ちょうど居合わせた女性客にカメラのシャッター係を頼まれたりしながら、私もお参りお参りを済ませた。
 
 おみくじでも引いてみるか、と、少し下ったところにある社務所に行く。
 すると、
「年齢を言ってください」とな。年齢によって引くおみくじが違うというのか?
 謎を残したまま取りあえず年を言うと、いったん社務所の奥に引っ込む神主さん。
 すると中から何やら祝詞をあげる声が…結構本格的である。
 もらったみくじを開いてみると、「末吉」の文字。しかし、内容はそれほど悪いものでは無かったので一安心(笑)。
 満足した私は奥社を後にし、参道を下り始めた。
 登りはつからったが、下りは快調である。どんどん下って、あっという間にスタート地点に戻ることができた。

 この時点でそろそろ午後3時が近づいてきた。夕方から群馬は天気予報が悪かったので、そろそろ帰り支度をしないと。
 バイクに再びまたがり、山から下り始めた。
 しかし、何か忘れているような気が…う~ん、何だろう…。

 しばらく走ってから、その忘れものに気付く。
「まだ、そばを食ってねえじゃねえか!!!」(笑)
 慌てて、道沿いにあったそばの店に入る。
 
 店の名前は「築山(つきやま)」。
 古民家風の、結構よさそうな店である。
 
ちょうど新そばが出始めたということで、
今回は「とろろそば」を注文。
すると、そばの実入りのご飯までおまけに付いてきた。こりゃあいいや。

 とろろをご飯にもかけたりしながら、新そばの味も堪能。
 池のところで食ったガレットと言い、今回は『そばづくし』ができて大満足。

 蕎麦屋を後にし、再び長野市に向かって「七曲がり峠」を目指す。
 夕方になり、車の通りはさらに少なくなったので、快適なライディングを楽しめた。

 長野市内でセルフスタンドに入り給油、
 国道から南に進み更埴インターチェンジへ。
 そこからは上信越道を使って松井田インターまで一気に帰る。
 
 松井田からは一般道に出て、夕方の帰宅ラッシュをちょっぴり味わいながら家に到着。

 
合計300キロ程度の、「ほどほどツーリング」であった。

 いよいよ秋本番。
 空冷バイクにとってはこれからが一番良い季節となるのだが、
 なかなかどうして仕事も忙しく、遠くにはいけなそうな雰囲気である。

 今のところ、次回のツーリングは11月の「八ヶ岳極寒ツーリング」が予定されている。
 教え子スッキン氏が良い『企業の保養所』を押さえてくれたので、
 どれだけ良いところなのか体験してこようと思う。

 それまでに、ちょっと欲しいのが「ゴアテックス系」の防寒ジャケットである。
 冬はただでさえ衣料の荷物が増えるうえ、カッパも必要となると荷物が多すぎる。
 もしゴアテックス系があれば、カッパの荷物が要らなくなるのだ。
 金がいくらあっても足りないが、
 冬のボーナスだのみにして、上・下セット防寒ジャケ/パンツが手に入れば、
 さぞかし冬のツーリングが快適なるだろうに…

 そんな妄想中のoyoyoであった。(次回に続く…)