2011年7月「一人旅で避暑ツーリング」の巻
 
 夏休み最初の完全休養日。
 家では外壁の塗装工事があり、家主がいては作業の邪魔にもなりかねない状況。
 さらに家族は親戚宅に出かける予定とな。
 
これは、バイクに乗らない手はないでしょ?
 ということで、暑い平地を脱出し、涼しい山にでも行こうと考えて、行き先も定めないまま午前9時に家を出発。

 天気予報では、北の方角は午後から雨模様とな。
 しかし、北に向かわなければ涼しい山には出会えない。
 まあ、午後までに山を通過してしまえばいいのだと開き直り、一路、倉淵経由草津行きを決断。
 いつものルートで北上を開始する。

 倉淵村を抜けたところで左折し、国道とは言えない国道406号で須賀尾峠経由を試みる。
 以前車で逆方向から上ったことはあるが、バイクでは初めてである。
 交通量がとにかく少ないので、狭い道ながらも快適にライディングできる。
 気温も、平地と比べて5〜6℃は低いのではないだろうか。入手したマックスフリッツのダクトジャケットが素晴らしい放熱効果を発揮しているのか、快適である。

 1時間30分ほどで草津の道の駅に到着。
 思ったほど混雑も無く、あっけないほど早く着いてしまった。
 せっかくなので、定番の花豆ソフトを食う。
 相変わらず美味いな〜(笑)。

 白根山方向を見ると、黒い雲が出ている。
 これは天気が心配である。もしかすると
避暑どころかびしょびしょになってしまうかもしれない。
 しかし、ここまで来てひるんでいても仕方がないので、行けるところまで登ってみよう、ということで、志賀草津高原ルートに突入。
 ちょっと上ったところで、御覧のとおりの霧である。
 しかし、なんとなく空には雲の切れ間も見える。期待をこめてどんどん進む。
 気温はぐんぐん下がり、避暑どころか寒いくらいである。
 白根の山頂付近に着くと、期待通りに霧が晴れていた。

 いつもは通過する駐車場であるが、今日は時間も決められていないうえに寒い道を上ってきたので運動したくなった(笑)。
 そこで、バイクを100円払って駐輪し、火口の湯釜まで登ってみることにした。所要時間は上り20分とか書いてあるが、そんなには掛かるまい。

 整備された登山道を登ること10分程度。
 あっという間に湯釜が見える展望ポイントに到着。
 昔はもっと近くまで寄れた記憶があるのだが、最近は危険を避けるためにこの場所までした近づけないのだろう。
 それにしても、硫黄泉分のせいだろうか、
相変わらず神秘的な色をした湖である。つい写真をたくさん撮ってしまった。

 さて、駆け下りるように来た道を戻り、バイクへ。
 ここから戻るか、それとも長野側に降りるか、決断が迫られる。
 見れば、西の方角が明るいようだ。これは長野県側には雨が降らないであろうと予測し、そのまま進行することに。

 予想通り、長野側では霧もまったく無く、車も少ない快適なライディングが楽しめた。
 途中2台ほど転倒車両の横を通過。
 そのうち一台はまだ転んだばかりの生々しい様子だった。お仲間がいたようなので止まらなかったが、やはりどんな時も安全運転だけは忘れてはいけないということを肝に銘じつつ。

 ちょっと下りると、お気に入りポイントの木戸池がある。

 以前にCB400でも同じ場所で写真を撮った気がするが(笑)。
 せっかくなので池をバックにして記念撮影。

 水面に映る緑が目に鮮やかである。
 今日は荷物がほとんどないのでシートバッグのみ。
 しかも、デジタル一眼まで持って出たのだ。
 ちなみにこれはデジ一で撮ったもの。→

 同じカメラといっても、レンズの違いによってずいぶん違うものである。
 口径の小さいコンパクトデジタルの解像度とはずいぶん差がある。
 画素数が少ないので、「買い替えか?」なんて思いましたが、実用的にはまだまだ使えるようだ!

 さて、
 ここらで昼飯時になったので、長野県側に降りたらすぐに何か食べようと決意し、ぐんぐん下っていく。
 山ノ内町まで下ったところで、午後1時。
 やっと昼食休憩。道の駅に止まる。

 迷わずざるそばと野菜てんぷらを注文。800円なり。

 まあ、そばは普通にそばだったが(笑)野菜は新鮮でどれも甘い!これはお勧め。
 そして、そば湯もちゃんと出てくるのでうれしい。
 あっという間に平らげた。

 山之内町から左折し、小布施方面へ。
 ここから菅平に登れば群馬に戻るのもあっという間なのだ。

 せっかく小布施を通るので、今まで行ったことのなかった
「北斎の天井画」のある寺へ。
 思ったよりもなかなか大きな寺である。
 (堂内は撮影禁止なので画像はない)
 その天井に、
「八方にらみの鳳凰」が描かれているのだ。
 100年以上前に描かれたとは思えないほど鮮やかな色彩が残っており、感動ものである。
 当時の最高の素材を使った証拠であろう。また、当時のこの地に、これだけのものを勧進できるような有力者がいたということの表れでもあり、信州の奥深さを改めて再認識。

 さて、菅平に登り始めたころにいきなりパラパラッと雨が降ってきた。
 カッパを着るほどでもないのでそのまま走行しているうちに、止んでしまった。
 まさに「馬の背を分ける」ような雨であった。

 途中、道沿いに「郷倉」(ごうくら)というのを発見。
 江戸時代に、村の年貢米を保管したり、飢饉のときに備えて穀物を貯蔵したりする目的で建てられたのだそうな。
 どうやらここに移築されて来たらしいが、なかなかどうして大きくて風格のある倉である。

 菅平まで登り切れば、いよいよ旅も終盤である。 そこから鳥居峠を吾妻方面に下る。

 吾妻まで出た後は、例の「八ツ場ダム」関連で造られた新しい国道を走行する。

 以前は吾妻渓谷沿いに狭い道がくねくねと走っていたのだが、新しい国道は長いトンネルや大きな橋でほぼ一直線に中之条まで出ることができる。
 まだ正式な表示が出ていないので、交通量も少なく快適である。
 
 以前、古い国道沿いにあった「麦とろ」屋が店じまいし、さびしい気持ちでいたが、今日新しい道を通ったらその
道沿いに新しい「麦とろ屋」が建っていた。もしかして、移転したのか??だとしたら、ぜひまた立ち寄ってみたい。最高に美味いのだ!

 中之条から倉淵村を通り、コンビニで小休止してから自宅にたどり着いたのが午後5時すぎであった。
 走行距離が265キロ、消費燃料は10リッターであった。
 計算上はリッターあたり26キロ。前回と同じ。安定した燃費である。