2011年5月「黄砂に吹かれて・・・ツーリングin富山」の巻
 
 毎年恒例となりつつある「GWツーリング」に出かけてきた。

 今年の目的地は富山県は氷見市である。
 漁師宿でうまい魚でも食おうというのがメインの、例によってグルメツーリング?である。
 今回の参加者はいつもメンバー(Y氏、S氏兄弟、すっきん、oyoyo)に加え、私の同級生であるZX氏も加わっての総勢6台であった。

1日目。

 6月で終わるらしい
「休日1000円高速」を記念に活用し、関越道→北陸道へと高速を使って移動した。
 途中、有磯海SAで富山名物「ますのすし」などを食しながら走ること7時間ほどで、氷見市にある民宿「うら屋」に到着した。

 あいにく、黄砂の影響か、空は曇り、立山連峰ものぞむことはできなかったが、目の前には砂浜があり、風情は抜群である。
 3時すぐにチェックインし、おのおの休んだり海を見たりしたのだが、そこですっきん君が「棚田」が近所にあることを民宿に貼ってあった地図で発見。(ある意味彼は
棚田マニアである 笑)
 せっかくなので、午後6時の夕食に間に合うように見に行ってこようということになり、宿の方に道順を聞き、2台でその集落に出かけてみた。

 宿から北に10分ほど進み、女良(めら?)というところで左折、細い山道を登っていくと、今度は長坂という名の集落にでる。そこに棚田があるというのだ。

 ついてみると、予想していた小さな田ではなく、一つ一つが大きい棚田であった。
 どこか全体が見渡せる場所はないかと、上に上に登って行ったら、かなり見晴らしのよい場所を発見。バイクを止めて歩いてみた。

 すると、ちょうど居合わせたその棚田を所有し、耕作している方にお話を聞くことができた。
 普段は下の集落にある田もやっているそうだが、昔は本当に道もせまく作業が大変だったことや、今でも手間がかかること、天気が良ければ棚田越しの立山連峰が美しく見えることなどを、詳しく教えていただくことができた。そのうちに奥様も加わり、「棚田談義」に花が咲いたのである。

個人所有の田んぼの畦まで入れていただき、写真を撮る。

 あまりの風景の美しさのどかさ、ふきぬけていく風の気持ちよさで、時間のたつのを忘れてしまいそうな場所であった。しばらく畦に座っていたい、そんな場所であった・・・。
 たまたま山菜の話になり、すっきんが「取れたての山ウドは旨い」というと、その農家の方が土手に生えていたウドをその場で切って分けてくれた。

 見ず知らずのわれわれにとても親切にしていただき、本当にありがたいことである。
 ウドは宿に持って帰って夕飯に出してもらうことに。

 名残惜しい気持ちをこらえながらも、6時の夕飯に間に合うように出発。 
 いつかまた、違う季節に訪れたい。すばらしい場所と人との出会いであった。


 さて、宿に帰り、さっと湯を浴びてから、いよいよ夕飯の時間である。

 まずは刺身とビールで乾杯!

 刺身はもちろん新鮮で最高である!
 日本酒を頼んだら普通に「八海山」。
 ついつい酒が進んでしまう。
 刺身はサワラ、クロダイ、カンパチ、ヒラメなどがわんさか山もり。

 それ以外の料理も見ての通り。
 ずわいがにもあるし、そのかにの身が入った茶わん蒸しも旨い!
 名物の「白エビ」のかき揚げは揚げたてで、これまたうまい!

 さっき棚田でもらってきた山ウドがさっそく酢味噌和えとてんぷらで出た。全く苦味などを感じさせないすっきりした味であった。
 さらに、葉の部分がてんぷらになって登場。あっさりした、独特の風味があり、大変おいしかった。
ウドというと苦いものと思い込んでいたが、全くそういうことがなく、
「人生で一番うまいウドを食べた」という感動があった(笑)。

 最後はなべ物が出たが、中には野菜やあんこうまで入った豪華版!!
 白米も、そんじょの安いコメではなく、粒の大きなしっかりした米で大変うまい。
 腹がいっぱいで苦しいところであるが、ZX氏が雑炊に仕上げてくれたのでこれを食す。
 これがまたあんこうの味が効いているのかめっぽううまい。
 私は体重も気にせず(笑)3杯もお代わりして食ってしまった。

 午後8時過ぎに食事終了。
 ついつい飲みすぎて酔いが周り、昼間の高速道走行の疲れもあってが、早めの就寝と相成った。



2日目。
 ※新しいデジカメ君2号機の新機能「スイングパノラマ」写真。
  カメラを横に移動させながら撮ると、勝手に合成してこんな写真に・・・(笑)

 前の日に寝るのが早かったので、朝早く目が覚める。
 朝風呂に入り、さっぱりしたところでちょっと宿の前の砂浜をお散歩。
 天気はすっきり晴れとはいかないまでも、昨日よりは暖かくなりうそうな予感。

 魚がいないかと堤防付近をふらつくも発見できず。
 ナマコは発見できた(笑)。

 7時30分から朝飯。
 こちらもおいしい干物やあら汁などが出て、
 ついお代わりをしてしまい・・・体重増加中。
 
 午前8時過ぎに宿を出発。
 まず昨日来た道を高岡市まで戻り、
すっきんのリクエストでもある
国宝の「瑞龍寺」を見ようということに。

 ZX氏のナビで進行し、寺の近くまで来たところでトラブル発生。
 ZX氏のバイクがエンジンスタートしなくなってしまったのである。
 ディーラーに連絡して対処中とのこと、連休中でもありこれは時間がかかりそうである。
 先に寺の駐車場をさがして動いていたわれらはしばらく待ちながら、ついでに寺の内部を参観することにした。

 瑞龍寺は加賀藩二代藩主の前田利長公の菩提寺として、三代藩主である義理の弟、利常によって建立された禅宗様式の寺である。

 造営は1663年までの20年間をかけてなされたのだそうな。江戸時代初期か・・・。
 平成9年に国宝に指定であるので、比較的新しい国宝といってよいだろう。

 まるで城のような広さの土地に、縦並びに大きな建造物が並ぶ。
 たいへん壮大な印象のある寺である。

 山門と、仏殿、さらに法堂が国宝に指定されているが 
 右の写真は山門の遠景である。たいへん大きな門だということがおわかりだろう。
 
 左の写真は仏殿の内部である。非常に凝った彫刻や、総欅造りの建物自体が独特な雰囲気を醸し出しているが、なんといっても珍しいのは屋根が「鉛板ぶき」になっていることだろう。

 昨年、金沢の兼六園に行ったときに、隣の金沢城でも鉛ふきの屋根を見たが、どうもこのやり方はこことあそこだけの独特な例らしい。

 加賀といえば前田氏であるから、同じ文化圏にあったということだろう。

 
 寺の四方は回廊でつながれてる。これもまた珍しい雰囲気である。
 一瞬、全く時代は違うのだがあの「法隆寺」の雰囲気すら思い浮かべてしまう。

 一番奥にある法堂に上がってみる。
 たいへん大きな建物である。建坪186坪だそうな!
 (うちの・・・8倍か 笑)
  
 内部には、前田利長の位牌が安置されていた。菩提寺だから当然か。

 横の方に行くと、このような土で塗られた天井の建物が。
 「大茶堂」というらしいが、多くの人が入って説法を聞いたりする時に使ったらしい。
 台所につながった建物なので、延焼を防ぐためにこのような土壁にしてあるのだそうな。
 一見すると寺というよりは「城」の内部のような雰囲気である。

 さて、寺の中を見終わってしまったが、ZX氏の状況は変わらず。
 同じ寺の別の入り口?にいるというので、近くのGSでブースターケーブルを借りて迎えに。
 すると、お寺の住職らしい方のお宅の駐車場で再始動を試みるZX氏を発見。
 そのバイクにもお乗りになるというお方が、この瑞龍寺の副住職様だそうな!(驚!)
 しばらく格闘ののち、軽トラのバッテリージャンプでなんとかエンジン再始動し、時間の関係で先に進むことに。
 エンジンを止めないように注意して、なんとかこれでバッテリーが持ち直してくれるといいのだが・・・。


※新機能なのでやたら使いたくなる「スイングパノラマ」(笑)による瑞龍寺の境内。しかし、水平にスライドするのは結構難しい。

さて、国道8号に出て、今度は滑川市の「ほたるいかミュジアム」へ向かう。
ここで富山ならではのお土産をゲットしようという魂胆である。
 走ること20キロほどで、目的のほたるいかミュージアムに。
 さすがにゴールデンウィーク。こんなマイナーな?施設も結構な人ごみである。
 できれば、ここでちゃんとした昼食を取りたかったのだが、レストランも混んでいてたいへんな状況。

 仕方なく、お弁当を買って済ますことに。
 私は「春うらら」弁当と、
 ボイルしたホタルイカ。

 これがなかなかの美味であった。ついでに買った豚汁は…。

 ここでいったんエンジンを切ったZX氏。
 しかし、再び再始動できず。
 ロードサービスを呼び、車のバッテリーとブースターの二重掛けでなんとか再始動。

 このままエンジンを切らずに高速に乗ろうと出発し、滑川IC手前のガススタンドで給油を試みるも、ここでもエンジンストップ。

 GSのバッテリーチャージャーで再始動を試みるも、できず。
 やむなく、帰宅する本隊と別れ、ZX氏と私、そしてすっきん氏が対応を試みることに。
 富山市の南海部品まで戻り、新品のバッテリーを入手し移植するも、最終的に始動せず。
 時間的に限界に達したため、私とすっきん氏は午後5時過ぎに北陸道に。
  ZX氏はバイクの陸送を手配し、
思わぬ形での「現地解散」となった。
  夕方になると、昨日はほとんど見られなかった立山連峰が、私たちに「さようなら」とでも言わんばかりに姿を現してくれた。昨日の棚田でこれが見たかったなあ。
 さて、
 夜の北陸道は思いのほか寒く、途中でくじけそうになりながらなんとか米山SAまで。
 ここで列に並んで暖かいラーメンを食す。これで元気が回復し、次の目的地を越後川口SAにして快走。

 気温も下げ止まり、最終の給油を済ませてから一気に群馬へ。
 途中の水上あたりは気温が一気に下がり危なかったが、かえって眠気を覚ましてくれたとでも言おうか(笑)。地元には午後10時30分過ぎに到着した。
 ZX氏も午前3時過ぎに自宅到着とのこと。思わぬ出費と時間がかかったのはお気の毒である。

 しかし、今回も素敵な人々と出会い、旨いものがたくさん食べられたのでよしとしよう!
 
 ZX氏の様に「こまめに点検整備をしていても、いきなり出先でこんな事態に陥ることの可能性」、を改めで知ったツーリングであった。
 自分自身も今後バイクの点検整備だけはこまめにやり、なるべく週一回は乗るようにして、異常に早く気づけるようにしなければ、と決意を新たにしたoyoyoであった。
 
走行距離:約850キロ(往復) これで3000キロ超えました!
平均燃費:23.5キロ/リッター 思ったより悪い?高速メインだとパラレルツインにはかえって厳しい。