2014年8月その2「日本のチロル、秘境ツーリングin信州」の巻
今夏第2弾は「秘境ツアー」。
8月24日(日)朝7時スタート。
今回の目的地は、「日本のチロル」と呼ばれる秘境、信州は下栗の里である。
まずは上信越道で松川ICまで。
途中、梓川付近で雨に降られ、カッパを着用するも、
駒ヶ岳あたりで雨はやみ、日も出てきたのでカッパを脱ぐ。
これならなんとか無事にたどり着けそう。
インター降りてガソリンを満タンにし、いざ。
松川から、大鹿村方面へダム沿いの県道を抜ける。
そして国道152号とぶつかったところから、南へ向けて走るルートである。
この152号が昔の「杖突街道/秋葉街道」とほぼ同じルートなのである。
大鹿村を南に走ると、あっというまに道が一車線に…。
これが噂の「酷道」なのだ。
そして最終的には地蔵峠で林道を迂回することになる。
この林道がまた見通しが悪く、しかも路面に落ち葉や砂利、泥、流水ときた。
走行にはかなり気を使うが、これも秘境ツアーならでは。とあきらめる。
峠を越えると突然道が広くなる。三遠南信自動車道の接続道路だ。
ここから数キロ走ると左に折れる道があり、そこが「日本のチロル」の入り口である。
途中に「命水」と書かれた湧水を発見。一休みする。
そこからさらに6キロほど山の細道を上っていくと、地元の方が交通整理をしてくださっている駐車場に到着する。
その目の前は「はんば亭」。今日の昼飯の場所である。
まずは腹ごしらえをしようということで、はんば亭の「天空そば定食」(これを限定手打ちそばにグレードアップ)を注文。
そばは手打ちの十割そば(に変更してもらった!)。
コロッケはここの特産「下栗いも」(こぶりのじゃがいも。味が濃厚)で作ったコロッケ。
漬物や煮物もみな美味し。
おやつに下栗いもの田楽を注文したが、
これまたホクホクして美味であった。
表面(皮ごと焼く)に塗られたエゴマと味噌の焦げる香りは、わが故郷の焼きまんじゅうを彷彿とさせた。
さて、おなか一杯になったところで、遊歩道に出かけよう。
林の中を20分ほど歩くと、絶好のビューポイントがあるのだそうな。
下栗の里を紹介する写真のほとんどはそこから撮られており、しかも、地元の方々が整備していてくださるので、
割と安全に行けそうである。杖代わりの枝をお借りしながら林の中を進む。
湧水の音を聴いたり、林の中を渡ってくる涼しい風を感じたりしながら歩いていくと、
建設現場のような足場が組まれた展望台が見えてくるのだ。
そこから、下栗の里を眺めると…まさにあの写真が。

感動的。
昔上空からこの村を見たパイロットが「あの美しい村はどこなんだ?」といってわざわざ訪ねてきたことがあったそうな。
そんな伝説?を信じてしまいそうな景色である。しばし時間を忘れて眺め入ってしまった。
山の向うから雲が近づいてくる。
あんまり長居していると、再び雨に降られそうである。
さて、またはんば亭までひき返し、時間は少し早いが雨を避けて大鹿村まで戻ることにする。
今夜の宿は大鹿村の北にある民宿「おより亭」なのである。
さっき通ったばかりの国道152を北に戻る。もちろん難所地蔵峠も逆向きに。
転んでは元も子もないので、慎重に走ることに決め、私はのんびりと峠を下った。
午後5時ごろ、大鹿村の宿に到着。雨はぎりぎり追いつかなかった。
指定された屋根の下にバイクを停め、いざ民宿へ。
おより亭は一日一組限定の「鹿肉が名物」の宿である。
聞けば、横浜にいたご主人が、趣味の猟を通してこの村と出会い
最終的には奥様を連れて移住して来たのだそうな。面白い経歴の方だ。
鹿はいま駆除してもしきれぬほどに増えており、
それを猟友会の方々が協力して駆除し、肉を売ったりしているのだそうな。
新鮮な鹿肉は臭みもなくとてもおいしいのだそうな。夕食が楽しみである。
まずは、ご主人が自分で作られた岩風呂で旅の汗を流す。
ボイラーも薪と灯油のハイブリッド型。さすがだ。
窓から見える深い山々の景色は最高。
車の音もせぬような静かな場所である。
さて、夕食の時間である。
ご主人自らが、炭火をおこし、料理を焼いてくれる。その他の料理はおかみさんが運んできてくれる寸法だ。

おすすめの地元の日本酒を飲みながら食す。
季節の野菜の炭火焼。
野菜の寿司(大葉/みょうがなす)。
鹿肉のカルパッチョ。
豆腐。
※地元の人気店の高級豆腐。すぐに売り切れてしまうのだそうな 。
野菜の天ぷらを山塩で。
最後にじっくり焼いた川魚の塩焼き。
そして追加に鹿の刺身。
先日磐梯で馬刺しを食した我々だったが、この鹿肉の刺身は驚いた。
トロトロで、味も濃厚。さらに臭みは全くない。
これが新鮮な鹿肉というものなのだな。
食べながら、ご主人は自分の狩りの話などをしてくださる。
どれも興味深い話ばかりで、聞き入ってしまった。
初めは鳥を撃っていたそうだが、
今では地元の人に重要な場所の分担を任せられるほどに
ライフルが上達したこと。すごいなあ…。
スコープをうまく調整すると350mでも当たること。
銃だけでなく、罠もつかって鹿を捕まえていること。
そして、
いかに工夫して鹿を無駄なく利用するか。
すべて、昔の日本人が暮らしていた原風景に近い。
その暮らしを、こうやって今でも続けている村が、
まだこんなに近くに残ってるのだなあ…と妙に感慨深く感じてしまった。
日ごろ、小銭を稼ぐことにこそこそしがちな私だから、
余計にこういう暮らしに心を打たれてしまう。
しかし、先ほどの下栗の里もそうだが、
本気でここで暮らすとすれば、そんな生易しい話ではないだろう。
ご主人もいう通り、まずは3年暮らせるだけの蓄えを作ってからでなければ、
農業に飛び込むことなどは不可能な話なのだ。
そんな話をしているうちに夜も更けていく。
ご主人も帰られ、私は持って行った司馬遼太郎を読み始めた。
しかし、昼間の運転の疲れだろうか、あっという間に睡魔に襲われてしまい、あとは何時に寝たのかも覚えていない体たらく。
しかし、鹿肉はほんとに美味かったなあ…
お休みなさい。
二日目。
朝から雨音で目覚める。
夜中じゅう降り続いたらしい。
これでは今日はレインスタート必須だな…と思いながらいたら、
午前時ごろにはやんでいた。ラッキーである。
朝食は8時からなので、それまで宿のまわりを見回ってみる。
手入れされた庭は、まさに自然の宝庫。
小さな花やバッタが出迎えてくれる。
雨粒にぬれてキラキラ光る葉は美しい。

さて、朝飯は定番なものだが、これもまたすべておいしい。
結局、ごはんとなめこの味噌汁をお変わりしてしまった。
御馳走様でした。
ぜひまたお邪魔した素敵な民宿であった。
結局、9時過ぎまで宿でのんびりしてしまったし、
雨の具合も心配なので、厳しい峠を走り静岡県側に下りることをあきらめ、
信州川に152号をたどってみることにした。
大鹿村から北に上るとまず分杭峠にでる。
中央構造線の上にある場所で、
磁場がゼロになっているパワースポットらしい。
bikeで走っている限り、
特に変わったことは無かったが、
腰痛が和らぐような人もいるそうな。
そこから峠を下っていくと高遠にでるが、
このくだりが霧で先が見えないのと、濡れたマンホールが満載で、
とにかく慎重に走らざるを得なかった。
少し雨にぬれながら高遠についたが、あいにく月曜日で店らしい店は定休日。
仕方がなので、そのまま杖突峠を進行し、諏訪まで出ることに。
幸い、高遠で止まっているうちに雨が止んだので、カッパは着用せずに済んだ。
諏訪に出たところで小休止。
ここが寒天の産地だというので、心太と暖かい甘酒を注文。体に暖かいものいれる。
※夏とは思えないほど涼しい2日間だったのだ。
せっかく諏訪に来たので、少しくらいお参りもしようということで、
下諏訪の春宮に立ち寄る。ここにはあの私の好きな「万治の石仏」があるのである。
以前は誰もいないような日だったが、
今日は平日にも関わらず結構な人出である。やはり夏休みだからか。
今回の旅が最後まで「よろずおさまりますように」と願いながら、
石仏のまわりを三周回る。これで願いが届くという分けである。
この神社は歴史も古く、建造物も国の重要文化財になっているので、
神社好きの同行スッキン氏も少しは満足できであろう。
さて、諏訪から国道142号で新和田トンネルを通過し、佐久をめざす。

大回りする上信越道よりも、
こっちの方がわたしはお気に入り。
途中で遅い昼飯。農家が運営するレストラン
「農ん喜」(のんき)さんで、
「村長カレー」なるのものを。
カレーに素揚げした夏野菜とソーセージが載っているのだが、
このソーセージがカレーよりも辛いというww。 でもこれもまたおいしかった。
最後に、近くにある日帰り温泉「穂乃香」で体を温めて軽井沢越えに挑むww。
大きな露店風呂に使っているうちに雨が降り出した。もうここまでくれば帰るだけだから気にしない。と思って風呂から上がると、また雨が止んでいる。
ラッキーなのか、ラッキーでないのか、よくわからん(爆)
帰りは一応カッパを着て高速に乗ったが、結局雨も降らず、予定通りに帰宅。
距離は予定よりもだいぶ短く600キロだったが、それでも「幻の景色」を見られたから良しとしましょう。
さあ、次のtouring企画まで、しっかりと働いて時間を作るぜ!!
