SHZE 117「"DIE BEATLES"(stereo)」の巻
"Die Beatles Die berühmten Vier Aus Liverpool"
Release:February,1964
SHZE117
Matrix No.:SHZE117A-1/SHZE117B-1
"HÖRZU" Press
モノラル盤でも紹介した通り、
ドイツ・オデオンと同じグラモフォン傘下のHÖRZUレーベル盤。
ジャケットも、モノラル盤と共用のジャケに、金色の「ステレオ」ステッカーを貼るだけという、若干の手抜き感覚が残るやり方である(笑)。
せっかくなので、今回は裏ジャケも載せて見た(爆)。
裏ジャケは、イギリス盤のようにただ厚紙に印刷したものではなく、
薄い光沢のある紙に印刷したものを貼りつけてあるのだ。
右上にわざわざ「ステレオ」という黒い帯を印刷しているが、これを印刷する気があるのなら、金色のステッカー貼る必要があるのか?という疑問もはらみつつ。
ただ、その黒いステレオ帯以外は、モノラルの裏ジャケと何ら変わらないという。
写真は、ビートルズを見に来たマーガレット妃の例の写真だ。
この写真が載っていることで、このLPがイギリスよりもだいぶ遅れて発売されたことが裏付けられるであろう。
モノラルの部で紹介した、「ANNA」の紹介文。
見えますかね?
「ANNA」の文字の下に「Paul」と書いているのが見えるであろう。
これが例の間違い部分である。
今回、あえてドイツ盤とUK盤のステレオで、
どのように「聴こえ」が違うのか、
あえて連続につなげて比べてみることにした。
UK盤は1964年頃の「ラージ・ステレオ」オリジナル盤である。
※録音はエディロール君で、
レベルは両者とも全く変更せずに。
それを「ドイツ盤→UK盤」の順に、
連続で聴けるようにした。
予想通り、著作権に関して警告が来ましたが、
なぜかこの動画の下にちゃっかり「iTune」の宣伝が。
こういうところがさすがである。アップル様は…。
それにしても、コンピュータが自動で曲を識別しているところはすごい!
恐れ入りました…
聴いてきただけば分かる通り、
ドイツ盤の音量よりもUK盤の音量レベルの方がかなり大きい。
しかも、UK盤の方が微妙にスピードが速いのである。
これが、UK盤の「音のかたまり感」「ノリ」を生みだしていると言えよう。
逆に、レベルを抑えたゲルマン盤の方は、
あえて圧縮を抑え、自然な音質にしたのであろう。
さらに、左チャンネルへのヴォーカルの回り込みは、
明らかにドイツ盤の方が少ない。
これが、
「ドイツ盤は音がクリアーだ」とか、
「UK盤よりも世代が上のテープから作られた」
とかいう都市伝説を生んだ部分ではなかろうか。
ぜひ、ヘッドフォンの右を外すか、コンピュータ内でLRバランスを操作するなどして聴いてほしい(笑)。
しかし、これが「元テープの違い」にまでさかのぼるのかどうかは不明。
聴き比べてみれば内容にそれほどの差があるわけではなく、
単に、
①ダビング時の操作の差か、
②再生する機器の性能の違いか、
③カッティングマシーンの違いか、
そんなレベルでの差異のような気がしてならない。
レーベルは、”HÖRZU”redレーベル。
モノラルと比べても、ただ左右の「STEREO」文字だけが追加されただけ。
オデオンに比べると、やはりなんだか工夫のない感じのレーベルである。
1966年以降になると、
ALLE RECHTE DES
PLATTENHERSTELLERS UND~
という、レーベル面縁にある著作権関係の注意書き文字が、
URHEBER UND LEISTUNGSSCHUTZRECHTE, BESONDERS~
という文字に変更されてしまう。
たぶん付属のインナーから推測すると64~5年盤であろう。