2004年10月その2「TwinReverb化粧直し」 編
↓こんなものを手に入れた。
上が新しく入手したツイン・リバーブのコントロールパネル。良く見るとロゴに「AMP」がついているのが分かるだろう。こいつは実は1968年からの仕様で、私の’71年型では省かれてしまったのだ。
如何せん、今までのコントロールパネルは酷使のため文字が消えかかるなど非常に見た目が悪かった。今回、ドイツの楽器屋でこんな部品を見つけ、購入してしまった・・・。(オーストラリアからとうとうドイツまで行ったか・・・)早速取り替えることにした。
しかし、良く出来ている。オリジナルと比べると、文字が若干太くは見えるが、違和感は全く無い。ボリュームポットなどの穴の位置もドンピシャである。たぶん、正規品を作っていた子会社などが製造しているのかも知れない。でもこんな部品、日本国内でも売っているのかなあ・・・。今までに見たことは無かった。
安全のために真空管を外し、シャシーをつっている4本のねじを緩めると、簡単にシャシーがフリーになる。それを、後ろ側から引き出すだけで、簡単にアンプ本体からシャシーが外れてしまうのである。
シャシーの内部を見てみると、ほとんど手が入れられていない様子が見える。色とりどりの内臓たち。うーん、渋い!!
まさに「ポイント・トゥ・ポイント」の世界である。
不思議なことに、そのコンデンサー等が付けられる基盤(なんていうんだっけ、名前・・・)がなぜか波打っている。熱で変形したのか、それとも下にある何かの部品よけにわざと曲がっているのか?
定かではないが、怖いので外さずにそのまま見なかったことにする。まさかと思うが、もし始めからこんな風に湾曲しているのだとしたら、えらく作りづらいに違いない・・・。
シャシーの底面に、こんなスタンプが押してあった。
「ワイヤリング M・TORRES(人名か?)AUG 21 1971」。まさに1971年8月21日に配線されたという証拠を発見したのだ!部品などから読み取った製造時期(6月ごろ)とほぼ一致しているのである。いまさら感動するほどでもないが・・・
このM・トレスさん?が最終チェックでもしたというのだろうが、33年前に配線されたものがいまだに完動品であることには感慨深いものがある・・・。
今の電化製品で、33年後まで動き続けるであろう物が、いったいいくつ身の回りにあるだろう?いや、ありはしまい。
「ヴィンテージ」とは、そういう奇跡を言うのである・・・。なんてね。
完成の図。
コンパネが銀色に輝いている。
こうなると、今度はシルバー・スパークルのサラン・ネットが汚いことが気になる。うう・・・。
サランは国内でも結構たやすく仕入れることが出来そうだ。いつかすっきりと取り替えたい。
また、雑音などがやや生じ始めたので、回路のOHもしてみたいところだ。数年前、VOXを直してもらった愛知の「ドクターミュージック」にでも相談してみようと思う。でもオーバーホールといっても結構数万円はかかるんだよねえ・・・。真空管は全とっかえのような気もするし・・・。もう少し様子を見るか・・・。
2006年12月 「ツイン・リヴァーブお色直し」 編
このコーナー久しぶりの更新である。
相次ぐライブなどで、ギター関係のメンテなどが滞ったと言うこともあるし、バイクなどほかの事に目が行っていたという嫌いもある。がしかし、やるときはやるのである。
この写真は71年型ツインリヴァーブ君の電源コードの惨状である。皮膜が既に劣化して破れ、中なかから3本の線がはみ出しているのがわかるであろう。さらに上の部分を見れば、黒い絶縁テープでぐるぐる巻きにされた姿も見えるであろう。そう、まさにこのコードは黒いミイラと化しているのだ。このコードを取り替えようと言うアイデアから今回の作業はスタートしたのである。
このコードを外すためには、まずアンプのシャシーを取り外さなければならない。今までに2回ほど外したことはあるが、今回は本格的にチェックや掃除をしながら進めようと決意した。
このコードを外すのにも苦労がある。
この写真のような「留め具」が施されているのだが、これがなかなか外れないのである。仕組みがわかれば簡単なのだが、いかんせん初めて見るものなので、壊さないようにそっとやらねばならないのだ。これはちょっと強くコードを挟むような力を加えてやれば、シャシーの穴から抜けてくることが判明。無事取り外せた。
部品の発注は国内外に及んだ。
電源コードは国内の部品販売店に注文。なるべくオリジナルスペックと近いものを選んだ。アース用の端子つきのものだ。2000円程度。
さらに、コーナー金具などの小物も、サビサビなので交換することにしたが、国内の店ではなかなか発見できず。以前フェイスプレートを購入したドイツの楽器屋に注文する。こっちは4000円程度か?今までは4つのコーナーのうち一つは紛失。他のコーナーもオリジナルでない怪しいねじでとめられており、さらにはアンプ下面はカバリングも剥がれてなくなっており、足も無い状態だった・・・悲惨だ。
ここまで来たら、一回バラバラにしようと、スピーカー、リバーブタンク、そしてサランネットも外す。サランネットがマジックテープで止められていたことを初めて知る。これならもっと頻繁に取り外して掃除すれば良かった…。
抜け殻にしたキャビ内を見てみると、シャシーがぶら下がる側の内側には、熱を防ぐ意味だろうか金属製の網が打ちつけられていた。今までは気付かなかった部分である。いくら「大量生産」をうたったフェンダーでも、このようなこまかな気配りがあったことがうれしい。
ジェンセンのスピーカーも外して磨く。製造番号からして1966年物の可能性もあり。たぶんオリジナルのスピーカーが壊れたために交換されたものだと思う。C12PSという形式番号がスタンプされている。現在のC12Nと同等のものだと思う。なかなかいい音をひねり出すスピーカーなので、交換などは考えずに素直にもとに戻す。
さて、回路などのコールド・ソルダー(ハンダが取れかかってしまった部分)の有無などを調べ、届いた電源コードを取り付ける。古いハンダがアース端子に山盛りになっており、若干苦戦するも、なんとか新しいコードをハンダ付けし、コード留め具は古いものを再利用してシャシーに取り付けた。
ついでに、気になっていたパワー管の青白い光にも注目してみる。
シャシー内にペアの真空管のバランスをとる「バランスポット」があるのだが、このアンプは改造されているらしく、4本の出力管のバイアスを一度に調整できるポットらしい。計器も無いため、バイアス電流がわからない。仕方なく、ギターをつないで弾きながら、一番不自然でないところに可変抵抗を決めて、シャシーアンプの箱の中に戻した。
数日後、ドイツから部品が届いた。
時期的にサンタさんのチョコがおまけについてきたのはご愛嬌である。実は、アンプを斜めに傾けて固定する「足」も新しくしたかったのだが、オリジナルにある「PAT.PEND」(特許出願中)の文字がないので、かっこ悪いからやめておいた。古い奴も磨けば若干光を放つようになった。
さて、まずはシャシーを吊っているねじと留め具を交換。その後、下側4つの角にコーナー金具を設置。(しかし、ねじ山が5〜6個死んでいたので、直してから。) さらに、今までなかった足も4個つけました。これで、アンプの底面が床に直接触れることも無くなると思う。
さて、全ての作業を終えてみてみると…
さほどきれいになったと言う感じでもない。さすがに、サランネットを張り替えればかなり見た目の向上はあると思うが、逆に経年変化でいい色になったネットを外し、まっさらなネットを張ることが果たしていいことだろうか?ちょっとぼろいアンプの方がかっこいいのではないか、とも思う今日この頃。
よく「アンプから雑音が…」とかいうのだが、最近あんまり気にならなくなった。ロッケンローラーたるもの、そんなケチなことはいわず、雑音をも巻き添えに鳴らせばいい、雑音まで含めてロックだぜ!!とか思ってしまうのだ(笑)。汚いくらいが何だ、汚いものこそ場末のクラブで酷使された、スーパー・ロック・アンプだぜ!と言っておこう。
見た目は劇的に変わったわけではないが、一応化粧直しを終えたツイン君。満足そうである。
2009年1月その2 「ツインリバーブちょこっと修理」 の巻
今回のテーマは「グリルクロス張替え」と「バイアス調整」である。
我が71年型ツインリバーブ君は、今を去ること10年前の1999年に中古で購入したものである。
マスターボリュームが追加される直前の仕様で、スピーカーは時代違いのジェンセン付き。この頃はシルバーフェイスのアンプはごろごろ売られていた。このときも3台ぐらいのツインリバーブが売られていたが、このスピーカーが決め手となって決めた。持っていた、’59ベースマンRe(10インチ4発のあれね)を下取りに出した。なぜあんなに綺麗なアンプを売ってこのボロを?という周囲のはてなマークをよそに、自分は満足であった。ライブでも、「サブ・アンプ」として使用したり、ピックアップつきのアコギをクリアーに再現できるので、重宝しているアンプである。
あれから10年…。真空管は全交換を終え、電源コードも新調、金属部品もあらかた取り替えたが、グリルクロスだけはあちこち切れたものをそのまま使っていた。しかし、寄る年波に勝てず、とうとう、クロスではなく本体(パーティクルボード製)のほうが割れて曲がってしまったのだ。
この機会に、自分でその枠を作り直し、そこに新しいグリルクロスを張ってみようと思ったのだ。
オリジナルの枠を外し、大きさを計測。厚さは0.5インチ。1センチ3ミリ程度か。しかし、近所のホームセンターにはそんな木材は売っていなかった。しかも、このアンプに使用できる大きさの木は一種類しかなく、それはこの「MDF」しかなかったのだ。これは、木材を繊維のように粉砕し、それを接着剤で固めて成型したものだろう。基本的にはパーティクルボードの仲間か?いいやこれで。1.2ミリ厚のものを購入した。
ドリルで穴を開け、そこから細いのこで直線を切り出してみた。いや、素材が素材だけにあっという間に切れてしまう。曲がってしまった部分もあるが、どうせ見えなくなるのだから気にしない。
さらに、この木枠に黒塗装する。
普通なら、ちゃんといい塗料を購入して塗るのだろうが、お金が無いのでたまたま持っていた「車のシャシーブラック」を使用(爆)。くさい。シンナー臭い。しかし、これも数日放置したら収まった。
次は、もとの木枠からエンブレムを取り外し、同じ位置にねじ穴を開けておく。柔らかい材なので、ねじ穴はすぐになめてしまいそうである。そこで、この前購入したねじ穴強化剤「タイテン」を投入。これで少しは強度が増すだろう。しかし、エンブレムを取り外すような事態は今後10年は起こってほしくないものだ(笑)。
ここまで来て年末年始に突入。作業を一時中断したが、いよいよサランネットも届いたので作業再開である。
届いたのは最近のシルバーフェイス用と思われるモデル?で、昔のものと比べると、ネットの編み方や網目の大きさが違う。ま、自作のバッフルに使うのであるから、変化があったほうが面白いだろう。
使う道具はこの青い「タッカー」。木材にホチキスの芯のようなものを打ち込む道具である。今後使うこともなさそうであるが、安いので購入。ベルクロ(マジックテープ)は、ネットの木枠をアンプのバッフルに固定するもの。古いやつは劣化し、硬くなってうまく着かないので、新しく付け直すことにしたのだ。
まずは、木枠の上の一辺にネットを仮止め。
その反対の下辺方向にネットをひっぱりながら、タッカーで少しとめていく。これで変なたるみは出ないであろう。
ぴんと張れたら、今度はサイドの2辺をこれも引っ張りながら止めていく。均等に引っ張らないと、ネットの網目がすごくゆがんでミットもない。これは意外と難しかった。プロってやっぱすごいな。こんな地道な作業をてきぱきこなすのであろうから…。
何とか我慢できる状態に網目が整ったら、最後に仮止めしていた上の辺を一旦緩めて、最後にもう一引っ張りして、タッカーでしっかりと固定。あまった部分のネットを切り取った。
エンブレムのねじ穴をネットの上から手探りで探し出し、ロゴを固定。
さらに、枠の後ろ側にマジックテープの片方を固定。アンプ側にももう一方を固定して、作業終了。
⇔使用前/使用後の画像をどうぞ。
マウスを乗せると、新しいアンプに生まれ変わります!
こんな感じになりました。
端っこの方はちょっとゆがみが残ってしまいましたが、切れてボロボロと引き分けってとこでしょうか(笑)。見た目が明るくなった感じで銀色のキラキラがたまりません!
さて、見た目が向上したところで、今度は音のほうに…
右の画像が、今回入手したバイアス電流測定器。
その名も「バイアスマスター」君フロム・ジャーマニー。説明書もすべてドイツ語と英語である(泣)。
要するに、この黒いソケットを出力管(ツインの場合は6L6GC)とアンプ本体の間に挟んでセットし、アンプが動いている状態で計測できるという優れものなのである。同時に4本計れるキットを購入。今までは高くて手が出ないと思っていたのだが、これもいわば「円高効果である。
さて、早速アンプからシャシーを抜き出し、マスター君をセッティング。
電源を入れて、5分間スタンバイのまま待機。真空管が暖まるのを待つのである。
電圧などが安定したところで測定開始…が・・・なんじゃあ、こりゃあああ!!
2年前頃に自分の勘でセッティングしたバイアス。
なんと、「低すぎ」でした。
ものの本によると、6L6GCの適正な電流は35mA辺りらしい。それなのに、私のは10mAぐらいしか上がっていなかった。しかも、3番管だけがやたらに高い。ここだけ12.5mAとか言っている。これは抵抗などの回路に何らかの異常が起きている証拠だろう。
とりあえず、まずは適正な値まで上げてみる。
3番だけが高いので、それが適正値をオーバーしない程度に。
すると、1,2,4番は24mA程度にそろっている。う〜ん。
悩んだが、それほど歪ませるような音作りを狙ってるわけで無いので、このあたりで様子見をすることに。
ギターをつないで音を出してみると、明らかに前よりも音が大きく太くなった。これがバイアス調整の効果というものか・・・。
3番だけが異常に高くなるのは、たぶん真空管のせいではなく、そこにかかっている抵抗の値などが狂ってしまったからだと思う。
お金が無いので、すぐにオーバーホールというわけにはいかぬのだが、近いうちに一度びしっと治してあげないと、他の部位にも危険が及ぶかもしれない。心配である。
原因はまったく分からないが、4番管の裏の抵抗の値だけがちょと高くなっている(ほかは1KΩなのに、4だけ1.5kΩ)。これが3番により多くの電流が流れてしまう原因かもしれない…。
※ちなみに、ツインリバーブシルバーフェイスの回路図(aa769)を見ると、バイアスポットの部分は左右のバイアスのバランスを取る「バランスポット」なのだが、私のアンプはすでにこれが「バイアス調整ポット」に変更されているようだ。だれがいつ改造したのか知らないが、便利でありがたい。
今後の課題としては、3番管の異常の原因解明とともに、回路を変更して「ブラックフェイス」期の回路にしてみるということであろう。
今後にも乞うご期待!
2009年1月その3 「ツインリバーブ・リキャップ」 の巻
勢いにまかせてツインリバーブの修理を継続中。
今回は「電解コンデンサー交換」と「抵抗交換」である。
いろいろ調べては見たが、専門店にオーバーホールに出すと部品代別でも3〜4万円が相場。
そんなお金は無い。息子も4月から小学生。ランドセルに机に、出費の嵐である。
こうなりゃ、部品だけ自分で買って回路図片手にやるしかない。そう決意した私は、とうとうフェンダーアンプの内臓に手をつけることとなったのである。
そもそものきっかけは、パワー管のバイアス調整をしたところ、どうもうまく揃わないということから始めたのだ。調べてみると、グリッド抵抗などがそろっていないことが判明。それを詳しい人に聞いたところ、
「抵抗を変えても無駄。球が狂ってきているだけ。」
とのこと。真空管とはそのようなものらしい(笑)。しかし、今後、マッチングの取れた球を買ったとしても、抵抗などの値がばらばらでは、同じ現象を繰り返すだけである。そこで、出力管4本の抵抗をすべて新しくしてそろえることにしたのだ。
また、その抵抗よりもさらに音質に影響を与えそうなのが、「電解コンデンサーの劣化」だそうだ。
アンプをどれだけ使ったかにかかわらず、時間の経過とともに劣化してしまうのがこれらしい。特に60年代70年代に使われた「アルミ電解コンデンサー」は、5年や10年で確実に本来の性能を発揮しなくなるらしい。せっかく回路に手をつけるのであるから、これも交換したいところである。
電源部分にも5つの電解コンデンサーが使用されているが、(特に大きなノイズが出ているわけで無いので)こっちは今回は後回しにして、プリアンプ部分の「音に影響しやすそうな」コンデンサーを取り替えることにした。
まずは、抵抗。
長持ちするので金属皮膜の、耐圧の高そうなものでも良かったのだが、ついつい見た目に引かれて(笑)アレン・ブラッドレーのNOSを購入してしまった。1500Ω(0.5W)を4本と、470Ω(1W)を4本。送料もしめて1800円である。
これを出力管のソケット上に設置する。
次はコンデンサーである。 70年代のツインリバーブの回路図(AA270)を見ると25μF/25Vという値の電解コンデンサーが6つ使われている。トレモロの回路にも5μF/25Vというのが一つ使われているが、これを25μFにしても問題なかろうということで、合計7つ購入した。ついでに、バイアス回路上の50μF/70Vというコンデンサーも交換することにして、耐圧がやや高い50μF/100Vというコンデンサーも追加。すべてスプラグのアトムである。こちらは送料等合計で5518円。う〜んちょっと予算オーバー。ま、今後10年は交換無しと思えば仕方ないか。
次に部品の取り外しである。
シャシーを取り外し、真空管を抜いて、古い部品を取り外していく。
コンデンサー類は、アイレットのハンダを溶かせば簡単に抜けてくる。
抵抗の方は、真空管ソケット裏で手が入りにくいばかりか、配線が入り乱れている場所なので思いのほか手間取った。1500オームの一本は取るときに簡単に折れてしまった。真空管の発する熱によって劣化していたということかも知れない。
なんとか、すべての交換部位を取り外したが、謎が…。
回路図では、6本あるはずのコンデンサーのうち一本が無いのである。取り外されたのか?しかし回路のハンダにはいじられた痕跡がないのだ。もしかしたらこれでオリジナルなのか?
これがオリジナル状態の抵抗の配置である。
小さい1500オームがソケットの上を這うように横切り、それと交差する470オームはこれまた熱の影響を受けそうなソケット上に置かれている。
今回は、まずこの470オームをソケットから外側に逃がし、熱の影響を受けにくくさせて、さらに下の1500オームは足をすこし残してソケットから離して設置しようと思う。
まずは、1500オームの足を曲げ、高さをかせげる形状に。
それをソケットにハンダ付けしていく。なかなか手ごわい位置にあるのだが、590氏にいただいた貴重な「100均」ハンダのおかげでうまくインストール終了。
さらに今度は、470オームを設置。
こいつも、足を角度をつけて曲げ、ソケットから外側に抵抗本体がはみ出すようにハンダ付けしていく。こうすれば、1500オームを高く設置しても干渉しないのだ。
こっちは手が入りやすい位置にあるので、あまり時間もかからずに終了。
テスターで導通を確認。ぶじに着いたようである。
次はコンデンサーの設置である。
外すときは、アイレットを熱し、ハンダを溶かしてから、まずコンデンサーのプラス側の足を引っ張って抜いた。これは至極簡単。
その後、マイナス側の足も同じように引き抜く。こうすれば、他の配線をまったくいじることなくコンデンサーだけを引き抜くことが出来た。
問題は取り付けである。
一度ハンダを溶かしたことにより、狭いアイレットホールの中でいったん自由に広がった配線くんたちが、新しい仲間を受け付けてくれないのである(笑)。同じ仲間なんだから、ケチらずに仲良くしてくれればいいのに…。
まず、コンデンサーの足を適切な長さに加工し、比較的簡単そうなプラス側からハンダ付け。トレモロのところも、そして、回路図にありながら私のアンプにはなかった「第6のコンデンサー」も増設してみることに。こちら側はなんとか無事に終了。
問題はここから。ただでさえ狭くなって入りにくいアイレットに、片側が固定されたコンデンサーの足を突っ込み、動かぬように押さえながら、さらにそれをハンダ付けする・・・同時に3つの作業をせねばならないのだ。これには参った。
とちゅうから、アイレットに足を通す、という発想を捨て去り、ハンダを盛りながら固定しようと決断。取れたら取れたで、再挑戦すればよい。自分のアンプなのだから、見栄えは気にすることは無い。(とうか、誰もこのアンプの中身なんて見る機会はないであろう。)ようやくすべてのコンデンサーを固定し、テスターで導通を確認。なんとか大丈夫である。
バイアス回路のコンデンサーも交換する。
古い方は、長いリード線を利用してそのままアースに結線している。これを外すのは非常に面倒だし、手間がかかるので、アース部分だけを残して切り取る。新しいコンデンサーの足は必要な長さだけにして、残されたアース線とアイレット部分で接続。これなら簡単だ。
これですべての作業を終了。
さっそく真空管を戻し、バイアスを確認してみるが・・・
やはり最初の指摘どおり、ばらつきは真空管の劣化であることが判明。
※抵抗の交換前よりは良くはなったが、根本的解決には至らなかった。 しかし今後はマッチングのしっかり取れた管を入れ替えることで、さらに安定した動作を確保できるのではないかと期待している。
ギターをつないで音だししてみるが、バイアス調整の効果ともあいまって、音量の向上・・・ヴォリューム3が屋内での限界(笑)
ピッキングニュアンスの向上・・・反応が良くなったと言うべきか。
トレモロ動作の向上・・・しっかり深くかかるようになった。
などの効果が見られた。
頑張れば、部品代1万円足らずで、なんとかここまではメンテナンスが出来ることが分かった。
だんだん回路が面白くなってきたoyoyo。
次回は電源部分のコンデンサー&抵抗も交換したいと思ふのであった。
2009年2月 「ツインリバーブ真空管交換」 の巻
抵抗を変えてもやはりバイアスがそろわないので、いよいよ真空管を交換である。
今回も「安い」「早い」のエレクトロハーモニックスである(笑)。
マッチングペアを2組、つまり、マッチングクワッドで6L6GCを購入したが、これで送料サービスの6千円である!激安!!基本的に球は消耗品であるゆえ、安定供給されることが第一条件。ギターアンプにいくら貴重な真空管を費やしても、「金の切れ目が縁の切れ目」になりかねぬ。エレハモで音作りをしておけば、しばらくは「弾切れ」ならぬ「球切れ」の心配をしなくて済むのである。
さて、またもやフェンダーツインリバーブのシャシーを取り外す。
新しい真空管のバイアス調整である。
4本の出力管のうち、外側2本と内側2本をペアにして挿す。もちろん、バイアスマスター君も挟んでおき、バイアス電流を計測するのだ。
右の画像が計測結果である。
1番から順に、30.3、27.6、27.6、29.5mAと出た。
ペアリングは1と4、2と3になってるのだから、2・3番は完全にマッチングし、1・4番も誤差は0.8mA。僅差である。
あるサイトでは、「5mA程度の差ならなんとかいける」見たいな事が書かれてもいる。最大と最小の差が2.7mAであるから、きっとこれで大丈夫であろう・・・と思い込むことにしてシャシーを戻す。
さて、実際に音を出してみる。
バンドの練習日に、スタジオまで、持ち込んでのサウンドチェックである。
2時間、電気を通しっぱなしでギターを弾いたりするが、とくに雑音もなく、いたって安定している。ギターの音のほうは、倍音成分がより加わったような、きらびやかな音色になっている。これも真空管が元気な証拠かもしれない。
これで、昨年12月から始まった、「ツインリバーブ再生プロジェクト」の一応の完成を見た。
1 ネットの張替え
2 内部回路の点検交換
3 真空管交換とバイアス調整
この経験を生かしながら、他のアンプにもまたさらなる愛情を注いでいきたいと思うoyoyoであった。
ちなみに、このアンプは3月のライブでステージに復活する予定である。
遠慮無しで大きな音で鳴らしてみるのが今から楽しみである。
2011年11月「アキュトロニックス/リバーブタンク交換」 編
しばらく前からツインリバーブの「リバーブ」のかかりが悪くなり。
いろいろ調べてみたのだが、原因が特定できず。
キャビネットを叩くと「ピシャンピシャン」言っているので、回路的に壊れているのではなさそう。一番疑わしいのが、リバーブタンクと、そこに行くケーブルである。
せっかくなので、リバーブタンクを始めてバッグから取り出し、
※今まで開けられないようにタイロックで口が縛られていたので(笑)。
誰がやったんねん、こんな修理!!
よく調べてみようと。
すると…おや、なんだか変だぞ・・・
ばねが一本しかあらへんやないかい!!
私の知識が正しければ、
このばねを音声信号が通ることにより、リバーブ効果が発生し、
それを通常の音声信号に混ぜているのだと。
その重要部品が片っ方なくていいなどという話があるのだろうか。
しかも、
品番を見ると(スタンプが消えかけで見えにくい)4EB3C1Bとある。
これは、アキュトロニクス社のHPで見ると、
4=長さ(長い方のタイプ)
E=入力が600オーム B=出力が2250オーム
3=ディケイ・タイム…3秒ということか?
C=コネクター・タイプ
1=ロッキング装置(ばねを固定する装置)なし
B=ベース・マウント(床に設置)ということか?
という意味らしいのだ。
しかし、ネットで調べると、ツインリバーブに適合する本来のタンク品番は「4AB3C1B」でなくてはならないらしいのだ。
入力のインピーダンスが8オーム。今の600オームとでは大きな違いがあるはずである。
そこで、中古でその8オーム君(4AB3C1B)を入手。この銀色の方がそれである。
同じイリノイ州のアキュトロニクス工場で造られたらしいが、上の古い方はGENEVA工場。下のはCARY工場である。
若干の仕様変更はあるが、基本構造は全く々と見た。
見ての通り、今度のやつにはちゃんと2本のばねがある。
見たところ、汚れやへたった感じがないので、未使用の交換部品=NOS(新古品)かも知れない。4000円程度で見つかったのはラッキーか。
さっそく、交換して音を出してみることにしよう。
普通はこのユニットは木の板の上に乗せられて、それが黒いバッグに入れられて床に固定されているのだが、私のユニットにはなぜか白い発布スチロールの台がついていた。
大きさなどもぴったりに造られているので、自作のものとは思えない。
時代によって、固定方法がいろいろあったということか、
さもなくば、古い方のユニットはこのアンプについてきたモノではなく、別のアンプなどの流用品だった可能性もある。
ただ戻すのでは芸がないので、
このバッグをちょっと改造。
先述のとおり、このバッグの口はなぜかタイロックで締められていたので、開けるときに切ってしまった。
そんな開け方はいやなので、口の部分に「スナップホック」をとりつけて、開けたり閉めたりできるようにした。
※これは以前(2009年5月)カントリージェントルマン君の「バックパッド」を補修した時に使った残りである。そんな無駄知識も役に立つ時が来るのだ。
ついでに、アンプのキャビネット底に取り付けるねじも止めて、
その部分にスナップホックを。
これで「ワンタッチ」でリバーブタンクが取り外し/内部点検できるようになったのである(笑)。
※世間の方から「だからどうした」という声が聞こえてきそうである。
さて、実際に音を出してみると、
明らかに以前よりもディケイタイムが長くなり、リバーブのかかりが良くなったのである!
・・・しかし、リバーブ効果なんて、実際ライブなどでは使わんと思います。
まさに「自己満足/自己完結」の世界ですな。
タンクなんて、こうやってしまっちゃえばもう見ることもないでしょうし(爆)。
しかし、かかるはずエフェクトがかからないほど嫌な気分のものはない。これでぐっすり安眠することができるであろう(笑)。
2011年10月「秋の工作:ツイン・リバーブのコンデンサー交換」 編
先輩の590Guitars氏が手に入れたツインリバーブのコンデンサーを交換したのを見ていたら・・・
”590Guitars氏のブログ”
「はんだのにおいを嗅ぎたい症候群」に襲われ。
結局、アメリカから新しいコンデンサーをいくつか調達し、
それをつかって私のフェンダー君(’71年生まれ)もコンデンサー交換に打って出たのである。
まずはこれが交換前の内臓。
今回取り替えうとしているのは、
音声信号が通り、音質に影響が出そうな部分である。
一番右にある青いコンデンサーを始め、
そのとなりのやけに丸い形の茶色、
さらに、出力部分の一番左の3つなど、合計10個のコンデンサーを交換である。
さらに、今回はチャンネルごとにコンデンサーのタイプを変えてみるというオプションも用意。
右側の青・茶色2つのセットが「ノーマルチャンネル」用のコンデンサーなので、
今回はこっちを「オレンジ・ドロップ」で統一。
たぶんクリーンな音になるのではないか?という予測である。
そして、右から4つ目の青と、丸い茶色、小さい茶色の3つが「トレモロ・チャンネル」用である。
こっちは、よりヴィンテージっぽい音を狙って「マロリー・タイプ」で統一。
一台のアンプを2台分に使おうという魂胆である。
一番左の3つは出力部なので、安定感を狙って「オレンジ・ドロップ」で揃えるというやり方である。
実はセラミックディスクコンデンサーの代わりのマイカ・コンデンサーも用意したのだが、
今回は「音色の変わり方」を確認するため、それらはそのまま残すことにした。
さて、以前に電解コンデンサーを交換した経験があるので話は早い。
本体からシャシーだけを抜き取り、床に置いて安定させる。
※こんな作業が椅子に座ってできるようなワークベンチ環境が欲しい…。
そして、はんだごてを使ってアイレットのはんだをゆるめながら一つずつコンデンサーを交換している。
一点を見つめながらこれをやっているうちに集中力が高まり・・・アッという間に10個交換完了!
この作業ってボケ防止にも効果がありそうである。
さて、
これが交換後の内臓である。
一番右にオレンジドロップが3ケ。
右寄りに白いコンデンサーが3つ。
これがマロリー・タイプである。
真中あたりに一つと、
一番左寄りに3つ。これもオレンジドロップ。
こんな風に交換出来た。
音のチェックをしてみようと、
すぐにキャビネット内にシャシーを押し込み、
電源を入れて真空管を温める。
待ち時間にギター選び。
結局エピフォン・カジノを選んで接続。
とりあえず変な雑音・ノイズなどは無い。
まずはノーマルチャンネル。
期待どおりの「クリーントーン」である。
以前よりもどうこう言えるほど、まだコンデンサーの「慣らし」ができていない状態だが・・・
これだけは言える・・・明らかに音が太い!
さらに、トレモロ・チャンネルにつなぎ直す。
ノーマルチャンネルよりも若干音量が大きい。なぜだ?
それはさておき、こっちも音質が変化。
以前よりも「暴れる感じ」の音。ノーマルチャンネルよりもさらに太い音である。
コンデンサーの「バーン・イン」(ならし運転と言ったところか?)は約30時間はかかるそうである。
純粋にこのアンプで30時間ギターを弾き終わるのは・・・数か月先の気がする(笑)。
まあ、それまでにはさらに交換の結果が明らかになるとは思うが、
今の時点でもこれだけの差を生むというのは驚きであった。
というわけで、「秋の工作」と称してアンプいじりに数年ぶりに復活したoyoyo。
実はこの後、VOX AC30の作業にも取り掛かろうとしている。
一度はまると抜けられない「はんだ臭」・・・。
なにか麻薬的成分が入っていそうである(笑)。