2004年6月「VOX・AC30/6をAC30/4に!」 

 左の写真は何かというと、VOXの’64年型AC30Bアンプのコントロールパネル部である。
 前に書いたとおり、私は初めてのVOXアンプを買うときAC30Bなる
ベース用モデルを買ったのである。
 初めは、「ベースもギターも弾けるしなあ」ぐらいの判断力で買ったのだが、どうも音が気に入らない。こもっているのである。アメリカから配線図を手にいれ、見た目上は普通のAC30の回路にしたのだが、あまり劇的には変わらず、結局’63年型
AC30Nの出現により出番を奪われた悲しいアンプである。

 何でこんな分解された姿になっているかというと、今回せっかくのこのアンプを手入れし、
「使える」アンプに仕上げてやろうと思ったのである。といっても、私はそんなに電気回路に詳しいわけではないので、もちろん他人の手を借りてのことである。

 AC30が発売された経緯は、洋書
「The VOX Story」という本に詳しく書かれている。(この本、全部英語。しかもかなり高かった。が、マニアは買う。)簡単に言うと、アメリカからイギリスにフェンダーの「ツイン」アンプが輸入され始めると、(この当時、イギリスの関税がバカ高で、マジで買えない値段だったらしい)国産アンプであるVOXのAC15を使っていたユーザーから、「VOXもAC15をツイン化して30ワットにパワーアップしてよーん」的要望が出されたらしい。
 アンプ設計者のディック・デニー氏は、AC15のパワー部の真空管をEL842本から更にパワーのあるEL34に変えてみた。しかし、音はでかいが倍音などの音楽的要素はいまいちだった。仕方ないので
EL84を4本に増やして、AC30 Twin(AC30/4)なるアンプを完成させたのである。
 こいつは、インプットが後の定番「3チャンネル6個」と比べて「2チャンネル4個」だったので、AC30/4といわれているのだが、本当の違いは、それだけではない。実は、プリアンプ部の真空管が違うのである。
 AC30/4は、はじめAC15譲りのプリ管
EF86を使用していた。こいつは大変センシティブで、ギターに非常によく反応するだけでなく、高い増幅でファットな音を出す要因だった。しかし、振動に弱く、トラブルも多かった。そこで新しいAC30/6では、ECC83(12AX7)という、今ではアンプに一般的な真空管を使い、値段を下げ、耐久性を増したのである。信頼性は増したが、音まで変わってしまい、ユーザーから「これ違うんじゃない?」的苦情が多く出たらしい。そこで、デニー氏はこの苦情に対応するため、ついにあの「トップブースト回路」を発明し、後付するにいたったのである。いわば、苦肉の策が当たったわけだ。
 でも、考えてみると、もともとディック・デニー氏が狙った音、あるいは、ビートルズ以前のバンドがあこがれた音はAC30/6のそれではなく、AC30/4の音に近いということになる。いわばそれがVOXアンプの
「理想的音」なのである。こう聞いたら、試してみないわけにはいかないじゃないか!2台のうち一台を提供して(どうせ使ってないんだから)、EF86サウンドを体験してみようじゃないか!そう考えたのである。
 今回、アンプを改造して
くれる人が海外に見つかったので、アンプをばらして送ることにした。パワー部は同じでいけるので、プリ部だけを回路変更すればよいのである。コントロールパネルも、昔の実物から採寸して再生産したツワモノらしい。さて、どうなるか、結果はこのコーナーで紹介したいと思う。


 EF86真空管を入手した。AC30/4の肝(キモ)である。今回もいつも買っている秋葉原の真空管屋からゲットした。Mullard社・イギリス製である。箱からいって、そんなに古くはなさそうだが、最近では白箱(軍用とか、商社がつけた偽者箱)が多いので、ちょっと嬉しい。
 あんまり詳しくないのだが、この真空管の内部は普通のと違って「メッシュ」構造になっている。きっと何か理由があってのことだろうが、誰か詳しい人、教えてください!
 とにかく、こいつがあれば、シャシーが送り返されてきたらすぐに組み立ててチェックができるのだ。ちょっと値段が高かったが、ボーナスもちょっとは出たことだし、記念にいいだろう。
 あとで安いEF86も数本かってスペアにしようと思う。昨日オークションみたら結構安く出されていた。うーん、すごい時代だあ!数年前までおいらは真空管探して名古屋・東京・ひどいときは
旅行ついでに京都でも真空管を探したものだ。(そのときは、ムラードの整流管GZ34をオリジナルボックスで入手した!)

 真空管といえば、以前、兵庫の
城之崎温泉にあった「しんくうかん」という名の喫茶店が思い浮かぶ。
 マスターが一人。
 高校生ぐらいの息子が手伝っていたっけ。
 おいらたちが店に入って、置いてあった真空管アンプなどに目を光らせていたら、
 すぐに気づいて、有線のBGMを消し、お気に入りのビートルズのアナログ盤を、
大きな音量でかけてくれた。コーヒーのみで何時間粘っただろう?
 最後は、貴重なアメリカ製OLDコンデンサーなどを、いくつか私にくれたのだ。
 数年後、再び訪れた時、別の店に変わってた。
 あのマスターは今どこに。もう一度会ってみたいなあ・・・。


 これが、完成して届いたAC30/4コンバージョンのコンパネである。写真が小さくて申し訳ないが、カナリきれいなできばえだ。これを行ったGlen氏に感謝。
 届いたのが夜だったのだが、我慢しきれずに組み立て始める。分解するときにスケッチと、デジカメ写真を撮っておいたので、組み立てはスムーズである。(といっても小一時間以上はかかったが・・・)
 出来上がったのが夜中だったので、音は出せなかったが、電源も問題なく入るし、スピーカーからのバズ音もなかったので、たぶん大丈夫だろうと思う。早く音を出してみたい!そう思った。
 このアンプを生かすために、(というか、部屋で鳴らすために)アッテネーターをオークションで入手した。
THDホットプレートの16Ωである。定価で買うと5万もするらしいが、かなり安く直輸入している人がいるらしい。助かった。あとはスピーカーケーブルを作成して、アッテネーターをかませれば、夜でも或る程度の音で楽しめるようになるのではないかと期待している。


 いよいよ音を出して見ることにした。とりあえずSGをつなぎ、スイッチを入れてみる。雑音は皆無である。NOMALチャンネルから試してみると、以前のこもった音が想像出来ないくらいクリアーな音である。「ブリリアント・スイッチ」を入れると、かなり低音域がカットされて、音量が下がるくらいである。逆に切ると、一気に低音域が増し、ファットな音に変わるので面白い。これは使えそうな音だ。トーンコントロールはもう一つ「BASS」がついている。これはオリジナルでついていた「CUT」と同じような働きをしているようだ。これで低域の強調をコントロールできるらしい。(といっても改造前は常に10だったが・・・)今回の改造でこれは5ぐらいでちょうど良いほど高音域の伸びが出たのには驚きである!!
 トレモロ・チャンネルは、ブリリアントが効かないものの、元の音色もかなり高域が出ており、改造前のこもった音はどこへやらである。
 プリ管がEF86に変わったことで、非常にギターに対してセンシティブになったのも驚きである。ECC83(12AX7)では感じなかったような、ピッキングニュアンスに対する反応の鋭さやクリーントーンから一気にクランチまで「弾き方」だけでいけそうな応用性、また、AC30/6と比較しても感じるこの
アコースティック感は、ちょっとびっくりである。
 
THD HOT PLATE が届いた。
早速、スピーカーケーブルを作り(ステレオシステムから切り取った!)、AC30に接続してみる。ああ!音量が下がる下がる・・・。練習アンプ並まで行けます。音質も、泣くほどは変化しません。でもやっぱ直にはかなわないけどね。
 これなら夜でも弾けるぞ!でも使ったとたん、ノイズリダクションのライトが切れやがった。ちょっと入力レベルがでかすぎたのか?後で部品注文しないと・・・ううん。

 これで、本気で使えるギター・アンプに生まれ変わったAC30B君。
 なんだか今まで以上に仲良くなれそうな、そんな予感である・・・。
 
PS.今回の改造をやってくれたGlen氏。これからもいろいろ情報教えてください。
 末永く友人になって頂きたいものである!!


2005年6月 「VOXアンプ・リフレッシュ」 

 左の写真が何であるかが分かるお人は、かなりのアンプ・フリークであろう。
 これは、アンプの角を傷などから守る
「プロテクター」である。
 これをアンプの角(四角い物体であるからして、角は必然的に8個ある)にねじ止めし、万が一の衝突に備えるというわけである。

 実は私の1964年製VOXアンプには、このコーナーが欠品していたのだ。長年の使用により、
プラスティックは劣化し、割れてしまうことが多いだろう。私のアンプもその例に漏れず、8個のうち6個までが破損・紛失していたのだった。

 数年前に、東京の「ホンダ・サウンド・ワークス」というアンプの店に立ち寄ったとき、左側のものを入手し、とりあえず上面の4個のみ取り替えてあった。
※実は、このアンプは
入手当初下の4個の部分にはキャスターが取り付けられていたため、このコーナーが付けられなかったのだ。

 その後、キャスターが一つ故障したため取り外し、普通のプラスティック製の足を取り付けたので、今回、きちんと直しておこうと考えたのである。

 VOXは60年代当時、左側にある、釘穴が2つ空いている「ツー・ピン」コーナーではなく、右側にある釘穴一つの「ワン・ピン」コーナーが採用されていたのだ。しかし、このワンピン君はなかなか見つからないし、新品部品はアメリカから輸入しなければ手に入らないのである。
 今回はこの
「ワンピン君」の再生産品を8個入手した。これですべての角を正しい状態に戻すことが出来るのだ。
 同じ楽器屋から、コーナーを止めるためのねじ10個と、小さな釘8本も入手。これで作業をした。

 結果は・・・まあまあいい感じである。
 もともと音には関係ない部分であるし、どうでもいいといえばどうでもいいのだが、やはり見た目がリフレッシュするのは楽しいことである。

 このコーナーを付ける作業の中で、アンプ下面のトーレックス(表面を覆っているビニールのこと)の破れかけたところをきちんと貼りなおすことが出来たし、角でアンプ本体の合板が分離しかかっているところを発見し補修することも出来た。

たまには自分の楽器やアンプをじっくりと観察し、その故障箇所などを発見してやるのも必要な儀式だろう。そして、ちゃんと直した後に試奏してやる時は、至福のときである。


2004年12月その2「Voxカタログ入手」 

 セルマーとおなじお人からの落札で、「Vox」のカタログを入手した。
(何度もいうが、
こんなのに入札するのは、相当な変わり者である…
 これには、ビートルズが協力したVoxアンプの広告が掲載されているのである。たった(?)それだけの理由でこれが欲しかったのだ。
 残念ながらこれには印刷された日付等が書かれていないので、絶対とはいえないのだが、掲載されている
商品のラインナップから考えて、1963年当時のものと思われる。
 同じ構図の写真が1963年の「ビート・インストルメンタル」誌に掲載されているのと、掲載されているギターに
「ティア・ドロップ型」(あの有名な琵琶のような形のギター。1964年発売と考える)が無いこと、さらにアンプのコーナーにまだAC50やAC100の広告が無いことからも、1963年説が有力である。
(でもAC50ヘッドを使ったFoundationBassは載ってる…)

 表紙の4人組は
シャドウズ。当時のイギリスの超売れっ子インスト・バンドである。ストラト・ギターを持つ男がハンク・マービンさん。眼鏡のミュージシャンといえば、バディ・ホリーを思い出すのだが、彼の容貌も異色である!彼の出すギターの音は、当時アメリカのミュージシャンにも影響を与え、ベンチャーズやシャンティーズにも影響を与えたといわれている。メジャーデビュー間もないビートルズにとって、彼らと同じアンプ(AC30はカタログ内ではシャドウズ・モデルと書かれておる!)を使うことは、見た目のかっこよさももちろんだが、一日も早い「一流ミュージシャン入り」を狙ったマネージャー、ブライアン・エプスタインの狙いがあったと思う。


 エプスタインは、1962年の7月、ロンドンのチャリング・クロス通りにあったJMI(ジェニングス・ミュージカル・インダストリーズ…Voxアンプの製造販売会社)を訪れ、
「ただでアンプをくれ」
ととんでもない申し出をしたのだった。
「私がマネージメントしているグループは、そのうち
世界でもっとも有名なグループになる。そのグループに、貴社がアンプを提供しているとなれば、これはまたとない広告のチャンスである。もし、ただでアンプをくれたら、ステージではVox以外のアンプは絶対使用しないし、広告写真も自由に使っていい
というのだ。
 ビートルズがデビューするのはその年の10月。3ヵ月後のことだ。未だ海のものとも山のものともつかぬこの話を聞いて、断らなかったその店員が偉い。おかげで、JMIはどれだけの利益を得ることになったか…。あとは皆さんの知っているとおりである。エプスタインは本当に約束を守り、ビートルズは66年にコンサートをやめるまで、「ステージでは」Voxアンプを使い続けた。この話は非常な美談として、今日までビートルズファンの間で語り継がれているのである…(なんと大げさな…)

 というわけで、このカタログのメインはやはりシャドウズなのだ。ビートルズは前年にデビューし、「そろそろブレイクするよ」的扱いになっているといえよう。
 JMIは、エプスタインの申し出どおり、ビートルズの写真を使って広告をしている。これには、ポール用としてT60アンプが写っているが、こいつは技術もまだ確立されていない時代の「トランジスター・アンプ」であった。発熱によりよく故障するため、最終的にはAC30に取って代わられ、
カタログからも消え去ってしまう悲しい運命のベースアンプである。


 左のカタログ写真で、AC30ツインの横に小さく「シャドウズ・モデル」と書かれているのがわかるだろう。
 スーパー・ツインというのは、ヘッド部分とスピーカー部分が別体のもの。回路的には同じである。
 写真から見て、コーナー・プロテクター無し、ハンドルはプラスチック、ベンチレーターはブラス製・・・といった、1963年仕様の特徴をすべて備えていることがわかる。
 見たことが無かった「リバーブユニット」の写真もあってちょっと感動である。クリフ・リチャード・モデルとあるが、彼はボーカリストなので、ボーカルマイクにエコーをかけた、というわけか。

 説明書きに、
「特別製のベース用モデルは5gns増しです」と書かれている。
 私の64年型AC30(EF86サーキットに改造)はB(ベース型)だった。値段など同じだと思っていたが、当時は特別製のイメージだったのだろう。お金を足して、わざわざベース用を買ったわけだ。といっても、違いは回路内の数個のコンデンサーの値違いである。
 ところで、これには例の
「トップ・ブースト回路」のことが書かれていないのが気になる。回路内に正式に盛り込まれたのは1964年なので、載っていなくてもいいのだが…たしか1963年当時のビートルズのコンサート写真では、すでにトップ・ブースト回路を後付したアンプの写真があったはず。それに、あの回路自体は1961年ごろには完成していたのだ。カタログにまったく記載が無いのも違和感がある。人々はいったいどのようにしてあの回路の存在を知り、工場で後付したのか?謎が深まった…。


2005年8月その2 「AC30N君、海外旅行へ…」 

 お盆休みに入り、いよいよ暇になった。
 合法的に許される暇つぶしといえば、
庭の草むしりぐらいしかないこの状況下、
「さて、たまにはちゃんとアンプから音を出して、ギターを弾いてみるか・・・。」
 などという気をおこした。

 お気に入りのAC30君の電源を入れ、ボリュームを部屋で弾いても女房が実家へ帰らない程度(1か2か…)にして音を出してみると、今までとは違った印象である。
「お、
音が…きちゃない…
ボリューム2程度で歪むほど、ハイゲインなギターでもアンプでもないはず。しかもトレモロチャンネルからは音すら出ないのだ。一体何が…。
 思えば、およそ8年前にかなり無理して購入して以来、
別ページ参照
 真空管を入れ換えた以外はメンテナンスもしていないのである。回路で何が起きていてもおかしくは無い。相手は今を去ること40年前に製造されたものなのである。
 振動による半田の剥離・コンデンサーや抵抗のへたり・熱による劣化等々・・・故障する原因は枚挙に暇が無いほどである。
「よし、これを機会にオーバーホールしよう!!」と決意した。しかし、自分には知識と腕が絶対的に欠けている。また、ローカルな店に修理を依頼すると、修理人の腕によっては思いもよらない結果を招きかねない。
 そんなときにふと、昨年もう一台のAC30を改造してもらったオーストラリアンの
グレン氏を思い出した。
「改造ではないが、オーバーホールも引き受けてくれるかも…」
メールを打ったら、
(管理人訳)
「オオーウ、オヨーヨサアーン。(ルパン風に)元気イデスカ?私チョウド、映画『スーパーマン』ノ撮影ノ音響技術ノ仕事終ワッテ暇ナノデエース。ゼヒ送ッテクデャサーイ。」てな返事が来た。早速シャシーの分離に入った。

 もう二度目なので作業は早い。しかし、前回よりも半田の盛り方が大げさだったり、タグボード(配線盤)の端子が欠けたりと、状態はあまりよろしくなかった。これでは音に影響が出ていてもおかしくは無いであろう。
 分離後、パワー部のシャシー裏を覗き込んだら、こんな書き込みを発見した。
「P.DIKEY 7/95」とある。
 7は7月、95は1995年のことだろうな。私が購入したのは1997年だと思うので、その2年前に誰かがメンテを施したということか。
 Dikeyは人名としては変な名前だ。何人?それとも何か別の意味があるのか…。まあいいや。とりあえずシャシー上のゴミなどを掃除しておこう。

 というワケで、私のAC30N君はオーストラリアに旅立ったのです。
 ちなみに持ち主の
私は一度も行ったことありません
 私の愛車S800はオーストラリア帰りですし、今度一度ゆっくり行ってみたい国ではありますねえ。出来れば一度お世話になったグレン氏やS800の部品を譲ってくれたステファン氏などに直接お会いしたい気がします。


2005年9月 「AC30君、復活!!」 

 帰ってきた。AC30のシャシーが。
  EMSの追跡によると、8月30日に向こうを出発したらしいから、ほぼ4日で到着したことになる。速いぞ!EMS!!

 結果として7個の抵抗と、3つのコンデンサーを交換したらしい。(経年変化で、規定値を外れてしまったもの)
 また、コンデンサーのうち、いつもわたしが使用しているブリリアント・チャンネルと、ノーマル・チャンネルの信号が流れる部分に使用されている0.047μFのコンデンサーを、当時の純正品
「The vintage WimaTropyfol 0.047/400 」に換えてもらった!これだけで$25である!貴重な部品なのは分かるし、NOS(未使用品)ならばなおさらであり、納得せざるを得ない。

 さっそく作業に入ろう、と思ったが、半田ごての先っちょがだいぶ傷んでいたので、ホームセンターに行き手入れ用の道具と新しい半田(抵抗・コンデンサー用なるもの)を購入してきた。これで以前よりも作業効率が上がることであろう。
 その手入れ用具とはその名も
「チップ・リフレッサー」(さきっちょ新鮮ってな意味?)という。こて先の酸化物を除去して、半田の乗りを復活させる効果があるらしい。早速やってみたら、あら不思議!!本当に半田の乗りが復活しましたよ!!感動!!
 
 というわけで、写真を撮るまもなく完了。
 さすがに2回目ともなると要領が良くなるものだ。
 真空管を元の状態に戻し、電源を入れる。
ん?一番右側の出力管(EL84)だけ妙に明るく点灯しているぞ。これは何か問題が発生しているに違いない。
 ま、でも抵抗などはこの前計測して大丈夫だったはずだから、あとでもう一度様子を見てみることにして、とりあえず音を出してみよう。

 まずはブリリアント・チャンネル。
 修理前は、すごく小さな音でもディストーションしてしまったのだが、それが起きなくなった。AC30は、ボリュームを5ぐらいに設定するとナチュラル・ディストーションがかかり始めるのだが、それが自然な音量のところで発生するようになった。また、
ガリが出ていたボリュームもメンテのおかげで全くでなくなった。うれしい。
 ノーマルチャンネルでは、以前よりも音量がアップするという現象が起きた。これも途中の抵抗やコンデンサーの変更が大きな要因であろう。
 さて、修理前音すら出なかったトレモロ・チャンネルだが、音が出るのはもちろんのこと、今まであまり効果がかからなかった「ビブラート」までちゃんと機能するようになった。ま、
そんなエフェクト、昨今は使わないんですがね…。

というわけで、復活と相成りました、AC30N君。
今後の活躍を期待したいと思う。


2006年5月 「ムラードEF86をGET!」 

 インターネットにより、私の生活が大きく変わったということはない。
 しかし、それ以前であれば出会わなかったであろう人との交流が生まれたことはまちがいのない事実である。

 ましてそれが海外の人である場合が多く、国は変わっても同じようなものを愛する人と話をする機会があるというのは楽しいものだと痛感している。
 3月にはシシリーからペグを調達した私であるが、懲りずに今月は真空管を海外から入手。今度のお相手は初の
スウェーデンある。お名前はKnutさん。もはや発音すら不可能。
 
 日本国内ではなかなか見つけることが難しくなってきている真空管であるが、特にNOS物は見つからないし、値段が高いので死にそうである。
 数年前に改造した私のAC30/4型には、
EF86というちょっと珍しい管が必要なのであるが、これも一本目は通販でムラードを入手できたものの、同じ店でも現在は「在庫なし」状態。危機である。もちろん、新しいものを作っているメーカーもあるのであるが、音に大きく影響する初段の真空管であるゆえ、ムラードやテレフンケンなどの一流ブランドにあこがれる御仁も多いことであろう、あってもすぐに売れてしまうのである。
 
 今回、ムラードのEF86を安く売りに出している人がいたので連絡したところ、スウェーデン人だったというわけである。届いた小包には、渋い切手が。(こう見えても私、小学生の頃切手収集にはまったことがあるのだ。今でも当時のコレクションは持ってるよ!)切手にはKRONORの文字。通貨単位がクローナというそうで、
1クローナ=15.4円。この切手は合計115クローナだから、1700円あまりか。こんなことでもなければ、スウェーデンの通貨について考えたことも無かった。記念にこの切手もとっておくことにしよう。

  さて、肝心の真空管である。パワー管とは違い、差し変えて音の違いを体験できるのが楽しいのであるが、いかんせん、赤ん坊が寝ている今は音を出すことも許されぬので、後々試そうと思っている。見た目はこのように三者三様である。一本は白ロゴ。前回購入したものに似ている。残りの2本は黄色ロゴでだが、面白いのは、シールドがメッシュでなくプレートになっていることである。他のメーカーではこのような構造のものも見た事があるが、もしかして偽者?いやいや、もうすこし色々調べてみたほうがよさそうである.
 
 これらの裏面にはB3E3やB8Kなどの小さな記号もふられている。
 1つめの「B」というのはムラードのブラックバーン工場で作られたことを意味している記号である。
 2つ目の数字が製造年を表すので、黄色い2つが3=1963年か73年(73年だとロゴが新タイプに変わるはずであるから、63年で当たりか)で、白い8は1968年製造を示しているのだろう。
 次の記号は製造月。Dは4月、Eは5月、Kは11月だ。最後の数字は製造週。それぞれの月の第何週かを指し示すのだ。
 などと考えているうちに、昔買った真空管などの素性が知りたくなり、おもむろに真空管箱(愛称)をあけて調べてみた。
 左のは黄ロゴのムラードECC83である。製造記号が「B4E3」であるから、ブラックバーン製・1964年5月第3週」物であることがわかる。
  右の縦長君は、VOXのAC30を購入した時にアンプに装着されていたEL84である。
 ロゴが新ロゴに変わっているので、1964年以降のものということが解る。
 製造記号を見ると、「B1H1」と書かれている。これもブラックバーン工場製・1971年10月第1週ということだろう。アンプ自体は1964年製であったので、オーナーが交換したもの、ということがいえるであろう。
 他にも、同アンプに使われていた整流管GZ34には「B8K3」(1968年製か?)や、タングスラムやマルコーニなのになぜかムラードのブラックバーン工場製を示す「B」が打たれていたり、軍用管のCV4004はブラックバーン工場ではなく別工場で作られたことがわかったりと、わたしにとって発見の連続であった。
 逆に、秋葉原で購入したムラードに「製造記号」が無いものを発見した。ムラードのロゴはあっても、これらは東欧の工場で作られたり、あるいは日立や松下電工など日本製のムラードもあったというから驚きである。「偽者」とまでは呼べないにしても、かなりだまされた気がする一品である。
 
真空管の世界、恐るべし!!奥が深すぎて、一日では理解できないことがわかった…

 ともあれ、近いうちにそれぞれの音の違いをレポートできるようにしたいと思う今日この頃である。


2006年8月 「ライブにむけて…」 

 8月27日のイベントに向けて準備中だ。
 とにかく、ドラムやアンプ類の用意も全て自前で行うのだ。今回のイベントが自前企画なので仕方なし。自分もアンプ類の提供が必要なので、次々費用が出て行ってしまう。苦しくもあり、楽しくもあり、といったところが本音かな?

 特に、真空管アンプ類は念入りに点検中。
 注文しておいた
JJの整流管GZ34が届いたので、早速AC30/4の裏ブタを空けて交換。これで雑音が出なくなりました。2台あるAC30のうち、本番ではこっちのアンプを使おうかな?と思っているところです。

 さて、代わりに引っこ抜かれたのが写真真ん中のムラード君。昔、京都で元箱つきで発見したもの。これで
お役御免ですな。製造記号はB5A1。1965年の1月製か。今までありがとう。元箱に戻して宝箱行き。
 右は、1964年型についてきたムラード。B8K3なので、1968年製か?内部構造は65年製とほぼ同じ。こいつも今や退役しています。軍用のコードCV1377というのがプリントしてあり、渋いです。
 左はマルコーニのGZ34。1964年型のVOXについてきたもの。(2年前にJJに交換済み)同じイギリス製でも内部の構造が違って面白いですね。コードはB4A3とあります。ムラードと同様に解釈すると、1964年1月製で、この3本の中で一番古いことに。表面のロゴのプリントがムラードよりもしっかりしているためか、全く消えていないのでこれももったいなくて捨てられません。
 整流管は音質自体にはあまり影響が出ない部分らしく、(交流電流をアンプが必要とする直流に変換するのが役目らしい。)逆に古くて信頼性が低いものよりも、JJの2300円で安定しているほうがいいような気がしマス。前回も交換したら音が太くなったのを体験していますから。


 このほかにも、ツインリバーブ君の真空管6本(12AX7を4本と、12AT7を2本)も購入して交換しました。ガサゴソ言っていた雑音が減り、音が大きくなり、リバーブの効きが復活しました。こっちもお金が無いので全てソブテック…というか、エレクトロハーモニクス社製でそろえました。うーん、やはり新しい真空管で鳴らすのは気分かいいっすね。
 さらに、ライブで使用するモニタースピーカーまで購入する羽目に。こっちは15インチのモニター2発。安いものですが、でかいので家での置き場に困るはず。しかも使用頻度が極めて低い。悔しいので、後で他の人に貸し出して、
レンタル業でも始めてやろうかと思います(笑)。もしかしたらビンテージアンプやビンテージギターのレンタルって、退職後のお小遣い稼ぎの商売になるかもしれないなあ…。(さらに笑)


2006年12月その3 「AC100再生への道」 の巻

 フェンダー・ツイン・リヴァーブ君を修理しているときに、ふと、AC100についてもチェックしようと思い立った。
 前回、地域の文化祭で使ったときに、若干の音量不足を感じたからだ。 しばらく前に真空管を交換して以来、シャシーをケースから出したことすらない。いい機会なので、取り出してみることにした。

 まず、始めにバックパネルを外す。この時点で、電源コードのコネクターから線が1本ぶらついていることを発見。よくこれで音が出ていたもんだ。さらに、スピーカー・ジャックの結線も一つ不良。ハンダが外れているのだ。やはり長年の使用による経年変化でコールド・ソルダーは起きるものである。

 さて、電源コード部分とスピーカー・ジャック部分はいったん取り外し、内部の点検にかかる。VOX社の回路図OS036を引っ張り出し、抵抗値をチェック。ほぼ規定範囲に収まっているようだ。コンデンサーの容量もチェックしたいが、私のアナログ・メーターにはその機能がない。今度買ってこようとは思うのだが、使用頻度が低いので…。今回は見た目のチェックだけにとどめた。明らかにぶっ飛んでいるものは無いようだ。今まで音も一応出ているのだから、よしと言うことにしておこう(笑)。
 さて、このアンプ、買うときに安かった理由は、
「トランスがオリジナルでない」と言う理由であった。(参照)写真で見える外された手前のトランスが、取り付けられていた出力トランスである。VOXのアンプでは電源トランスの方が出力トランスよりもサイズが大きいのだが、これはどう見ても同サイズ。普通の積み方では収まらなかったらしく、横置きにしてしかもねじ穴を増設、下側にもベルカバーを配し、宙に浮いたような不安定な形で積まれていた。今回はこいつをもっとオリジナルに近いものに交換しようと思うのだ。入手先はアメリカのMM社。各種ヴィンテージ・アンプの補修用トランスを作っている会社である。
 これが届いたVOX−AC100用の出力トランス、VXO-100である。がっちりした作りに感動。ベルカバーの色はシルバー・黒・ブリティッシュグリーンなどが選べるが、古いAC100の写真を見るとオリジナルは黒だったようだ。四隅のねじ穴の位置などをチェックしてみると、シャシー側の穴とぴったり一致。何の加工も要せずにドロップ・オンである。

 まずは、トランスを外したついでにシャシーの汚れ落とし。長年のホコリに、焼きついたワックス成分。さらにメッキが剥げた部分にサビと、ものすごい状態である。しかし、このまま元に戻したのでは甲斐が無い。バイク用に先日購入した「はなさかG」サビとりを筆に少量とり、根気よくサビを除去していく。サビが取れる頃には周囲のホコリやワックスも解けているというわけだ。
 約1週間かけてシャシーの汚れの大半を除去。これで新しいトランスを迎える用意ができた。

 出力トランスの配線は電源トランスに比べて単純だ。プライマリー側に3本と、セカンダリー側に3本。計6本しかない。作業は至ってシンプルである。
 以前のトランスに繋がっていた古い配線を除去し、新しいトランスのリード線を適当な長さに調整して切り、エナメル保護膜をはがし、ハンダ付けしていく。新しい線は蛍光色のような派手な色で、まず見間違えることもないし、弾力などもしっかりあるので、配線しやすきこと限りなし。あっという間にハンダ付けを終えることが出来た。
 次に、スピーカー出力側の端子に、出力トランスからの出力線とアース線をねじ込む。
 ここで疑問が出る。出力線は8Ω用と16Ω用の2本があるが、
私はどちらを使用すべきなのか…いままで真剣に考えたことも無かったので、今回は真面目に調べることに。
 キャビネットの抵抗値を調べると、8Ωであった。ここで疑問がわく。2つのスピーカーを直列つなぎしているはずだから、一つのスピーカーが8Ωならば、答えは16Ωにならなくてはおかしい。今まで私は、8Ω2発のキャビだと思い込んでいたのだ。
 せっかくなので、これまた数年ぶりにキャビネットの後ろ板を外してチェックする。
上側の12インチ(アルニコタイプ。セレッション製かワーフデール製は不明)が4Ω、下の15インチ(セレッション製スパイダーフレーム)も4Ωであった。この型のスピーカーで4Ωがあることを知らなかった私は、ここでまた新たな事実を知ったわけである。これで迷うことなくアンプ側の出力端子は8Ωを使うように配線した。

 これが、改善後の勇姿。
 ページ始めの
惨めな姿と比較して欲しい。シャシーのサビも大方鳴りを潜め、黒く美しいトランスがその高性能を語るようである。コントロールパネルも磨いたので、黒いノブが映りこむような輝きを放っているのだ…(大げさ?)

 さて、いよいよ音だしである。
 シャシーを立ててスピーカーを接続、電源コードをつけて、ONにする。…しーん…あれ?電源がこないぞ!?
 よく見ると、
電源コネクターのアース線とホット線を取り違えていた。バカである。もう一度ハンダ付けをしなおし、改めて電源を入れると・・・OK。今度はちゃんと立ち上がった。

 手元にあったヘフナーをつないでボリュームを上げる。すると、今まで余裕で上げていた
4〜5では既にハウリングを起こすのである!!今までいかに出力を無駄にしていたかがわかる瞬間であった。部屋の中では1〜2がボリュームの限界になった。以前このアンプを使いながら
「これで武道館で演奏?聴こえるわけねえよ!!」と突っこみを入れていたが、この音量ならかすかには聴こえたはずだ。※ちなみに、武道館では1日目は突発的にAC100だが、後でレギュラーの7120に交換された。ポールのAC100のキャビの縦ロゴは、私のと同じ小さいタイプであることが写真からわかる。
 さて、復活なったシャシーをケースに戻す。内部の網の劣化が激しく、一部を両面テープにて補強する。下から入る4本のねじがなかなかワッシャーに入らず難儀する。最後はなんとか力技で納めたが。MM社に敬意を表し、電源コネクタ上部にプレートを設置。すばらしい製品を作っている会社だ。次回は電源トランスも注文しようかと思うほどだ。(しばらくはお小遣いが無いから待っててね)
 ちなみに、今回海外の方から色々なアドバイスをいただきながら仕上げたが、最後までこのアンプの素性は知れなかった。通常、シャシーに打たれているはずの
シリアルナンバーが無いのである。(笑)

 


2008年6月 「T60スピーカー修理」 の巻

 2008年6月、高崎バイミールで行われた「ロックロックこんばんはVol7」において、
思わぬトラブルが発生。私のベースアンプ、AC100&T60から音が出なくなったのである。
 ちょうど、「青い車」を演奏中であった。曲半ばで突如「プツッ」と音が途切れたかと思うと、それっきり復活しなかったのである。
 演奏の方は、ベースをPA通しに変更して事なきを得たが、アンプの方はそうは行かないので、故障原因の特定に入った。

 はじめは、アンプヘッドを疑って、シャシーを取り出して真空管やその他の電源部分などを調べてみたが、特に飛んだ様子や焼けた部品はない。試みに、AC30のスピーカーに直結で電源を入れてみると、音が出ている、ということはスピーカーキャビネットの故障か。考えてもいなかった。

 さて、キャビネット側の導通を見てみると・・・、なんと0である。これは完全に断線である。演奏中に、スピーカーの振動などが原因で、配線か、ボイスコイルなどがどこかの部分で切れたのである。
 泣く泣く裏ブタをあけ、まずはコネクター類を調べたが、導通ありである。ということは、やはりスピーカー本体か。嫌な予感は高まるばかりである。
 T60キャビネットには、上部に12インチアルニコ、下部に15インチセラミックが直列つなぎで使われている。なので、片方が断線しても、両方とも信号が流れないのである。まずは12インチを当たってみると、こっちは音が出ている。ということで、犯人は下の15インチだということになる。電極のハンダをとって配線と分離し、スピーカーを取り外す。口で言うのは簡単だが、長年の使用で固着したボルト類が上手く外れないところがあり、かなり手こずった。結局、8本のマウントボルトのうち、2本は空回りして使用不可ということが分かった。面倒くさいので、
木工用ボンドで動かぬよう固めてしまった(笑)
 15インチを良く観察すると、ターミナルからボイスコイルに向かうプラスマイナスの2本のモール線のうち、1本が完全に切れているのを発見した。この線はターミナルからいったんコーン紙に固定されているため、大きな振動が伝わった際に、劣化していた部分が耐えられずに切れたのであろう。

 こうなるともう自分では治しようも無いので、埼玉県にある音響会社に修理依頼した。コイルが切れていないことを確認したので、それほどの大手術にはならないであろうと踏んでのことである。


 さて依頼から3日。あっという間に完成したスピーカーが返送されてきた。
 上の使用前の画像と比べて欲しい。
 皮膜の新鮮そうないい眺めである。これならしばらくはしっかりと働いてくれるであろう。

 早速キャビネット内にセットし、アンプヘッドと接続して音だしチェックを行った。するとどうであろう、今まで「調子がいい」と思っていたときの音量よりもさらに大きな音で低音が鳴るではないか(当たり前か・・・笑)!!!アンプ前に接近して弾くと、ブーストしてびりびりする感じである。特にA音を弾くと、
あの「ハリウッドボウル」ライブ盤でポールのヘフナーがA音のときだけ妙にでかくなる感じ(笑)が再現されたのである。
ということで、生き返った私のT60君。
次の出番(いったい何時?)には、皆さんの「目からうろこ」のミッドパンチの効いた音をご披露できるであろう。

ちなみに、スピーカー外しついでに、ベルカバーも外したところ、外には見つからなかったセレッション社のファクトリーコードを発見。「
31HJ」ということは、このスピーカーの製造日は1964年の8月31日ということである。う〜ん、ナイス。


2009年3月 「AC100/T60のお化粧直し」 の巻

先日入手した部品を使ってのVOXアンプのお化粧直しである。
 1965年製と思われるこのT60キャビネットも寄る年波には勝てず。金色のパイピング(ま、線状の飾りのようなものです)が劣化し、パリパリぱりぱりになったのであろう。私が購入した時点で、所どころ折れてなくなってしまっていたのである。
 現在販売されているVOXアンプにもこのゴールドのパイピングは使われているが、太さが60年代のものよりも太くなっており、アンプに彫られたこの溝にはまらないのである。であるから、わざわざ海外から細めのものを取り寄せにゃあならないのである。

 左の写真には、途中で折れてしまったT60キャビネットの昔のパイピング(左)と、今回入手したパイピング(右)が。両方写っている。太さは現行版よりは細いものの、昔のものよりは若干太いと思う。溝の幅にはぴったりなので、ビシッとはめるにはちょうど良い太さなのかもしれない。
 古いパイピングを溝から抜き取り、その開いた部分に端から新しいパイピングを押しこんで行く。なんとも単純な作業である。

 右の写真が、はめ終わった状態。
 写真手前の金色の線が新しいパイピングである。
 写真奥側のパイピングは、色も変色してくすんでいるが、まだ切れて無くなった場所はなかったので、そのまま温存しておくことにした。遠めには気付くことも無いような、地味な飾りである。

 もう一つの部品は、シリアルナンバープレートである。

 私のAC100君は、初めからアンプヘッドのバックプレートが新しいものに交換されており、(つまりオリジナルではないのだ)シリアルナンバープレートも紛失された状態であった。シャシーの内部も見てみたが、それらしい番号の表記もないので、今となってはその番号を突き止めるのは難しそうである。
※しかし、この「グレーパネル」のAC100は、シリアルナンバー289番あたりから、最大で1768番までが相当しているらしい。生産台数1700〜800台。私のは中〜後期に属すると思われるので、シリアルとすれば1000以降は間違いないだろう。
 取りあえず、バックパネルの景色が妙にさびしかったので、モデルネームもなにもうたれていない「ブランク」の再生産のプレートを入手し、飾りにくっつけておくことにした。
 この写真がパネルを仮止めした感じである。
やはり、中間部分の広い余白がプレートによって引き締められ、よりいっそうかっこよくなったであろう。水平にくっついているかどうかを確認してから、小さなねじ4つで固定してみた。
 
実際にでたらめなシリアルナンバーでも打ってみようかとも思ったが、「偽造品」の烙印を押されそうなのでやめておいた。それくらい、よくできた再生産品である。全く「出音」には関係ないのだが、これがあったほうがいい音が出そうな気がするから不思議だ。
 また画像には無いがAC30用の安いスタンドも輸入してみた。1台分は持っていたのだが、予備用にと思ったのだ。出来が安っぽいので、ひん曲がってもいいようなライブなどでの活用を考えるとしよう。
 
 
いよいよ深みにはまる「VOXアンプ道」。何処まで行くのだ?oyoyoさん?