2005年4月その2 「マイナスねじにギターケース・・・」 編
リッケンバッカーのピックアップのカバーの四隅をとめるための「マイナスねじ」をオークションで見つけ、安く入手した。
このねじ、最近売り出されたCシリーズではちゃんとマイナスねじになっているのだが、90年代のリイシューではプラスねじに換えられてしまっていた。
思えば、最近マイナスねじを使ったものを見る機会は少なくなっている。JIS規格なども、基本的にはプラスねじを基本に考えられていて、マイナスねじ自体が売っていない場合もある。
以前、AC30の取っ手(ハンドルとでも呼ぶべきか?)をつけるために、「なべ皿のマイナスねじ」というのを探したことがあったのだが、結局見つからなかった。
なべ皿というのは、ねじの頭の部分が皿のような形状に加工されていて、それが取り付け部にフィットするようなねじなのである。
これはひとえに、マイナスねじが
@力を入れるとナメやすい。(溝が削れてしまう。)
A加工が面倒。(これはねじ屋さんのHPで読んだ。)
B汎用性が無い。(みんなプラスに統一しちまえ…)
などという環境の変化についていけなかったからであろう。
60年代リッケンでは、ネームプレート、ペグ、ピックアップ四隅、ジャックプレートなどの部品をマイナスねじで固定していた。私の1964年4001Sもそうなっている。325のほうはアメリカで見つけたリプロ品をつけてある。
東京の有名楽器店でも時折マイナスねじを売りに出しているが、わざわざ買おうとすると高い。
今回のように、時々掘り出し物として見つける程度で十分ではないだろうか?
掘り出しものその2
アメリカの楽器屋が、60年代のグレッチ用ギターケースを売りに出しているのを発見。入手した。
写真の茶色いほうはカントリージェントルマン君を買ったときについてきたケースである。これはこれでなかなか味わいのある色なのだが、経年変化で樹脂の取っ手が割れてしまい、持ち運びには非常に神経を使うこととなった。
今回入手したほうは、形は前のものとほぼ同じである。色はグレッチに良くある黒い色にグレーのトリムがついたもので、60年代前半のものと思われる。金具などがさびており、表皮も痛んできてはいるが、修復できないほどではない。国内でこれをさがそうとしたら、かなりの金額を言われるに違いない。
実際に楽器を入れてみたが、ジャストフィットである。
取っ手もしっかりしているので、前よりはグレードアップといいえるであろう。
ただし、届いたときに、「税金」を払わされたのは計算外だったが。
消費税と税関手数料を申し渡されたのだ。まあ、こんなに大きな荷物を輸入したことは今まで無かったので、一つ勉強にはなった。輸入楽器が高くなるのもうなづけるというものだ。
話は変わるが、掘り出し物といえば、今日、ロジャー・マッギンの「Back From Rio」の中古CDが届いた。田舎のCD屋の店頭には絶対無いので、ネットで中古¥1000を探して買ったのだ。この中にはトム・ペティと共作した名曲「キング・オブ・ザ・ヒル」が収録されているし、エルビス・コステロも1曲提供してある。私の好きなミュージシャンが3人同時に聴けるのは、まさに掘り出し物である。
2011年12月「Rickenbacker360/12ピックアップ交換」 編
2016年2月末に我が家に来た1964年の325。
長年の仕様でやれている部分も多い。
特にやばいのがペグであった。
左が付いてきた3弦のペグであるが、
明らかにつまみが後付である。
たぶんこわれた後に自作でもしたのだろう。
他のペグも、ガタが来ていて、
これでは演奏中に音程が下がってしまう。
そこで、
オリジナルと同等のクルーソンデラックスを入手し、
交換に打って出ることにした。
ちょうど、
フランスのオークションで一列クルーソンが1セット、
安く売られているのを発見。
無事に入手することができた。
右がそのおフランスのクルーソンである。
メッキが怪しいが背に腹は代えられずwww
さっそく交換しよう。
ペグを外すと、
こんな感じになっている。
ペグ下にはオリジナルの塗装が濃く残っている。
取り替えられた形跡は無し、これなら一発で乗せ換え可能だ。
おフランス君には、ありがたいことにブッシュも付属してきた。
右の正しいブッシュだ。
左のオリジナルには、プレス成型された安い方のブッシュが付いていた。
しかしこれもガタガタだ。
これも交換してしまおう。
てなことで、一気に6個の糸巻とブッシュを交換。
部品の程度も良いので、
これでチューニングも安定することだろうし、
ブッシュがジョンの325と同じ仕様になるので、うれしい限りである。
これが交換後の雄姿。
素晴らしい!
早速チョーキングをしてみたが(爆)
チューニングは安定しており、
これで楽器としての機能がよりしっかりしたと言えよう。
なんてったって、
楽器は「演奏できてなんぼ」ですからなあ!
とうことで、
購入後すぐにメンテナンスの課題をクリアできた。
今後も、
細かいところを一つ一つ改善していき、
数年かけながらより完全体に近づけていけたらいいと思う。
それにしても…
この325(Rose Morris 1996)は…
カッコイイギターですwwww(自画自賛)
2021年8月 Rickenbacker360/12のナットを交換する。
2016年から5年ぶりのこのページの更新www!
すでに死んだサイト状態だが、いつかはデータを移行して
スマホ用に見られるサイトにでも使用とは思っている。
しかしまあ、老後の楽しみに取っておくwww
今回は、
あの弦間が狭くて弾きづらい、
360/12のナットを交換し、
いくらかでも弾きやすくしようというプロジェクトである。
右の写真を見て欲しい。
ジョージの1963年製360/12であるが
フレットの湾曲を見る限り、かなりラジアスがきついことが分かる。
一説には6〜6.5Rぐらいだったといわれている。
普通のストラトが7.5Rだから、それよりさらにきついRだ。
しかし、このきついカーブのおかげで
12弦の各セット間の隙間ができ、かなり弾きやすかったのだという。
※ちなみに
V64は10R、C63は7Rといわれている。
つまり、おいらの360はかなり指板がフラットだということだ。
そして、弦同志の間隔が非常に狭く、指が隣の弦セットに触ってしまう。
これを解決するためには
@指板のラジアスをキツくする=20万コースwww
Aナットをワイドスペースにする=2000円コース
迷わずにAを選択する。
右の写真は
オリジナルのナットと(下)
ワイドスペースナット(上)の比較である。
ワイドスペースナットは
指板のぎりぎりまで幅を使った、
かなり攻めたカットになっているのが
分かるであろう。
これをおいらのV64に取り付けようというのだ。
元のナットをプラハンマーでたたいて外しwww
※あ、塗装のきれ目を入れるのをお忘れなく。
それでもおいらは少しチップしてしまいましたがねwww
新しいナットの底を削って高さを調整し
瞬間接着剤でくっつける。
これで終わり。めっさ簡単。
右の写真はその比較。
左がストックのナットの弦の幅。
右がワイドスペースの弦の幅。
違いはあきらかですわな。
かなりフレットの端ギリギリまで使っているが
弦落ちなどはしないところがすごいwww
これで、ほぼほぼ普通の6弦ギターと同じ感覚で
12弦を弾くことができるようになった。
ぜひぜひ興味のある方には
勇気をもって自己責任でwwwチャレンジしてほしいものである。