2011年12月その1「Rickenbacker360/12ピックアップ交換」 

て、この前入手した65年製のピックアップを、何とかして360/12V64君に載せ替えたい。

現行のハイパワーピックアップは、出力が高いにもかかわらず、いや、そのせいか、
出音が濁り気味で、きらびやかさが足らない傾向にあるのである。

それを克服するには、抵抗値を下げて「オープン」にしたピックアップが必要なのである。
今回、2個セットで格安に仕入れた65年製をぜひ12弦に投入したい。

しかし、ここには悩みが一つ。
それは「ヴィンテージ・ピックアップを加工したくない」という悩みである(笑)。

もともとこのピックアップは650に使われていたようで、ピックガード下につりさげるためのねじ山が両サイドの穴に切ってあるのである。

しかし、360はピックアップを直接ボディーにねじ止めするので、その穴を若干大きく広げ、木ねじを通さなければ取り付けられないのである。

せっかくのヴィンテージピックアップに大きな穴をあけるのは忍びない・・・。
なにかあったら元通りに戻したいし、不可逆な加工は極力避けたい。
のちのち結構貴重な一品になりそうな予感がするし。他にもなにか使い道があるかもしれないし・・・。

ということで、考えたついたのは
「現行のピックアップカバーに、ヴィンテージのボビンを組み込め」作戦である。
これなら、いざとなれば両方とも元の状態に戻すことができるし、
どれ一つ不可逆な加工を必要としないからである!これしかない!!
で、ピックアップを分解。

左が現行の12kΩボビン。形が四角い。
右が65年の8.4kΩボビンである。形は丸みを帯びている。

基本構造は同じだが、形状はかなり変わってきているのが分かる。
現行ものの方はアルニコマグネットの周りに黄色いものがはみ出ているが、
ボビンがポッティングされているのか?

さもなければ磁石の固定用のボンドか何かだろう。

さて、そのヴィンテージのボビンを現行のカバーに収めてみると、
特に違和感なく収まり、これならいけそうである。

ソリッドボディー用の短すぎるリード線を外し、
現行ピックアップのリード線を65年型につなぎ直す。
それを現行ピックアップのカバー内に収め、バックプレートを四隅で4点どめ。
こんな感じに収まった。

現行ピックアップのバックプレートである。

四角い切りこみの周囲の丸いへこみは、昔のものにはない。

ボビンをカバーに押しつけるような向きなので、たぶんズレ止めだと思う。
これを元通りにギターに載せ、配線をはんだ付けして完了。


さっそく音だししてチェックしてみる。
交換前と交換後の音の変化が分かるかな?


※聞きなれた自分にははっきり違いが分かるんですが・・・(笑)。
AC30アンプのセッティング、ギターのセッティングは全く同じ設定。
※ギターはフル10。ポジションはミドル。バランスポットもリア寄りに10に。
前半の現行ピックアップの若干かすれたような濁り音から、
後半の65年ピックアップの「抜けた」明るい音色への変化が・・・。


結果としては、「これぞ12弦ギター」といいたいような、さらにきらびやかなトーンに生まれ変わったのである。
やはりこれはやった価値があったと言えるだろう。
※みなさん、お金がある人はCシリーズを買ってね。向こうは初めから抵抗が下げてあると思うから・・・(爆)。

ここで使わなかった65年製のカバーとバックプレートは・・・無駄になるのか?
いやいや、それにはちゃんともう一つの使い道が考えてあるのであった・・・(続く)。