2014年5月「GWツーリングin山形!!」の巻

毎年恒例、GWツーリング。今年は山形に。
 昨年の冬、渥美に行った時に、
「来年のツーリングは国民休暇村めぐりにしようか」
 という話になり、
 全国の国民休暇村のリストのような雑誌を見ていたところ、山形の国民休暇村がいいのでは?という話になった。
 距離的にもあまり遠くないし、映画のロケに使われた古い街並みも残っているらしい。それに一番の楽しみは、食べ物が美味いだろう、ということだ。

 それから半年たち、実際に山形に行くことになったのだが、今回は国民休暇村ではなく、教え子スッキン氏が見つけた「知憩軒」という農村民宿になった。
 自然素材を中心にした食事、周囲を田園に囲まれたロケーション、そして、有名な国宝、羽黒山五重塔も近いという、まさに山形ツーのためにあるような宿である。すぐに決めたので、GWというのにあっけなく予約が入った。

 さて、5月3日。朝6時に高崎を出発し、まずはひたすら関越道を北へ。新潟県も駆け抜けて、山北町を目指す。そこには、そう、あの
名勝「笹川流れ」があるのだ。
 昔、よく車で東北を訪れたが、あの海沿いの道をいつか、バイクで走りたいという私の夢がかなう時が来た。
 日本海道路を朝日まほろばICで下り、小さな峠を一つ越えると、いきなり海岸線に出る。そこからはすぐに笹川流れに。
 しばし美しい海岸線を眺めながらのツー。途中の道の駅で昼飯を…と思ったが、大したものがなさそうなので、先に進むことにした。

 走っていると、山北町の港に何やら賑わいが。
 見ると「魚祭り」の看板。あわてて駐車場に入る。

 どうやら、地元の漁師が中心となってやっている漁協の祭りのようだ。

 せっかくなので、地元民に交じって一服。
 
ノンアルとエビの塩焼きを買い、 港に座って乾杯。

 いや、このエビの美味いこと美味いこと!最高である。

 その後、いい匂いのするアオサ汁を買おうとすると、なんと
無料配布していた(笑)。

 港の中には、鮮魚の即売コーナーもあり、とてもにぎわっていた。偶然とはいえ、とてもいい経験ができたのである。
 
さて、バイクに戻り先に進む。

次の目的地は道の駅「あつみ」である。ここには私の大好きなアイスがあるのだ(笑)。

  道の駅手前で少し渋滞に遭うものの、無事に到着。
 道の駅ではGWイベントの真っ最中。ヘリコプターの遊覧飛行などもやっている。

 予定位通り、私は
「だだちゃ豆アイス」を(爆)。いやあ、美味いなあ。
 他にも海鮮の浜焼きなどがたくさん出ていた。さすがゴールデンウィークである。

 しかし、われわれの目的地はさらに先、酒田市なのだ。
 先を急ぐことにしよう。

 ここから温海温泉に入り、 すこし町を眺める。

 残念ながら、日がえり温泉は午後からというところも多く、断念。

 しかし、ちょうど祭りの行列に出会い、ちょっとした感動を味わう。

 中学生も我ら旅行者に手など降ってくれる素朴な町だ。
いつかまた来てみよう。

 温海から高速に乗り、酒田市を目指す。
 さっきまで快晴だった天気がすこし曇りに変わり、高速を吹く横風にあおられるようになる。天気は大丈夫だろうか?

 酒田ICで降り、酒田港を目指す。有名な海鮮丼の店に寄ろうとおもったのだ…が、
この海鮮丼の店、さすがに人気店らしく、午後になったというのに長蛇の列が…。
こんなもんにならんじゃいられねえ!ということで、
 
酒田と言えば「酒田ラーメン」だべ?ということで、町中の蕎麦屋へ。
 ※そば屋でもラーメンが食えるのだ。
 おいらは定番と思われる「ワンタン麺」を注文。
 もっちりした手打ち麺に、和風のさっぱりしたダシ、さらにとろけるワンタンと、
わたし好みのものが全て揃ったこのラーメン…気に入りましたぜ!!

 さて、腹もいっぱいになったところで、酒田市内の観光とまいりましょう。
 
 この辺りを牛耳っていた大金持ちの邸宅、旧本間邸や、近くの古い店舗を観たり。

 「山居倉庫」を観たり。

 この倉庫、
 昔、コメの保存と流通のために建てられた貸し倉庫だそうな。

 それにしても大きい。
 映画のロケにも使われたということで、確かに雰囲気をもった場所である。



  一番奥に庄内米に関する資料館みたいな施設があり、とりあえず見学。

 米どころ山形のこだわりや、「つや姫」を代表とするいろいろな品種の説明が興味深かった。
 
 裏手に出ると、
 こっちはさらに雰囲気がいい。

 倉庫を風から守るケヤキの並木が残っていた。


 風が心地よい。

 さて、ちょっと天気が心配だ。

 ぽつぽつ雨も降り始めた。カッパを着て高速へ向かう。
これから宿泊地である鶴岡市まで戻るのだ。

 あまり雨も強まらず、ラッキーであったが、予定通りの時間には鶴岡市に入った。
 宿泊する知憩軒まではスッキン氏の
SONYナビ頼み(笑)
 遠くの山々や、広がる果樹の畑の真ん中に、その宿はあった。
 
 古い民家をそのまま生かした建物。
 一日一組限定の宿である。

 宿の娘さんがお出迎え。
 部屋を案内していただき、ほっと一息。

 夕食までに少し時間があるので、
近くの温泉施設「湯~タウン」へ。
 地元の方々の憩いの湯である。
 ちょっと温度が高めの天然温泉で、お肌がつるつる(笑)
山形美人製造の湯であろう。

 その後、ローカルなスーパーで山形の地酒を買い、宿に戻る。
 夕食には
お酒の持ち込み可なのである。

 さあ、楽しみにしていた夕食の時間である。
 地元の野菜を中心とした、自然素材満載の夕食である。

  キャベツ巻・卵の燻製・からし菜・庄内鳥・こごみ&油こごみ
 月山ダケとコシアブラのてんぷら。
 筍の木の実焼き・ゴマ豆腐・身欠きニシン・カブのハリハリ漬
 山芋とシイタケの煮物…
 これ以外にも
 庄内米のおにぎり
 ※わざと朝作っておいたもの。このほうがコメの味が際立つ!
 ご飯に、孟宗汁。
 
たっぷり楽しんでしまった。

 地酒も美味かった…
 
 そんなこんなで、
 長距離走行の夜は更けていき、
 われわれは部屋に戻り、本を読んでいるうちにいつの間にか就寝。

 お休みなさいませ。

 二日目の朝。

 朝食までに時間があったので、
 近所を散歩。
 果樹園に囲まれた田園地帯。

 遠くの山にはまだ雪が残っている。
 朝から働いている地元の方々。
 雪解けの水が音を立てて流れる川。

 どう考えても、食い物がうまくなるわけである。
 しばし、そんな感動を味わいながら、
 周囲を散策していた。

 朝七時半、朝飯の時間である。
 まさに、シンプル・イズ・ベスト。

 炊き立ての庄内米のつや、味…。最高だ。
 今まで家で食っていたコメは…あれは何だったのだ?
 と疑問に思ってしまうほどの違いである。
 梅干しと、麹味噌で何杯でも食べられてしまう。
 本当に美味かった。

ごちそうさまでした。

 さて、名残惜しい知憩軒を午前8時に出発し、
 まずは羽黒山を目指す。

 三山神社と、五重塔を観ようと思うのだ

 私自身は2度目の訪問であるが、あまりに昔なので記憶もあいまい。
 今回は、特別に
秘仏「蜂子皇子の像」が拝観できるので、
とても楽しみにしてきたのである。

 宿から、のどかな田園風景の中を走り、
 大きな鳥居をくぐって聖域へ。

 有料道路を登り切ったところに、駐車場があり、ちょっとあるけばもうそこが三山神社である。
 月山神社、湯殿山神社、羽黒山神社、
この
3つの神社を、
一気に参拝できるという、
 何とも素晴らしい配慮である。

 ※実際月山神社は山の上にあり、
 修行目的にしか行けないであろう…。

 この本殿の左に、
 例の蜂子皇子の像があるお堂が。
 まず、入る前に神主様からおはらいをしていただき、その後に堂内に案内された。
 中では巫女さんが詳しく説明してくれる。
 絵で残っている蜂子皇子は、鬼のような形相で、これは民衆の苦しみを背負って修行したためであるといわれているが、
 秘仏だったほうの像は、
 全くそういう苦しみの表情はなく、まさに天皇の血を引く高貴なものの姿であった。
 廃仏毀釈運動をくぐりぬけ、
 今まで大事にされてきたこの像、
 今回は
遅々として進まない東北の復興を祈っての特別公開だそうな。
私もそれを願わずにはいられなかった。

 さて、神社の参拝が終わったら、
 ちょっと喫茶店でコーヒータイム。
私は名物の玉こんにゃくも食べてみた。味がよく染みていて、ナイスだった。

 来た道を逆にたどり、
今度は湯殿山の五重塔である。
こんな山の中に、
白木づくりの巨大な五重塔が、
こうして残っていること自体に驚きを隠せない。
元々は平安時代の創建らしいが、
現在の塔は1372年の再建だそうだ。
が、
それでももう600年以上たっている!
 杉の木立からもれる初夏の陽気。
 輝く白木の五重塔。
 なんだか、
山形に来た感慨が一気に高まった。

 車は大変渋滞していたが、
 こういうときにバイクは身軽で助かる
 駐車場からするりと抜け、
 鶴岡市内へ向かう。

 鶴岡市内にも、古い建物がいくつか残されている。
 それを散策しようというのだ。
 市役所の駐車場にバイクを置き、
 そこにいた観光案内所のお姉さま方にお茶と地図をもらって、さっそく散歩を始める。

 まずは市役所の対面にある藩校「致道館」へ。

 ここは、藩校であると同時に、班の政治の中枢でもあったそうな。
中には藩主の部屋もあり、本格的。
 ここで学んでいた若い武士たちの姿が目に浮かぶ。
 地方の小さな藩でも、大きな志をもって生きていたにちがいない。
 
今の子供らにもその心意気を見てもらいたいものだ。

 と、この鶴岡出身である、歴史小説家、藤沢周平の記念館があるらしい。
 最近
歴史小説にはまっているスッキン氏も興味しんしんなので、さっそく行ってみる。

 藤沢周平はここ鶴岡出身で、始めは中学教師をしていたらしい。
 その後、肺結核で手術を受け、治療後、新聞記者に。
 仕事をしながら、作品に取り組んできたということか。素晴らしいことだし、尊敬してしまう。
 真面目に作品を読んだことがないので、まずは「たそがれ清兵衛」でも読んでみるか。

 さて、お散歩するもだんだんおなかが減ってきた。
 昼は、
鶴岡名物の「麦切り」を選ぶ。
 まあ、腰のある細めのうどん、といったらわかりやすいか。
 これはそばと麦切の二色ざる。
 てんぷらや、豆腐、金華豚の焼き肉付きでとてもうまかった!
 ※しかしその後、この店に帽子を忘れたことに気づくww

 鶴岡市内観光を終えて、いよいよ帰途につく。
 高速でまた温海温泉までもどり、
そこからは笹川流れを逆に戻りながら、新潟の村上市まで。
 
 ここで、我々は「鮭の専門店」に。
 村上市は、鮭の遡上で有名であり、
昔から鮭を干して発酵させた「塩引き」で有名なのである。
 この店をみたが、眼が飛び出るほどの
高級鮭がこの世にあることを始めて知る!
 私はアウトレット的な鮭を選んだが、一切れ900円!!二度と食えないかも…(でも確かにうまかった!!)

 せっかくなので、塩引き鮭と冷やし麹甘酒(これまた美味かった!)で記念撮影。
 今回の旅の成功を祝したのであった。

 この後、高速道路に戻り、新潟から関越道経由で地元まで一気に帰宅。
 合計、800キロ程度のツーリングとなった。
 ※昨年度の1200キロツーリングの反省をいかし(笑)ゆとりを残した!

 美味いものあり、
 人との出会いあり、
 素晴らしい景色あり、
 歴史との出会いありの、
 大変内容の濃いツーリングとなった。

 スッキン氏はこの後多忙のseasonに。
 私も梅雨時期は修学旅行などの仕事が続く。
 次回のツーリングは夏かな?

 昨年行けなかった分、楽しいツーリングを企画できれば、と思うoyoyoであった。